◆レッドスパーダ◆東京新聞杯 何事も最初はつまらない


◆『何事も最初はつまらない』◆





基本的に物事は

上手にできるから楽しい。

全然うまくできないことは

楽しいとは思えないことが多いだろう。


特に他人との優劣を競うものや

仕事のスキルなどは

経験を積んでうまくならないうちは

苦痛でしかなかったりする。


しかし苦痛な時期は永遠に続くわけではなく

上手にできるようになれば

その楽しさがわかってくるものだ。


一番苦しいのは最初の時と言えるだろう。







11R 第60回 東京新聞杯(G3)




1着 レッドスパーダ(牡4)
2着 トライアンフマーチ(牡4)
3着 エーシンフォワード
      :
      :
14着 ストロングガルーダ(牡4)
15着 ティアップゴールド(牡4)






トライアンフマーチ
「おめでとう、スパーダ。
 やられたよ。今回は完敗だ」



レッドスパーダ
「あ、トライアンフくん、ありがとう! 喜
 まあ今回は先行して上がり33.5だからね。
 展開と馬場の恩恵もあるよ」


トライアンフマーチ
「まあ内の芝が極端に走りやすかったからなあ。
 オレも内に進路を取れて、行けると思ったんだけど・・・」


レッドスパーダ
「トライアンフくんはあの流れでエーシンフォワードさんを
 最後、抑え込むんだから勝負根性がすごいね!」


トライアンフマーチ
「またまた、お世辞はいいって 苦笑
 いやしかし同じ4歳世代でライバルに先に
 重賞制覇されるのは悔しいな・・・」


レッドスパーダ
「い、いやあ・・・ボクも今回はたまたまうまく走れただけで・・・」


トライアンフマーチ
「よく言うよ。藤沢厩舎のスーパーエリートくんが。
 やっぱ才能ある奴ってのは走ってて楽しいだろう?」



レッドスパーダ
「いやいやーこれは謙遜ではなくてさあ、
 ボクもここ2走はうまく走れるようになってきたけど
 去年までは全然うまく走れなくて
 ホント競馬がつまんなかったんだよ・・・」


トライアンフマーチ
「え、そうなのか?」


レッドスパーダ
「そうだよー。エリートとか言われて
 期待されたはいいけど富士Sなんて
 1番人気で15着だからね・・・涙」



トライアンフマーチ
「ふうーん。坊ちゃんにも悩みはあったんだなあ」


レッドスパーダ
「藤沢先生にも
 ”おまえはスタートはすばらしいセンスがあるから
 あとは道中でタメをつくってしまいのキレを出せ”
 とか言われてたんだけど、言ってる意味がわからなくて 苦笑」


トライアンフマーチ
「優等生かと思ってたけど
 意外と苦労されてるようで 汗」


レッドスパーダ
「全然、優等生なんかじゃないよー。
 走ることの楽しさがわかってきたのなんて
 ホントに4歳になってからだもん」


トライアンフマーチ
「やっぱり上手くできないうちって
 何事も楽しくないよな」


レッドスパーダ
「だよね。でも努力と経験を積んで
 うまくできるようになってくると
 少しづつ楽しくなってくるものなのかもね」


トライアンフマーチ
「フッ。そうだな」





話を聞いていたストロングガルーダ
「ちょ、ちょっと待てオマエラ」


レッドスパーダ
「あ、ガルくん、おはよう」


ストロングガルーダ
「なんかオマエラ、美しい話にして
 美談で締めようとしてないか?」


トライアンフマーチ
「いや美談てゆうか真実を
 淡々と語ってるだけなんだが・・・」


レッドスパーダ
「だよね。僕らの経験をお互いに語って
 そこに再現性のある法則があるんじゃないかなって
 二人で今、考えてたんだー」



ストロングガルーダ
「よーしわかった。そこまで言うならオレも語ってやる 怒
 オレは3歳までに、ラジオNIKKEI賞(G3)
 を含めて4勝もあげて
 競馬が楽しくて仕方なかったんだが
 さらに経験を積んだはずの、ここ3走の成績は
 14着→13着→14着・・・・
 なんじゃこりゃーー!!
 おまえらの論理で行けば
 経験を積んだらもっと楽しくなるんじゃないのかコラー!
 さあ、反論してみんかいっ!! さあっ!!!」




ティアップゴールド
「ん?ガルくん、ひとり言?
 だれもいないよ?」



ストロングガルーダ
「えぇ~~~?!
 スパーダとトライアンフのやつら・・・・
 シカトして帰りやがった・・・ 泣」


ティアップゴールド
「そ、そうだったんだ・・・ 汗
 で、でもさ!今のガルくんの言葉、
 ボクはすごく共感できたよ!」


ストロングガルーダ
「・・・まあおまえも3歳のNZTまではよかったが
 最近は悲惨だもんな・・・」


ティアップゴールド
「うん・・・ 涙
 だからさっきのガル君の演説に感動したんだ! 喜」


ストロングガルーダ
「・・・おまえに感動されてもな・・・ 泣」


ティアップゴールド
「僕らは僕らなりの道を行こうよ!」


ストロングガルーダ
「どんな道があるっていうんだよ 泣」


ティアップゴールド
「ボク、考えたんだ!
 ”二ケタ着順連合” を結成して
 ガルくんが初代総長、そして
 ボクが副長になるの! 喜」



ストロングガルーダ
「ああ・・・オレはこのままではヤバイ気がする・・・ 涙」






         完

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