◆~オウケンブルースリ~鳥を青くできるのは自分だけ ジャパンカップダート


◆『鳥を青くできるのは自分だけ』◆








11R 第10回 ジャパンカップダート(GI)




1着 エスポワールシチー(3 1/2馬身差)牡4
2着 シルクメビウス
3着 ゴールデンチケット






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■前回までのあらすじ■

レッドは幼なじみのオウケンが昔から大好きだが
ある時エスポに”一緒に海外に来てほしい”と言われ
オウケンに相談するも”行った方がいい”とか言われ
あてつけでOKしたものの、迷いがある。
 オウケンはかつてウオッカに告白するも撃沈。
その時は、レッドが泣くオウケンを支えている。
 果たしてレッドはエスポと海外に行くのか?
では、つづきをどうぞ。
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   ~出発当日 空港にて~




エスポワールシチー
「本当に来てくれるとは思わなかった」


レッドディザイア
「ちゃんとOKって言ったじゃない 笑」


エスポワールシチー
「う、うむ 照
 出発までまだ時間があるから弁当を買ってくる。
 お好み焼きをふたつでいいか?」


レッドディザイア
「ライスもだよ♪」


エスポワールシチー
「ああ、わかっている 照
 じゃあちょっとここで待っててくれ」





レッドディザイア
「・・・・あと少しで私は海外だよ・・? オウケンくん・・・」







   ~フレンチレストラン De ROANNEにて~





オウケンブルースリ
「い、いやあ、ウオッカさんから食事のお誘いを
 受けるなんて夢のようです~ デレデレ」


ウオッカ
「この間、オウケンくんに貸した本【競馬における先行力】
 私も好きな本なんだけど、内容がわかりにくじゃない?
 だから話が合う人がいなかったんだけど
 オウケンくんはちゃんと理解できてたから・・・。
 ちょっと感動したってゆうか・・ね」


オウケンブルースリ
「え、えへ~ウオッカさんに褒められるなら
 何百冊でも読んじゃいますよ~ デレ」


ウオッカ
「オウケンくん、食べ物は何が好き?
 ここは魚料理がオススメね。
 エイのムニエルあたりはどうかしら?」


オウケンブルースリ
「いやーよくわからないんでウオッカさんにお任せします」


ウオッカ
「じゃあお魚にしましょう。
 嫌いな食べ物とかはないかしら?」


オウケンブルースリ上の空
「・・・・・・・・・」


ウオッカ
「? オウケンくん?」


オウケンブルースリ
「あ!はい?なにか? すみませんボク今、ボーっとしてました?」


ウオッカ
「もうー。 一応デートなのになー。
 今なにか他のこと考えてたでしょ」


オウケンブルースリ
「・・・・・・・・え?今なんか言いました?」


ウオッカ苦笑
「オウケンくん、いつもと違うけど何かあった?」


オウケンブルースリ
「・・・いえ、最高に今、幸せです!」


ウオッカ
「それならいいんだけど・・・。
 じゃあまず何か飲む?白ワインでいいかな」




オウケンブルースリ
「・・・・・す、すいませんウオッカさん!
 ちょっと休養を・・いや急用を思い出しまして!
 ほんとにすみません! 今日はここで失礼します!!」




ウオッカひとりになる
「ふふっ。今度は私がフラれちゃったかな。 苦笑」








   ~ふたたび空港にて~





レッドディザイア
「エスポさん、遅いなー」




   そこへオウケンブルースリ猛ダッシュですべりこむ




オウケンブルースリ
「ゼハーー!!!ゼハーー!!!」


レッドディザイア
「えぇ~~?? オ、オウケンくん??なんで・・」


オウケンブルースリ
「ゼイゼイ・・・マジ疲れた・・JCで2着になった時より疲れた・・」


レッドディザイア
「ど、どうしたの?オウケンくん・・・」



オウケンブルースリ
「い、言えるようになったぞ・・」


レッドディザイア
「はい?」


オウケンブルースリ
「ちゃんと聞いてろよ。一度しか言わないから」


レッドディザイア
「・・・うん」


オウケンブルースリ
「と・・・・・」


レッドディザイア
「と・・?」


オウケンブルースリ
「東京特許許可局!!!」


レッドディザイア
「・・・・はい?」


オウケンブルースリ
「おおっしゃー!!!言えたどーー!!!
 おまえ昨日ゆったよな!”もし言えたらなんでも言う事きく”と!


レッドディザイア
「あ・・・」


オウケンブルースリ
「オレの命令はこうだ。 ”おまえはもう少し日本にいろ”」


レッドディザイア
「オ、オウケンくん・・・・ 涙」






   ドサッ(弁当を落とす音)



レッドディザイア
「・・・・エスポさん・・・」


エスポワールシチー
「ま、まあそんな気はしていたからな。。。
 もとよりオレは一人。誰の力も借りない。そこに戻っただけさ」


オウケンブルースリ
「すまんエスポ、もっと早くに言ってれば・・・」


エスポワールシチー
「だからあの時、聞いただろう?
 ”おまえはそれでもいいのか?”と。
 フッ。でもオレにはなんとなくこうなることが見えてた気がするよ」


レッドディザイア
「・・・エスポさん・・・ 涙」


エスポワールシチー
「そのふたつのお好み焼き弁当は、おまえらにやるよ。
 オレはまた ”米と塩” だ。
 お好み焼きは封印だ。
 それを見ると・・・あなたを・・・思い出してしまうから・・・」



レッドディザイア
「・・・エスポさん・・・ごめんなさい・・わたし・・ 泣」


エスポワールシチー
「オレはまた一人で生きることになる。
 ・・でも・・あなたと出会えたことはオレにとって
 生涯忘れ得ぬ思い出・・・です・・。ありがとう・・・」







         完

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