◆第二話:躍動する人間に孤独はとりつかない◆レッドディザイア 有馬記念(GI)
◆『躍動する人間に孤独はとりつかない』◆
経営者は孤独であると言われるのと同じく
目標を追う人もまた、孤独になりやすい。
しかし逆説的だが、目標を追う人は
孤独にはならないとも言える。
信念を持って何かを目指している者に
孤独という闇はとりつくことができない。
10R 第54回 有馬記念(GI)
1着 ドリームジャーニー
2着 ブエナビスタ(牝3 1人気)
3着 エアシェイディ
4連勝で迎えたオークス。
私は単勝1.4倍という圧倒的なファンの支持を受け
ハナ差で2冠達成。5連勝となり、スターホースとなった。
すでに同期の中では別格扱い。
私はいつも一人だった。
その一方で、あの子はいつも人気者だった。
ジェルミナル
「レッドー!おしいねー!レースは完璧だったよ!」
レッドディザイア
「まじですかいな・・・。あれで差されるのかいなー 涙」
ディアジーナ
「でもほんとすごかったよ!あのスター相手にさ」
強すぎる代償は同年代の友がいないこと?
負けられないプレッシャー?
さあ・・・よくわからない。
私は自分の夢を追うだけ。
夢を追っている限り、孤独は私にとりつくことはできない。
ブエナビスタ
「さあ、3冠へ向けてトレーニングしよう」
レッドディザイア
「ブエナちゃーーん♪ こんちわ!」
ブエナビスタ
「?」
レッドディザイア
「あれ?テンション低いぞ~。ねえブエナちゃん、
一緒に練習しようよ!」
ブエナビスタ
「え?」
レッドディザイア
「だってさだってさー、一緒の方が楽しいしー
ブエナちゃんに色々学べることもあるしさあ! ね?」
ブエナビスタ
「で、でも私らは敵同士・・・・」
レッドディザイア
「敵じゃないよ! レースでは勝者は1頭だけど
レース以外の時に勝者はいないんだし
だから敵も味方もないじゃん!!」
ブエナビスタ
「そうだけど・・・」
レッドディザイア
「よーしじゃあ併せ馬でトラック1周ね! ゴー!」
レッドだけが私をスターではなく
1頭の馬として見てくれた。
レッドは親友になった。私は彼女を認めていたし
とても好感が持てた。
・・・・ただ1点をのぞいて。。。
~秋華賞~
レッドディザイア
「つ、ついにーーーーー!!!!!
ついにブエナちゃんに勝ったどーーー!!!
やたーーー!」
ブエナビスタ
「ふ。負けたよ、レッド。今日のアンタは最高に強かったよ」
レッドディザイア
「あ、ありがどーーー 涙
ほんどありがどー 泣」
オウケンブルースリ
「おーす、レッド。おまえなかなかやるではないか。
まあマグレだと思うけどな」
レッドディザイア
「オウケンくん!見た見た見た?ねえ見た~~? 喜」
オウケンブルースリ
「見たけど。 ”見た”多くてうざい」
レッドディザイア
「つ、つひにブエナちゃんに勝ったんだど~~!」
オウケンブルースリ
「いや、嬉しいのはわかるけどさあ、
ブエナちゃんの前なんだから
ちょっとは遠慮しろよ、この無神経バカ。
なあ、ブエナちゃん?」
ブエナビスタ
「い、いえ。だ、大丈夫です。私は。 照」
オウケンブルースリ
「ほら。ブエナちゃんは大人だから。
そこのギャーギャーうっさいバカとは
心の成熟度が違うよねえ。
オレ、ブエナちゃんと幼なじみだったらよかったなー」
ブエナビスタ
「あ、ありがとうございます。光栄です・・ ドキドキ」
レッドディザイア
「ああー!オウケンくん、そんなこと言ってていいのかなー
貸してたダビスタ返してもらおっかなーー」
オウケンブルースリ
「ああっ!それはちょっと待ってくれ!
こないだせっかく最強馬ができたと思ったら
痛恨のフリーズでまたやり直しにーー! 涙」
レッドディザイア
「そんなの知りません~~。じゃあお好み焼きおごってくれるね?
ライスもだかんね~~~」
初めて見たのは新潟の阿賀野川特別だった。
大外からすごい勢いで飛んできた栗毛の馬に
私は目を奪われた。
その時は好きになるなんて思わなかったし
その人が親友の幼なじみということも知らなかったんだ。
つづく
■読者の皆さま、2009年も今日で終わりですね。
年をまたいで続いてしまうという筆者のグダグダ加減に
来年度も何卒お付き合いくださいませ(^^)
高山