◆トウショウシロッコ◆同じ自分自身に対してある人は罵りある人は称賛する 中山金杯


◆『同じ自分自身に対してある人は罵りある人は称賛する』◆





同じことをやっていても

100%全員の人から称賛されることは極めて困難だ。

必ず一定の割合でマイナスの力が発生してくる。


最低限、自分に非がないかをチェックし修正したなら

あとは自分に反発する力は

気にしない方がよい。


罵られている自分を

別の人は称賛しているのだから。









11R 第59回 日刊スポーツ賞中山金杯(G3)




1着 アクシオン
2着 トウショウシロッコ(牡7)兄
3着 トウショウウェイヴ(牡5)弟






    ~中山金杯 当日の朝~





トウショウシロッコ
「よし、準備はいいか? ウェイヴ」


トウショウウェイヴ
「ああー兄ちゃん待って~~お弁当忘れた~」


トウショウシロッコ
「早くしないとレースに間に合わないぞ」


トウショウウェイヴ
「ご、ごめん兄ちゃん・・・すぐ準備するから。
 えーとお弁当と携帯と・・・あ!!
 しまった!コンタクト入れるの忘れてた!!」


トウショウシロッコ
「おいおいウェイヴ、何やってんだよ。
 もうメガネでいいだろ、今日は」


トウショウウェイヴ
「だってせっかくの兄ちゃんとの重賞の舞台なのに
 メガネってなんかカッコ悪いもん~~
 ・・・・いててて・・今日は目にしみる日だ~」


トウショウシロッコ
「ウェイヴ、先に車に乗ってるからな」






トウショウウェイヴ
「お、お待たせ!兄ちゃん」


トウショウシロッコ
「準備OKか? コンタクト用の目薬は持ったか?
 うむ。じゃあ行こうか」



トウショウウェイヴ
「今日は中山かあ・・・。憂鬱だなあ。
 兄ちゃん、ボク勝ち星5勝すべてが東京なんだ。
 中山はさっぱりなんだよ~~ 泣」


トウショウシロッコ
「うーん、そうだなあ。我々追い込み族は
 どうしたって中山より東京の方が走りやすいからなあ」


トウショウウェイヴ
「しかもボク15番人気だよ~ 涙
 どうしよう兄ちゃん。きっとファンのみんなにも
 ウェイヴはいらねえとか罵られているよね・・・泣」


トウショウシロッコ
「なあウェイヴ。多くの人に罵られたとしても
 逆におまえを応援してくれてる人も、
 少ないかもしれないけど必ずいるんだ。
 その人たちに納得してもらえるようなレースを
 すればいいんじゃないかな」



トウショウウェイヴ
「後方からどこまで・・・っていう競馬かなあ」


トウショウシロッコ
「いや、中山コースで15番人気なら
 もう思い切って逃げるくらいの気持ちで行ってみたらどうだ?
 サニーサンデーが速いから、逃げるのは無理でも
 2番手あたりにつけてのまさかの先行策もおもしろいと思うよ」


トウショウウェイヴ
「う、うん・・・やってみるよ、兄ちゃん ドキドキ」






    ~中山金杯 スタート~




トウショウウェイヴ
「おっしゃー!兄ちゃん、ガンガン前に行くよ!」


トウショウシロッコ
「がんばれ、ウェイヴ・・・・」





    ~4コーナー~



トウショウウェイヴ
「・・・ゼイゼイ・・・だ、だめだぁ~
 兄ちゃんボクもうバテバテだよ~~
 ズルズル後退・・・ 疲れちゃったよ・・・・涙」



トウショウシロッコ
「ウェイヴ!!」


トウショウウェイヴ
「に、兄ちゃん・・・ バテバテ」



トウショウシロッコ
「ウェイヴ!まだあきらめるな!!
 兄ちゃんに馬体を併せろ!!
 一緒にゴールまで走ろう!
 最後まで走ろう!!」


トウショウウェイヴ
「に、兄ちゃん・・・ 涙
 わかったよ! 馬体を併せて・・・
 あ、なんか兄ちゃんと一緒だと
 また力が湧いてきたよ!
 ゴールまであと100m! 
 兄ちゃんに離されないようについていくんだ!!」







         完

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