◆禍福はあざなえる縄のごとし 最終話◆タガノエリザベート阪神ジュベナイルフィリーズ


◆『禍福はあざなえる縄のごとし 最終話』◆







11R 第61回 阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)




1着 アパパネ
2着 アニメイトバイオ
3着 ベストクルーズ
4着 ラナンキュラス
5着 シンメイフジ(1番人気)
6着 タガノエリザベート




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■前回までのあらすじ■

シンメイは不器用で何をやってもトロくさいので
タガノエリザベートらにイジメられていた。
そこをアパパネが助けて
色々話を聞く中で、シンメイの得意なことを
見つけてあげようと考えた。
アパパネは、かけっこを提案。シンメイの素質に気づく。
それをタガノエリザベートがつぶしにかかる。
が、シンメイの健闘により負けそうになったタガノは
足を引っ掛けてなんとか勝利するも仲間に嫌われてしまう。
逆にシンメイはグループのリーダーに昇格するも
しだいに傍若無人な振る舞いになっていき
シンメイ軍団は解散。シンメイはまたイジメられっ子に戻り
大事なレース当日、蹄鉄を隠されてしまう。
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    ~ジュベナイルフィリーズ当日~




シンメイフジ
「あれ?おっかしいなー。あたしの蹄鉄たしかこの辺に
 置いたと思うんだけど・・・」


周りの馬たち
「・・・・・ククク・・・・・」


アパパネ
「・・・ま、まさか・・・あんたら・・・」


周りの馬たち
「なぁに?アパパちゃん。あたしらに疑いをかけるっての?
 なんの証拠もないのに?
 そんな考え方が、歴史に冤罪を生んできたって知ってますぅ~~?
 アパパ検察官殿~~~ 笑笑」





シンメイフジ
「ど、どどどうしよう~アパパちゃん 泣」


アパパネ
「とりあえず裸足で走るわけにはいかないからね。。。
 ・・・・仕方がない。あたしのスペアの蹄鉄でガマンできる?
 足の大きさが違うから、走りにくいのはわかるけど
 裸足は危ないから。はだしのゲンみたいになっちゃうから」


シンメイフジ
「そ、それわかる人いるのかな 汗
 とりあえず、ありがとう。アパパちゃん。
 アパパちゃんの蹄鉄で走ってみるよ!」








    ~全馬ゲートイン完了~





周りの馬たち
「よっしゃーースタートだ!!勝つぞー!!」


アパパネ
(よし!絶好のスタートだ!内の馬を見ながら進める。
 ・・・・あれ?シンメイちゃんがいない?)




   シンメイフジ出遅れ



シンメイフジ
「ああー!やっぱり慣れない蹄鉄ですべってしまったー 泣
 みんなはもうあんな前にいるよ・・・ 涙」



周りの馬たち
「プププ~~~シンメイ出遅れてやんの~~ 笑
 あいつは終わったな。ザマーだなあ 笑」



アパパネ
「・・・・シンメイちゃん・・・」







    ~4コーナーにさしかかる~




周りの馬たち
「よーし!シンメイもエリも最後方だーー!
 これはあたし達の栄冠は間違いない!!
 いただきだああーーーー」


アパパネ
(ごちゃつく4コーナー。前には馬群・・か。
 どうする・・?内か、外か・・・)


周りの馬たち
「おりゃーーみんな広い外へ行くよーーー!
 内はごちゃつくから外に出せーーー!」



アパパネ
(! 前方の馬が外へ流れる・・・・
 ・・・内が開く・・・・・)



周りの馬たち
「よーし!栄冠は目の前だあーー!!
 勝った馬が新しい軍団のボスだよ!!
 勝つのは誰だーー!!
 ・・・・・・?あれ?今なんか風を感じたけど・・・」




アパパネ
「シンメイ、エリ・・・ごめんね。あたしは先にG1ホースになるよ。
 あそこにある桜の木に、花が満開に咲くころ
 同じこの場所で、今度はフェアな条件で走ろう。
 それまで、少しだけ先に行ってるね。
 シンメイ、エリ。
 あたしの大切な親友」



周りの馬たち
「はぁ~~?!アパパネか?!なんだありゃ~!一瞬で置き去りに・・・」






    ~そのころ最後方のシンメイ~





シンメイフジ
「・・・・もうだめだ・・・前の馬はあんなに遠くに・・
 ああ、思えばうわぐつもお弁当も、そして蹄鉄も
 すべてはあたし自身が呼び込んだ災難だった気がする。。。
 ”勝っておごらず負けてくさらず”・・・・・
 お母さん・・・・あたしダメだったよ・・・・
 もう疲れちゃったよ・・・お母さん・・・会いたいな・・・ 涙」




    シンメイ肩をつかまれる



シンメイフジ
「?」



タガノエリザベート
「おい!シンメイ!聞こえるか!まだ戦う心は残っているか!
 今日の展開と馬場状態から考えて、大外の最後方はたぶん失敗だ。
 でも阪神の直線は474m。
 勝つのは無理でも、1頭でも多く抜いてやろうぜ。
 あたしとあんたが併せ馬の形になれば伸びるはずだ!」



シンメイフジ
「エリちゃん・・・・」


タガノエリザベート
「あたしらさ、ちょっと道を間違ったよね。
 恵まれた環境に浮かれて、傲慢になってた。。
 それが自分でわからなかった。その程度のレベルだった。
 でも今はわかる。あんたもわかったんだろ?
 だから今からがんばろうぜ。
 今の自分にできることを地道にさ!」



シンメイフジ
「エリちゃん・・・・ありがとう・・・ 涙
 ホントはあたし、今あきらめようって思ってたんだ。。。
 エリちゃんが来てくれなかったら、あきらめてた。。
 ありがとう、エリちゃん・・・・」



タガノエリザベート
「・・・・・友達・・・だから・・・さ」








     ・・・・・ねえ、シンメイ。
     人生っていうのはね、良いことと悪いことが
     折り重なるようにして繰り返されるの。
     それはまるで縄のように絡み合い、連綿と続いていくのよ。
     だから勝っておごらず、負けてくさらず、
     今の自分にできることをひとつづつやっていけばいいんだよ




     お母さん・・・あたし今ならわかるよ・・・・
     ごめんね、お母さん。あたし、バカだったね・・・・
     でも、これからがんばるから!
     今度はお母さんの言葉、心に刻んで。






            完

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