◆シンメイフジ◆禍福はあざなえる縄のごとし第5話 阪神ジュベナイルフィリーズ


◆『禍福はあざなえる縄のごとし 第5話』◆







11R 第61回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)




1着 アパパネ
2着 アニメイトバイオ
3着 ベストクルーズ
4着 ラナンキュラス
5着 シンメイフジ(1番人気)
6着 タガノエリザベート




———————————————————-
■前回までのあらすじ■

シンメイは不器用で何をやってもトロくさいので
タガノエリザベートらにイジメられていた。
そこをアパパネが助けて
色々話を聞く中で、シンメイの得意なことを
見つけてあげようと考えた。
アパパネは、かけっこを提案。シンメイの素質に気づく。
それをタガノエリザベートがつぶしにかかる。
が、シンメイの健闘により負けそうになったタガノは
足を引っ掛けてなんとか勝利するも仲間に嫌われてしまう。
逆にシンメイはグループのリーダーに昇格するも
しだいに傍若無人な振る舞いになっていく。
———————————————————-



   ~ダーツバーにて~




シンメイフジ
「よ~し、じゃあラナン!的の前に立つのじゃ~」


ラナンキュラス
「え・・?的の前に・・ですか?」


シンメイフジ
「そうよ~ん。一人じゃ寂しいのかいな~。
 しょうがないの~。じゃあクルーズ!おまえも立て」


ベストクルーズ
「えぇー? 涙」


シンメイフジ
「的の両サイドにおまえらの顔を配置する形にしてだな。
 そうそう!そんな感じでおじゃる~。
 じゃあいくよ~~ えいっ!!」



   サクッ




ベストクルーズ
「ああああー痛いーーおでこに矢がぁ~~ 泣」


シンメイフジ
「ぎゃーっははははは!!!さ、ささってる~~ 笑
 わ、笑いすぎてお腹が痛いよ~~ 笑」




ラナンキュラス
「だ、大丈夫?クルーズ・・・」


ベストクルーズ
「う、うん・・・・・」


ラナンキュラス
「・・・・・・・」







   ~シンメイフジ睡眠中 夢を見ている~





シンメイフジ
「・・・ねえ、お母さん・・今日、幼稚園でね
 オセロやったんだけど、あたしが一番弱いの・・ 泣」


レディミューズ
「じゃあ練習しようか」


シンメイフジ
「昨日はラナンちゃん達と鬼ごっこしたんだけど
 あたしがずーーっと鬼のままで、みんなにバカにされるんだ 涙」


レディミューズ
「シンメイは心が優しいから、
 追いつけるのにわざとつかまえないからね 微笑
 お母さんはシンメイのそういうところ、いいと思うけどな」


シンメイフジ
「あたしはいつも負けてばかり・・・
 いつもバカにされるだけなの・・・
 お母さん、あたし幼稚園なんか楽しくないよ・・・ 涙」




レディミューズ
「・・・・・ねえ、シンメイ。
 人生っていうのはね、良いことと悪いことが
 折り重なるようにして繰り返されるの。
 それはまるで縄のように絡み合い、連綿と続いていくのよ。
 だから勝っておごらず、負けてくさらず、
 今の自分にできることをひとつづつやっていけばいいんだよ」


シンメイフジ
「・・・・よくわかんないよぉ・・・」


レディミューズ
「今はまだわからないかもしれないけど
 覚えておきなさい、シンメイ。
 そしていつかあなたが人生に迷ったとき
 お母さんの言葉を思い出してね。
 お母さんはいつでも、あなたのそばにいる」


シンメイフジ
「うん!わかったよ!お母さん!」


レディミューズ
「微笑 私のかわいいシンメイ。あなたは私の宝物よ・・・・」






   ~シンメイ 目覚める~




シンメイフジ
「・・・ううん・・お母さん・・・お母さん・・・ 涙
 もう朝か・・・ あれ?あたしなんで泣いてんだろ・・・」






   ~幼稚園にて~


シンメイフジ
「ラナンちゅわ~ん!今日はバックドロップの練習させてよ~ん♪」


ラナンキュラス
「・・・・・・」


シンメイフジ
「じゃあこの砂場に叩きつけるからね~~ん ププッ
 うまいことささったら笑えそうじゃね~~? 笑」


ベストクルーズ
「シンメイさん・・・・」


シンメイフジ
「おお~クルーズ。そのデコの傷はなんだ?」


ベストクルーズ
「シンメイさん・・・自分がやったことも覚えていない・・・」




ラナンキュラス
「シンメイさん、あたしら・・もうシンメイ軍団を抜けます・・」


シンメイフジ
「はぁ~?何いっちゃってんの、あーた」


ベストクルーズ
「・・・みんな・・あきれているのがわかりませんか・・?」


シンメイフジ
「んん~~?? あきれ?アキレス腱デスカ~~? 笑」


ラナンキュラス
「とにかく今日で、シンメイ軍団は全員脱退しますんで・・。
 あとはお一人でやってください。失礼します」



シンメイフジ
「・・・うーん、どういうことだろか~~ よくわかんにゃい」







   ~翌日 幼稚園にて~





シンメイフジ
「あれ~~?あたしのうわぐつ知らない?」


周りの馬たち
「・・・・・・」


シンメイフジ
「昨日ここにしまった上靴がないの。うーんなんでかなあ」


周りの馬たち
「・・・・ククク・・・・」


シンメイフジ
「どこいったんだろ~。ねえ誰か知らない?」


周りの馬たち
「・・・・・砂場にささってたら笑えるよねぇ・・・ククク・・・」


シンメイフジ
「え?」




先生
「ちょっとだれかの上靴が砂場で泥だらけになってたわよ!
 だれのイタズラなのー。まったくー」


シンメイフジ
「あ・・・あたしのうわぐつ・・・・」






        つづく

サブコンテンツ