◆メイショウベルーガ◆日経新春杯 一番の不幸は今までずっと幸福だったことである


◆『一番の不幸は今までずっと幸福だったことである』◆






人間は適応する。

極端に言えばどんな環境にも適応できてしまう。

寒さにも暑さにも

新しい学校にも、新しい職場にも。


適応力がなければ

毎日はストレスだらけだから

この能力はすばらしい。


でも同時に、不幸にも適応できる。

そして幸福にも適応してしまう。

慣れてしまう。

感動がなくなってしまう。









11R 第57回 日経新春杯(G2)



1着 メイショウベルーガ(牝5)
2着 トップカミング(牡4)
3着 レッドアゲート(牝5)






レッドアゲート
「ベルーガ、おつかれ! すごい脚だったね!」


メイショウベルーガ
「ありがと。ふふ。時計もいいし前途有望って感じよ」


レッドアゲート
「エリザベス女王杯では完全な逃げ残りで
 追い込みのベルーガには不運だったから、ほんとよかったね」


メイショウベルーガ
「ええ。でも私は不運とか不幸だとか思ってないのよ。
 むしろあのことがあったから今日の勝利は格別に嬉しいし
 悔しさのあとの喜びだからこそ
 そのギャップは大きく、喜びも大きいからさ」




トップカミング
「ベベ、ベルーガさん!おつかれっした! 照」


メイショウベルーガ
「あら、カミングくん、おつかれさま♪」


トップカミング
「ボクもいいタイミングで抜け出したんですけど
 ベルーガさんの末脚は息が長いですね 照」


メイショウベルーガ
「うーん、結果的には前がつぶれる展開でラッキーだったけど
 実は3コーナくらいから押してたのに
 全然エンジンがかからなくて 苦笑」


トップカミング
「でもベルーガさんに並ばれたときは
 ああ、差されるなーって感じました。迫力がすごい。
 しかもいい香りが・・・」


メイショウベルーガ
「え?」


トップカミング
「い、いえ!なな、なんでもありません! 汗
 でもいつみてもベルーガさんは透き通るような白い肌・・・ ポー」


メイショウベルーガ
「うふふ。カミングくんも す・て・き  はぁと」


トップカミング
「は・・はひ・・・うれしいれす・・ ポー」





レッドディザイア
「ちょっとちょっとーーベルーガさんはまたそうやって若い子を
 困惑させてーー。罪なオンナですね」


メイショウベルーガ
「あらレッド。いいじゃない別に。
 私のこと美人だって言ってくれてるんだから♪
 ね? カミングくん? はぁと」


トップカミング
「は・・はひ・・雪のように美しく、目を奪われてしまいまふ・・ ポー」


レッドディザイア
「だめですよーカミングくんは将来有望な若手なんですから。
 さて、ベルーガさん、祝勝会でも行きますか?」


メイショウベルーガ
「そうね。ありがと。レッドのオゴリよ♪」






    ~居酒屋 わたみにて~




レッドディザイア
「じゃあおめでとうございまーす!ベルーガさん!
 かんぱーーい!!!」


メイショウベルーガ
「乾杯♪ ありがとレッド。
 でも居酒屋で女ふたりってのも・・・。
 カミングくん連れてくればよかったのに」


レッドディザイア
「ベルーガさんは美人だからすぐ牡馬とトラブるので
 今日は女ふたりです!」


メイショウベルーガ
「ふうん。つまんないの。
 ところでアンタ、オウケンくんとはうまく行ってんの?」


レッドディザイア
「ななな、何を突然! 汗汗」


メイショウベルーガ
「つうかバレバレだし。みんな知ってんじゃん。そんなの」


レッドディザイア
「ま、まあ今日は私の事はいいんです!! 照
 ベルーガさん、これで一躍スターですかね!」


メイショウベルーガ
「うーん。いつも思ってた事があるんだけどね?」


レッドディザイア
「なんすか?」


メイショウベルーガ
「”メイショウベルーガ” って名前が美しさをあまり感じなくない?」


レッドディザイア
「うーむ。そう言われてみると・・・」


メイショウベルーガ
「この美しいルックスにふさわしい名前はないかなーって
 いつも思うのよねー」



レッドディザイア
「なるほど。。。
 ・・・・メイショウエリザベステイラーとか?」


メイショウベルーガ
「うん、そうそう、いいわね・・・ってなげーよ!」



レッドディザイア
「じゃあ・・・メイショウオノノコマチ」


メイショウベルーガ
「世界3大美女ね・・・ってなげーって!」


レッドディザイア
「メイショウクレオパトラ」


メイショウベルーガ
「・・・あんた馬名は9文字までってわかってる? 怒」


レッドディザイア
「なるほど。9文字ですね?
 ・・・じゃあ・・・メイショウガルベス」


メイショウベルーガ
「野球選手かっ!! しかも全然かわいくないし 怒
 もっとかわいーやつにしてよ」


レッドディザイア
「ふむ。かわいいやつですね?・・・。
 ・・・メイショウワンチャン」


メイショウベルーガ
「チワワかっ!!
 エイシンワンシャンみたいになってんじゃねえかよ」


レッドディザイア
「メイショウウッキー」


メイショウベルーガ
「サルかっ!!」


レッドディザイア
「メイショウほっぺに木の実」


メイショウベルーガ
「リスかっ!!
 ってゆうかアンタまじめに考える気あんの? 怒
 漢字を使うなバカ」


レッドディザイア
「うーん。漢字はだめか・・・
 じゃあメイショウオウドウ」


メイショウベルーガ
「使用済みだよっ!!
 しかも牡馬だろうが!」


レッドディザイア
「メイショウワンチャン」


メイショウベルーガ
「さっき聞いたよっ!!!怒
 もういいよ・・・アンタに期待したあたしが間違ってたよ・・」


レッドディザイア
「メイショウベルーガ」


メイショウベルーガ
「あたしだよっ!!!怒」







         完

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