◆テスタマッタ◆フェブラリーステークス まず仮説を立てることが重要


◆『まず仮説を立てることが重要』◆





何事も、こうすればOK的な

マニュアルや助言があれば楽だが

世の中のことは、大事なことほど

教えてはもらえないものだ。


だから自分でコツを探すしかない。

まず仮説を立てる。

そして検証してみる。

実践した結果を自分なりに分析して

また次の仮説を立てて検証する。


誰も教えてくれないなら

この繰り返しで

自分で少しづつ探っていけばよい。






11R 第27回 フェブラリーステークス(GI)




1着 エスポワールシチー
2着 テスタマッタ
3着 サクセスブロッケン





オウケンブルースリ
「くっそー、マリンちゃんのヤツ~。
 どうすんだよ~今月の生活費・・・ 泣」


エスポワールシチー
「ん? オウケンか?」


オウケンブルースリ
「おお!エスポ!
 フェブラリー見たぞ。
 ありゃー大人げない勝ち方だったなー」


エスポワールシチー
「オレは手加減の仕方をしらんのだ」


オウケンブルースリ
「はいはい。あいかわらず、おっとこまえですねえ。
 ・・・・
 ・・・あ、あのさー
 ちょっと頼みがあるんだけど、エスポくん・・・」



エスポワールシチー
「ん?」


オウケンブルースリ
「す、少しばかりのお金を私に貸してはもらえないでしょうかね?」


エスポワールシチー
「なにかあったのか?」


オウケンブルースリ
「あ、ああ、まあその・・・敗北を・・・」


エスポワールシチー
「まさか空手の達人のおまえが
 ケンカで負けるとは思えんが。」


オウケンブルースリ
「まあオマエには負けるような気もするが・・・」


エスポワールシチー
「誰だ? 相当に強い男か?」


オウケンブルースリ
「う、うーん・・・女・・・かな」


エスポワールシチー
「女? 冗談だろう?
 そんな強い女がこの世にいるのか?」


オウケンブルースリ
「いるんだ。いつも完敗だ」


エスポワールシチー
「・・・・レッドさん・・・ではないよな。
 レッドさんならオウケンに勝つような気もするが
 カツアゲはしないよな・・・」


オウケンブルースリ
「レッドではない。
 ある意味レッドより強いと言える。
 ほとんど勝ったことがない」


エスポワールシチー
「・・・・だ、誰なんだ?」


オウケンブルースリ
「・・・・マリンちゃんだ」


エスポワールシチー
「・・・・・・・」



オウケンブルースリ
「貸して?」


エスポワールシチー
「断る」


オウケンブルースリ
「そんなぁ~ 泣」




テスタマッタ
「待った!!」



オウケンブルースリ
「あ?誰だおまえ・・・あ。
 テスタマッタくんではないか。
 フェブラリーはがんばったな。
 そこの筋肉マンがいなけりゃ1着だったのにな」


テスタマッタ
「どうもです。」
 


オウケンブルースリ
「まあ流れ的にも、前に行った馬はエスポにつぶされたから
 結果的に後方待機の作戦は正解だったな」



テスタマッタ
「マッタ!!」


オウケンブルースリ
「あ?」


テスタマッタ
「結果的にうまくいったのではありません。
 ボクは事前に仮説を立てた。
 エスポさんが強い競馬をしてくると仮定するなら
 前の馬は厳しくなる。
 ならば後方、内々で脚をためるべし! と」



オウケンブルースリ
「そ、そうか 汗
 スマン。考え抜いた作戦だったんだな 汗」



テスタマッタ
「マッタ!!」


オウケンブルースリ
「え?」


テスタマッタ
「考え抜いたわけではないです。
 ひらめきです。
 ひらめきは普段からのインプットから生まれます」


オウケンブルースリ
「そ、そうか 汗
 ところで
 あ、あのさー
 チミでもいいんだけどさー
 ちょっとお金を貸してもらえないかな?」



テスタマッタ
「マッタ!!」


オウケンブルースリ
「は、はい?」


テスタマッタ
「友人同士でのお金の貸し借りは
 デメリットが多すぎます。
 友情も、お金も失うことになりかねない。」


オウケンブルースリ
「せ、正論です・・・」


テスタマッタ
「マッタ!!」


オウケンブルースリ
「また待つんですか? 汗」


テスタマッタ
「ボクは自分の考えを言っただけであって
 それが正論とは思ってません。
 ボクはそんなにうぬぼれてません」



オウケンブルースリ
「そ、そうなんですね 汗
 わかりましたよ。
 じゃあ私はしばらくご飯なしの刑ってことですね。
 餓死したらオマエのせいな」


テスタマッタ
「マッタ!!」


オウケンブルースリ
「なに? メシおごってくれるの?」


テスタマッタ
「あそこのパン屋さんに行けば
 パンの耳をタダでもらえますよ。
 だから餓死はありえません」


オウケンブルースリ
「オ、オレはそこまで落ちてませんし! 怒
 なんなんだよおまえは!
 いちいち! 怒
 オレはもう帰るっ!!!」


テスタマッタ
「マッタ!!!」


オウケンブルースリ
「待たん! 怒」







         完

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