◆最終話:これだけやってダメだったらもう仕方ない◆ブエナビスタ 有馬記念(GI)



◆『これだけやってダメだったらもう仕方ない』◆





努力をしても

もし結果が出なかったらイヤだから

最初から挑戦しないという選択をする人も多い。

挑戦しなければ傷つかないで済む。


でもやれるだけの努力をして

それでもどうしてもダメだったなら

それはもうしょうがないと思える。


これだけやってダメだっていうなら諦めもつく、

というくらいまで行ければ

理想の精神状態で挑める。







10R 第54回 有馬記念(GI)



1着 ドリームジャーニー
2着 ブエナビスタ(牝3 1人気)
3着 エアシェイディ






    札幌記念、秋華賞に続きエリザベス女王杯も
    差し届かなかった私は、自分のスタイルに
    自信が持てなくなっていた。
    強い相手に勝つには追い込み一辺倒では厳しい。。。
    しかしいきなりの先行策で惨敗したら?・・・怖い。。。





レッドディザイア
「ブエナちゃーーん!またまた惜敗だったねーー 涙
 でも負けて強し! クサナギツヨシだよ!」


ブエナビスタ
「レッド・・・私、次走は有馬なんだけど
 中山2500で追い込みでは厳しいと思ってるんだ。。
 でも先行なんてしたことないし・・・不安でさ・・ 苦笑」


レッドディザイア
「うーん。でもでも!たしかにブエナちゃんに先行されたら
 勝てる気がしないかも・・・。
 いいね!その作戦いけるんじゃない?」


ブエナビスタ
「先行して今までと同じ脚が使えるかはわからないし・・」


レッドディザイア
「・・・・そうだよね。舞台は有馬記念だもんね。。
 何かしらの確信がなければ、新しい作戦はとれないよねぇ・・・」






    何らかの確信・・・か
    確かにそうだ。
    こんな場面では自分の心を支えてくれるような
    精神的な支えがなければ、つっぱりきれない・・・。







    ~有馬 数日前~






レッドディザイア
「でねでねでね~~でね? 聞いてる?」


オウケンブルースリ
「聞いてるけど。”でね”多くてうざい」


レッドディザイア
「でねでね~?ブエナちゃんが悩んでるのー。
 だからさ、オウケンくん、励ましてあげてくれないかな?」


オウケンブルースリ
「なぜボクが?」


レッドディザイア
「うーん・・・よくわかんないんだけど
 ブエナちゃんはオウケンくんに励ましてもらったら
 勇気が出るんじゃないかなーってなんとなく思ったってゆうか。。」


オウケンブルースリ
「なにその根拠のなさ加減」


レッドディザイア
「うまく説明できないけどさあ、なんか女のカンみたいな?
 とにかく行ってきて! 親友の大事な大舞台なんだから!」






    ~トレセンにて~






ブエナビスタ
(先行か、追い込みか・・・・)





オウケンブルースリ
「おーい! ブエナちゃん!」


ブエナビスタ
「あ! オ、オウケンさん?! ドキドキ」



オウケンブルースリ
「ごめんごめん急に呼び止めちゃって。
 なんかレッドから聞いたよー?
 作戦、悩んでるって?」


ブエナビスタ
「あ、す、すみません。オウケンさんにまで迷惑かけてしまって」


オウケンブルースリ
「いや、全然いいけどさ。
 脚質のことかい?」


ブエナビスタ
「はい・・・先行して惨敗したらどうしようって・・・」



オウケンブルースリ
「うん。そうだよね。オレもキレを生かすタイプだから
 すごいわかるよ。ただオレの場合は先行すると
 イマイチなのはもうわかってるけど
 ブエナちゃんはまだ3歳だし、可能性は未知数だよね?
 言い方は悪いけど、もう3連敗してるんだから
 何も失うものはないとも言えるよね。
 やるだけやってみてさ、これでダメだったらしょうがないって
 思えるような悔いのないレースをしてみてもいいんじゃないか?」



ブエナビスタ
「悔いのないレース・・・・。
 ・・・・そうですね。
 確かに思い切っていかないと悔いが残りますね。
 ・・・わかりました。先行で行こうと思います!」


オウケンブルースリ
「もし仮にダメでもさ、来年また修正すればいいしさ、
 もしダメでもオレとレッドで残念会してあげるからさ。笑」


ブエナビスタ
「ありがとう。オウケンさん。。。
 ・・・・オウケンさん、今日はレッドに言われて来てくれたんですか?」


オウケンブルースリ
「うん、まあね。なんか女のカンとかなんとか。
 よくわからんからさ、あいつは昔から」


ブエナビスタ
「そうでしたか。オウケンさんに激励してもらって感謝です。
 有馬記念、迷いなく王者の競馬で行きますね!
 今日はありがとうございました!」






    ・・・・たぶんレッドは、私の気持ちに気づいていたんだろう。
    私を励ますために・・・。
    私はなんて狭量だったんだろう。
    自分の気持ちばかり優先していた・・・。
    オウケンさんが誰を好きになろうとも
    私は今、自分にできることを一生懸命にやろう。
    ありがとうレッド。あなたは大切な親友です。
    
    ・・・でもひとつだけ・・・
    有馬記念で私が先頭に立つ瞬間だけは
    オウケンさんの視線を独占してもいい?

    せめてその瞬間だけは。








          完

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