◆~シンメイフジ~禍福はあざなえる縄のごとし 阪神ジュベナイルフィリーズ
◆『禍福はあざなえる縄のごとし 第1話』◆
11R 第61回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)
1着 アパパネ
2着 アニメイトバイオ
3着 ベストクルーズ
4着 ラナンキュラス
5着 シンメイフジ(1番人気)
6着 タガノエリザベート
~全馬デビュー前 幼稚園にて~
タガノエリザベート
「えー?シンメイちゃんの粘土細工なんかヘン~」
ラナンキュラス
「ほんとだー。なにそれー。ヤギ?」
シンメイフジ
「ね、ねこなんだけどな・・あはっ・・」
ラナンキュラス
「どこがネコなの~?どうみてもヤギでしょ~?
こんなの壊しちゃおうよ! えい!」
シンメイフジ
「あ・・・・あたしのネコちゃん・・・・」
タガノエリザベート
「きゃはは~ つぶした方がネコにみえるじゃ~ん
感謝してよ? シンメイちゃん♪」
シンメイフジ
「え~~ん 泣」
タガノエリザベート
「やーい、泣き虫シンメイ~」
アパパネ
「ねえ、もういいでしょ?やめなよ」
タガノエリザベート
「なによ、アパパ。かっこつけてんの?」
アパパネ
「いこう?シンメイちゃん」
~大きな木の下にて 2頭~
アパパネ
「あんなの気にすることないよ、シンメイちゃん」
シンメイフジ
「う、うん・・でもあたし、なにやってもみんなみたいに
うまくできなくて、トロくさいって言われるんだ・・・」
アパパネ
「そんなことないよ」
シンメイフジ
「この間は、水遊びしてるときに
脚がすべってビニールプールの中で転倒して死にかけたし」
アパパネ
「あ、あれ大丈夫だった?結構な音したよ?ゴツンて」
シンメイフジ
「一瞬、今までの人生が走馬灯のように流れたわ。
といってもまだ1年くらいしか生きてないけど」
アパパネ
「で、でもさ、シンメイちゃん、積み木とか得意そうじゃん」
シンメイフジ
「こないだは調子に乗ってどんどん高く積んでいったら
全部自分の方に倒れてきて、死にかけたの・・・」
アパパネ
「そ、そんなに高く積めるなんてすごいよーー 汗」
シンメイフジ
「そしてそこでも走馬灯が・・・」
アパパネ
「そ、走馬灯マニアだね! 汗
ほら、文字的にもあたしたち馬だから、なんか合うよね! 汗」
シンメイフジ
「あたしなんて、何やってもダメな馬なんだよ・・きっと・・ 涙」
アパパネ
「そんなことないよ~~きっと何かあるはずだよ!
うーーん・・・あ、そうだ!」
つづく
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