◆予定調和からは新たな自分を発見することはできない◆トーセンファントム 朝日杯フューチュリティステークス


◆『予定調和からは新たな自分を発見することはできない』◆





思っていた通りに事が進む。

計画した通り。お約束の。云々。。。


スムーズに人生が進むのは

ストレスがかからなくていい。


しかし今までの自分の枠を超えて

新しい思考の枠組みを発見する時というのは

意外にも予想外のトラブルや困難を

乗り越えようと苦悩している時だったりする。









11R 第61回 朝日杯フューチュリティステークス(GI)




1着 ローズキングダム
2着 エイシンアポロン
3着 ダイワバーバリアン

      :
14着 トーセンファントム






    ~朝日杯 レース後~





トーセンファントム
「あぁ~~痛い~いたたた・・・」


ローズキングダム
「どうした?」


トーセンファントム
「痛いんだよ~~脚が痛いのぉ~~ 泣」


ローズキングダム
「なんで?」


トーセンファントム
「中山1600mの急カーブを外外で
 ずっと走ってたら脚に負担がかかったみたいだ 涙」


ローズキングダム
「うむ」


トーセンファントム
「いや、”うむ” じゃなくて~~!
 医者に診てもらったら
 ”右前浅屈けん不全断裂” ですね
 って言われたよ・・・・
 キングダム・・・オレ・・引退・・かなあ」


ローズキングダム
「ドンマイだ」


トーセンファントム
「は?」


ローズキングダム
「ドントマインドだ」


トーセンファントム
「なるほどー!Don’t mindね。
 多少のことは気にしないで
 おおらかな気持ちでコーヒーでも
 飲みながらブランチ・・・・・ってできるかー!バカー!涙」


ローズキングダム
「鮮やかなノリツッコミだ。
 その腕があれば引退しても食っていけるだろう」


トーセンファントム
「ありがとう!これから僕は馬芸人を目指して
 栗東のよしもとのNSCに入学・・・・・・ってだからー!!涙」


ローズキングダム
「ファントム・・・・オレも苦しいんだ・・・友達だから・・」


トーセンファントム
「・・・そう言うわりにはなんか顔がさっきから
 ちょっとニヤついてるんだけど」


ローズキングダム
「ええー?そ、そうかあ? ニヤ」


トーセンファントム
「お、おまえ・・・自分だけジーワンホースになって
 その喜びでオレの心配なんかしてないな、その顔は」



ローズキングダム
「なあファントム・・・・スムーズに成功への階段を
 上がっていくことはすばらしい。オレのようにな。
 だがな。本当に成長する時というのは
 予想外の逆境を眼前に突き付けられた時なんだ。
 そういう意味ではオレはスターになったが
 スターっていうかキング?
 名の通りキングダムだ。
 だがしかしなファントム。
 おまえはオレより大きな、無形の財産を手に入れたんだ。
 キングのオレよりな」



トーセンファントム
「な、なんかところどころというか
 前面に、というかおまえの自慢話にしか
 聞こえなかったりもするが・・・・。
 でもキングダムありがとう。
 オレ、状況のマイナス面しか見てなかった気がするよ」


ローズキングダム
「そうだ、ファントム。
 おまえはおまえだけのキングであればいいのだ。
 オレは完全にキングだが」


トーセンファントム
「そ、そうだな。。なんか釈然としない部分もあるけど
 オレはオレなりのキングを目指すよ!
 ・・・・・・なんかオレ、言いくるめられてる?」


ローズキングダム
「おまえは立派だ、ファントム。 ニヤリ」








         完

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