◆物欲が多忙人生を招く◆トーセンファントム 朝日杯フューチュリティステークス


◆『物欲が多忙人生を招く』◆





現代人は忙しい。

時間なんて何時間あっても足りない。

なんでこんなに忙しいんだ、と感じながら

スキマ時間の活用をしてみたりするが

やっぱり忙しい。


しかし根源的な所を考えてみると

あれが欲しいとか、立派な家に住みたいとか

そんな欲が、お金を必要とさせている面もある。


物欲がなければ

意外と人生の時間は

ゆったりと流れていることを感じるのかもしれない。








11R 第61回 朝日杯フューチュリティステークス(GI)




1着 ローズキングダム
2着 エイシンアポロン
3着 ダイワバーバリアン

      :
14着 トーセンファントム






    ~引続き ロッテリアにて~





ラナンキュラス耳元でささやく
「・・・・ねぇ・・・
 もう時間も遅いし・・・
 あたし・・・一人で帰るの・・怖いな・・
 マンションまで・・一緒に・・来て・・ はぁと」



オウケンブルースリ
「い、いやいや!オ、オレはエビバーガーを食べたいんだ!」


ラナンキュラス耳元でささやく
「・・・・じゃあ~
 ・・・エビバーガー・・・買ってマンション・・いこ?」



オウケンブルースリ妄想中
「・・・・・・・」



ラナンキュラス耳元でささやく
「・・・・ねぇ・・・・」



オウケンブルースリ
「・・・し、しょうがないなぁ!
 さ、最近物騒だからなあ!送るだけ送るかな!ハッハッハ!」



ラナンキュラス耳元でささやく
「・・・うれしい・・・  ニヤリ」






    ~ラナンのマンション~




ラナンキュラス
「オウケンさん、どうぞ上がって~~ 恥ずかしいな うふ」


オウケンブルースリ
「お、おじゃましまーーす ドキドキ」


ラナンキュラス
「今、お茶いれますねぇ~。コーヒーの方がいいかな?」


オウケンブルースリ
「あ、どどどどっちでも大丈夫です! ドキドキ」





ラナンキュラス
「はい。どうぞ~。熱いから気をつけてネ」


オウケンブルースリ
「い、意外と家庭的なんだね! ドキドキ」


ラナンキュラス
「うふ。嬉しい。 はぁと
 オウケンさんに褒められるのが
 いちばんいちばーん う・れ・し・い  はぁと」




    オウケンブルースリ 目がハート




ラナンキュラス耳元でささやく
「・・・ねぇ・・・オウケンさん・・・
 あたしのこと・・・好き・・・?」


オウケンブルースリ
「ま、まあ好きかなーーなんつって 汗汗」


ラナンキュラス耳元でささやく
「・・・いや・・・ちゃんとあたしの目を見て・・・」


オウケンブルースリ
「・・・ああ・・・なんて美しい瞳・・・すいこまれそうです・・・ ポー」




    ガチャ!




トーセンファントム
「おい、ラナン、ちょっと話が・・・ん?
 だ、だれだその男は!!
 あ!! ま、まさか・・オウケンさん・・・・?」


ラナンキュラス
「ち、違うの違うの~~!
 たまたまの展開で、オウケンさんに送ってもらったから~
 お茶くらい出すじゃない~? そんな感じ~」


トーセンファントム
「・・・・ふざけんなよ・・・・
 オウケンさんもだよ・・・いくら先輩だからって
 許せないことはあるんだよ・・・・ 怒」


オウケンブルースリ
「・・・あ? 空手の達人、ブルースリとやるってのか? 怒」



トーセンファントム
「・・・く・・・。なんで・・こうなるんだよ・・
 ラナン・・愛してたのに・・・ 泣」


ラナンキュラス
「だ、だから誤解だってぇ~~~ 汗
 ファントムくん、足ケガしてんだからムリしちゃだめだよ~
 今、タクシー呼ぶからさ、・・・ね?」


トーセンファントム
「・・・・もういいよ・・・ラナン・・がっかりだ。。。
 おまえには絶望した。。。
 もうオレに近づくな。おまえが困ってもオレは二度と助けないから。
 記憶から抹消だ。 じゃあな、ラナン。一生そうやって生きてろバカ」








    ~数日後 マクドナルドにて~





ラナンキュラス
「ふぅ~。こないだの修羅場には参ったな。。。
 しばらくおとなしくしてるか。
 それにしても忙しい。なんでこんなに忙しいんだ?
 やっぱ物欲が人生を忙しくしてしまう部分はあるよな~。
 ちょっと欲を減らさんとマズイなあ」




ガラの悪い馬たち
「ラナン、久しぶりだな・・・」


ラナンキュラス
「あ・・・ヤバ・・・」


ガラの悪い馬たち
「忘れたとは言わせねえよ?
 おまえに金まきあげられた愚かな馬たちが復讐にきてやったぜ。
 ちょっとツラ貸せや・・・・」






    ~人通りの少ない駐車場にて~





ガラの悪い馬たち
「まずは金だ。おまえが男どもから巻きあげた金を
 全部オレ達に渡せよ。
 そのあとでおまえを料理してやるよ ヘッヘ」


ラナンキュラス
「ご、ごめんなさい・・・ ガタガタ」


ガラの悪い馬たち
「今さら震えてんじゃねえよ・・許さねえよ・・・」






トーセンファントム
「ち、ちょっと待った!」


ガラの悪い馬たち
「あ? だれだオマエ?」


トーセンファントム
「そ、・・・・・・」


ガラの悪い馬たち
「はぁ?」


トーセンファントム
「そ、その女はオレの女だ!!
 汚い手でさわんじゃねえよ!!!」


ラナンキュラス
「・・・・ファントムくん・・・ 涙」



ガラの悪い馬たち
「オマエはバカか?命がいらないらしいな。
 こっちこいよ!ヒーロー気取ってんじゃねえよタコ!」






    数分後




ガラの悪い馬たち
「ふぅ・・・こいつバカだな。
 ゾンビみたいに何度でも立ち上がってきやがる。。。
 気色悪いからもう帰ろうぜ・・・」






ラナンキュラス
「・・・ファ、ファントムくん・・・?」


トーセンファントム
「・・・ああ・・いてえ・・・
 ラナン・・・よかった・・・無事で・・・」


ラナンキュラス
「・・・ファントムくん・・・どうして・・?
 ・・・あの時、もう助けないって・・・ 泣」



トーセンファントム
「オレバカだけどさ、ラナンがオレのこと
 本気じゃないことくらい知ってたよ・・・。
 でもさ・・・オレは本当に幸せだったんだ・・・。
 ケガして引退して・・・人生になんの希望も持てなかったとき
 オレを救ってくれたのは、やっぱりラナンの笑顔だったんだ。
 たとえそれがニセモノの笑顔だったとしても
 オレが救われた事実は変わらないからさ」



ラナンキュラス
「・・・・ファントムくん・・ごめんなさい・・・涙
 あたし・・・間違ってたね・・・・ 泣」



トーセンファントム
「・・・・いや、おまえは間違ってない。
 そしてたぶん、誰も間違ってないんだ。
 人それぞれ生きる形は違うけど
 みんな一生懸命に生きてるだけなんだよ、きっと」









         完

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