◆~エスポワールシチー~やる気のある人には誰も敵わない ジャパンカップダート


◆『やる気のある人には誰も敵わない』◆





要領がいい。

才能がある。

こういった素質を持っている人は

比較的スムーズに人生を送る事ができる。


自分にもあんな才能があったらな・・・

とついつい嘆いてしまうものだ。


しかしながら、その道において

確たる地位を築く人というのは

皆、とても真似できないほどの努力を積み重ねている。


やる気がみなぎる人、意思がとてつもなく強い人が

最後は抜きんでる。










11R 第10回 ジャパンカップダート(GI)




1着 エスポワールシチー(3 1/2馬身差)牡4
2着 シルクメビウス
3着 ゴールデンチケット







   ~草野球場にて~ 9回裏ツーアウト3塁 1-1の同点





プレミアムボックス
「頼んだぞ!サブロウ!おまえの努力の成果を今こそ見せろ!」


サブロウ
「練習通りやればできる・・・。バットを短く持って
 三遊間へ流し打ち・・・ ブツブツ」




   サブロウ三遊間へゴロ。ランナー生還。サブロウ1塁セーフ。
   内野安打でサヨナラ。




プレミアムボックス
「よっしゃーーー!!!サブロウすごいぞ!サヨナラだ!」


サブロウ
「せ、先生・・・ボクでもできたよ・・・泣
 あのとき野球やめなくてよかった。ありがとう、先生!」


プレミアムボックス
「誰も見ていないところでの毎日の素振り。走りこみ。
 そんなおまえの努力を、どうして神様はムダにしようか。
 もしそんないじわるな神様だったなら、先生が説教しにいってやるよ。
 よくがんばったな。サブロウ。今の気持ちをずっと忘れるな」






   ~球場のベンチにて~






レッドディザイア
「ボックス先生、今日の試合はとても感動しました」


プレミアムボックス
「い、いやーこちらこそ、
 わざわざレッドさんに応援に来てもらえて感激です!」


レッドディザイア
「努力は報われるんだなって、感動しました」


プレミアムボックス
「うーん。。レッドさん、必ずしも努力が報われるわけではないです。
 むしろ報われない努力の方がはるかに多い。
 だからこそ子供たちには、努力して勝ち取る成功体験というものを
 なるべく味わわせてあげたいと思ってます。
 努力なんかしてもムダだと思ってしまわないように」


レッドディザイア
「・・・ボックス先生は本当に子供思いのいい先生です。
 お話を聞いてるだけでとても勉強になります」


プレミアムボックス
「あはは・・でもこないだフラれてますから 汗
 いつかボクのいい部分がレッドさんに伝わればいいなと思ってますよ」


レッドディザイア
「・・・ボックスさん・・・今はごめんなさい・・・
 ・・・あれ?あそこでタイヤ5本もひきずって猛ダッシュしてるのって
 もしかして、エスポワールシチーさん?!」


プレミアムボックス
「ほんとだ。なんというハードトレーニング・・・」






   ~トレセンにて~




ウオッカ
「オウケンくんの場合、脚質的に後方からの競馬になってしまうことが
 勝ちきれない原因のひとつになってるわ。
 歴代の名馬をみても、4角では5番手以内に来ている馬が多いことから
 やっぱり競馬では先行力は大きな武器なのよね」


オウケンブルースリ
「は、はい。JCでも4コーナーで外にふくらんだ分
 加速が遅れた感があります~ デレデレ」


ウオッカ
「まあオウケンくんはあまり先行すると止まってしまうところがあるから
 一概には言えないけど、自在性をもつことは重要よ」


オウケンブルースリ
「そ、そうですよね~。いや~ウオッカさんのお話はためになります~
 しかも楽しいし~そしてほんのり香水のいい香りが・・・」


ウオッカ
「あら?あそこで150キロのバーベルかついでスクワットしてるのって
 ・・・・エスポワールシチーくん?」


オウケンブルースリ
「ほ、ほんとだ・・・なんという筋肉・・・ 驚」





   ~オウケンの自宅にて~





レッドディザイア
「でねでね、エスポワールシチーさんたら
 タイヤにヒモつけて腰に巻いて、タイヤ5個ひきずって
 走ってたの~~~!信じられる~???」


オウケンブルースリ
「てゆうか、おまえなんでここにいるんだよー。
 俺は今から読書するんだよ」


レッドディザイア
「どうせまたエッチな本でしょ?」


オウケンブルースリ
「バカ言ってんじゃないよ。
 ほら【競馬における先行力】どう?この本。
 ウオッカさんがオレのために貸してくれたんだよーん♪」


レッドディザイア
「ふーん・・・よかったね・・・」


オウケンブルースリ
「やはり美しい人は知性的でもあるんだなぁ~。
 ページをめくると、ウオッカさんの香水の香りがふんわりと・・・」


レッドディザイア
「どれどれ、ちょっと見せて。
 ふーん、なんか難しいね~。。。
 ・・・・・ポイッ」


オウケンブルースリ
「あぁ~~~!!!おまえ投げるなよー!ウオッカさんの大切な本をさー!」


レッドディザイア
「・・・プレミアムボックスさんは、私にいつも優しいよ・・?」


オウケンブルースリ
「・・・よかったじゃん。ボックスさんならいい人だから間違いないよ」


レッドディザイア
「・・・オウケンくん・・・私の気持ちには気付いてい・・・」



   ガチャッ



オウケンブルースリ
「ヴァーミリアンさん?!」


ヴァーミリアン
「エスポワールシチーの努力は尋常じゃない。
 私は9個目のG1を狙っているが、今回ばかりは強敵だ。
 エスポワールほど努力してる奴は見たことがない。
 おまえらも、イチャイチャしてないで見習え。じゃ」



   バタン



オウケンブルースリ
「な、なんだったんだ・・・?」








           完

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