◆エスポワールシチー◆マクトゥームチャレンジR3 Is your love genuine? Is it an imitation?


◆『Is your love genuine? Is it an imitation?』◆








マクトゥームチャレンジR3(オールウェザー2000メートル)


    ドバイ・メイダン競馬場




    レッドディザイア 1着
    ウオッカ     8着






    ~昨日の電話の続き レッドにキャッチ入る~





レッドディザイア
「あ、オウケンくん、ごめん、キャッチだ!
 じゃあ切るからねー。バーイ!
 ・・・・・・・
 えーとキャッチのボタンは・・・これか。
 ピッ
 ・・・はい、もしもし、レッドディザイアですがー」



エスポワールシチー
「ああ、レッドさん。
 エスポですが」


レッドディザイア
「あーー!!エスポさんだぁーー!!」


エスポワールシチー
「レース見たよ」


レッドディザイア
「見てくれたんですねー! 喜
 ありがとうございましゅー!
 わざわざドバイまで電話くださるなんて! 喜」



エスポワールシチー
「ちょっと前までは
 オレが世界を制するとか言ってたのにな 苦笑
 先を越されたよ」


レッドディザイア
「いやーありがとうございます!! 喜
 これもエスポさんが日頃、
 一緒にトレーニングしてくれたおかげですぅー」


エスポワールシチー
「・・・・いや、最後の一閃の追い込みを見ていて思った。
 もうレッドさんは、オレを超えてるどころか
 文句なしに世界の名牝になったんだなと」



レッドディザイア
「そ、そんなのとんでもないですぅー!
 あたしはいつでも、あたしのままだから」


エスポワールシチー
「いや・・・遠い存在に見えたよ・・・」


レッドディザイア
「・・・・エスポさん・・・・」



エスポワールシチー
「い、いやスマン! 汗
 しめっぽくしてしまったな!
 なんでもない。忘れてくれ」


レッドディザイア
「・・・・・・・」


エスポワールシチー
「レッドさん?」



レッドディザイア
「・・・・エスポさん、あたし本番もがんばるから。
 ドバイに来られなかったエスポさんのために
 たとえどこかケガしても、恐れずに勝ちに行くから」


エスポワールシチー
「・・・・いや・・・それはやめてくれ」


レッドディザイア
「・・・・?」


エスポワールシチー
「これを言っていいのかどうか迷ったんだが・・・」


レッドディザイア
「・・・・・」


エスポワールシチー
「・・・・世界なんか獲れなくてもいい。
 ただ、無事に帰ってきてくれれば」


レッドディザイア
「・・・・エスポさん・・・・」



エスポワールシチー
「あなたが無事に帰ってきてくれなければ
 オレには生きる意味がなくなる」


レッドディザイア
「・・・・・・・涙」


エスポワールシチー
「勝っても負けてもいい・・・。
 ただ元気な姿で帰ってきてくれ・・・。
 頼む・・・」


レッドディザイア
「・・・わかったよ。約束する・・・涙
 日本に帰ったら、また、一緒にお好み焼き
 食べに行こうね 涙」


エスポワールシチー
「ありがとう・・・・」




===============================



    ~ミスドにて~




オウケンブルースリ
「うーん、うまいっ!!
 やっぱポンデ・ダブルショコラ最高!!」



エスポワールシチー
「・・・・あ、甘いものを食わせるな・・・怒」


オウケンブルースリ
「あれ?エスポ、ミスド嫌いだった?」


エスポワールシチー
「というか男が甘いもんなんか食ってんじゃねえ」



オウケンブルースリ
「えー、エスポさん、古い~
 って言われるぞ。」


エスポワールシチー
「男に古いも新しいもない」



オウケンブルースリ
「いやーあるだろー。
 古い男は時代に適応できてないから
 子孫繁栄の機会を失って絶滅しちゃうぞー」


エスポワールシチー
「それは女に迎合してるだけだ」



オウケンブルースリ
「うーん。でも今どきの女の子は
 亭主関白なんて、まず選ばないと思うぞ。
 ”さだまさしかっ!” とかつっこまれて終了だな」


エスポワールシチー
「いや、さだまさしのアレは硬派ではないと考える」


オウケンブルースリ
「そうなの?」



エスポワールシチー
「”メシをつくれ” ”オレより先に寝るな”
 要するに、”オレの世話をしろ”
 と、ひたすら言っている甘えん坊さんの歌であり
 硬派というのは・・・・」


オウケンブルースリ
「ああ、わかったわかった 汗
 おまえの硬派論は聞きあきたし 汗」


エスポワールシチー
「ふん」



オウケンブルースリ
「あれ、おまえその、フレンチクルーラー食べないの?
 じゃあオレもらっちゃうよーん」


エスポワールシチー
「勝手にしろ」


オウケンブルースリ
「いただきまーす 喜」



エスポワールシチー
「・・・なあオウケン。
 レッドさんには、電話したのか?」


オウケンブルースリ
「ああ、一応したけど モグモグ
 でも途中でキャッチ入ったとか言って
 勝手に切られた モグモグ」


エスポワールシチー
「せ、世界を制した相方の姿を見て
 惚れなおしたか?」



オウケンブルースリ
「うーん。あいつは凡走しないからな。
 どんな条件でも結果を出すから
 あまり心配してなかったけど モグモグ」


エスポワールシチー
「こ、こんな大舞台で
 おまえがそんなことでいいのか? 怒」



オウケンブルースリ
「まあ・・オレが走るわけじゃないからな。
 それよりオレには、8着に負けたウオッカさんの方が心配だよ」


エスポワールシチー
「あ? ウオッカさんにはおまえはもうフラれているだろう? 怒」


オウケンブルースリ
「うん。でもそういうの関係なく、心配っていうか・・・
 電話でもなんか弱気なこと言ってたし」


エスポワールシチー
「で、電話したのか?」


オウケンブルースリ
「心配だったから」


エスポワールシチー
「・・・・オウケンよ・・・」


オウケンブルースリ
「ん?」


エスポワールシチー
「おまえのレッドさんに対する気持ちは
 本物なのか?」


オウケンブルースリ
「なんだよそれ」


エスポワールシチー
「オレには偽物に見える」


オウケンブルースリ
「おまえが決めんな」



エスポワールシチー
「愛する人が海外でがんばっているのに
 他の女の方に電話するようなヤツの言う愛を
 信じることはできん」


オウケンブルースリ
「別におまえに信じてもらいたくて
 行動してるわけじゃないし」



エスポワールシチー
「・・・・こ、今度ばかりはもう知らんぞ 怒
 レッドさんがいつでもオマエを想っていると
 過信してたら大変なことになるだろう・・・。
 わかったな。 どうなっても知らんからな 怒
 オレは帰る!
 オマエはこのドーナツでもくらえ!」



オウケンブルースリ
「・・・ぷあっ!!
 ちょうどドーナツの穴が鼻のところにハマった!!!
 ・・・アイツ、輪投げの才能もあるなあ」







         つづく

サブコンテンツ