◆ガルボ◆怠惰の中に幸福はない シンザン記念(G3)


◆『怠惰の中に幸福はない』◆






”あの人はいつものんびりしてて幸せだね~”

などという言葉はよく聞くが

ダラダラすごしている方が

むしろ幸福感は薄かったりする。


幸不幸感というのも

ある種、自己の中での相対的な感覚であり

苦しさを感じるからこそ

その後の幸福感を感じることができるのだ。








11R 第44回 日刊スポーツ賞シンザン記念(G3)




1着 ガルボ
2着 シャイン
3着 セレスロンディー






ガルボ
「我ながら強い勝ち方だったなあー 喜
 突き放すときの脚がジーワン級だね。自画自賛」



レッドディザイア
「こらこら、うぬぼれてたらダメよ、ガルボ」


ガルボ
「あ、姉ちゃん」


レッドディザイア
「でもお父さんも喜んでたわよ。
 あのガルボがここまで・・・とかって」


ガルボ
「マンハッタン父ちゃんはステイヤーだったから
 ボクもマイルはどうかなって不安もあったんだけどね」


レッドディザイア
「でも私も嬉しいな。あんたは勝ち上がるのに
 4戦もかかってしまって、決してエリートではなかったから」


ガルボ
「うん。ボクはデビュー当時は、まだ気持ちが入ってなくて
 ”競走馬なんて先天的な才能によって決まるんだろ”
 って、斜に構えていた部分があった。
 ダラダラ過ごしてた方がハッピーでいいじゃん、みたいな」


レッドディザイア
「そうね 苦笑」


ガルボ
「でもなかなか勝ち上がれなかった時
 レッド姉ちゃんは言った。
 ”幸福感はダラダラ過ごす中にある量よりも
 努力と苦しみの向こう側にある量の方が多いのよ” って。」


レッドディザイア
「そ、そんなこと言ったっけ 照
 我ながら、かっこいいセリフだわ 苦笑」


ガルボ
「レッド姉さんも、ブエナさんに負け続けても
 苦しみから逃げずに最後はついに勝った。
 喜びはきっと、そういうところにこそ満ちているんだなって思ったんだ」


レッドディザイア
「・・・・うん。ガルボはもう大人だね 涙
 私が教えることはもうないよ」





オウケンブルースリ
「ガルボよ、よくがんばった」


ガルボ
「あ!オウケンさん! ありがとうございます!」


オウケンブルースリ
「そのお祝いといっちゃあなんだが
 おまえに料理をふるまってやりたいと思う」


ガルボ
「マ、マジっすか?! いいんですか? やったー」


オウケンブルースリ
「いいってことよ。では行こうか ニヤリ」






    ~レッドディザイアの家にて~




ガルボ
「オウケンさん、何を食べさせてくれるんですか?」


オウケンブルースリ
「カレーだ」


ガルボ
「いいっすねー!カレー大好きっすよ!」


オウケンブルースリ
「では用意するからちょっと座っていたまへ」







オウケンブルースリ
「よし、レッド。こないだのレッドカレーの
 残った分、冷凍してただろ?あれを解凍だ」



レッドディザイア
「あ、あれ結局わたし食べてないんだけど
 オウケンくん、辛いって言ってなかった?」


オウケンブルースリ
「いやいやレッドカレーは絶品だったよー。
 ぜひガルボくんにも食べさせてあげたくてね ニヤリ」







オウケンブルースリ
「ガルボくん、お待たせ。
 シンザン記念祝いの超高級カレーだ。
 作るのに実に7時間以上かかっているのだぞ」



ガルボ
「そ、そんな高級カレーをボクのために・・・ 涙
 ありがとうございます!! いただきます!!」


オウケンブルースリ
「うむ。存分に堪能したまへ ニヤリ」



ガルボ
「・・・・・・・・・」



オウケンブルースリ
「ん? どうした?ガルボ」


ガルボ
「やっぱりこの勝利は僕だけの力ではないですし
 姉ちゃんやオウケンさんが応援してくれたからこその勝利だから
 この超高級カレーの最初の一口は
 オウケンさんに食べる権利があると思うんです!!」



オウケンブルースリ
「そそそそそっそんなこと気にするでない! 汗
 主役はガルボなのだから!!!」


レッドディザイア
「オウケンくん、ガルボの気持ちも汲んであげて?
 分け合って食べることがガルボの幸福なんだからさ!」


オウケンブルースリ
「いや、あのーーーボクはおなかがいっぱいってゆうか・・・・汗汗」



レッドディザイア
「オウケンくん、レッドが食べさせてあげるー うふ
 記念の一口だから、多めにがっつり行くわよ。
 はい、あーん」


オウケンブルースリ
「ああ・・こんなことがあっていいのか!
 あーーん。 モグモグモグ・・・・・」


ガルボ
「高級カレーはやっぱ絶品っすか?!オウケンさん!」



オウケンブルースリ
「・・・・・あ!あうっ!!!!!!!!!
 ぎぃやああああああーーーーーー!!!!」


ガルボ
「あれ??ど、どこ行くんスか??オウケンさーーん!」







窓からのぞいていたジャングルポケット
「あ、あれは・・・昨日わしがされた”レッドカレーの刑”!!
 息子よ・・・天罰じゃ ホッホ」







         完

サブコンテンツ