◆ラブミーチャン◆フィリーズレビュー 熱いものほど長続きしない
◆『熱いものほど長続きしない』◆
11R 第44回 報知杯フィリーズレビュー(G2)
1着 サウンドバリアー
2着 ラナンキュラス
3着 レディアルバローザ
:
12着 地ラブミーチャン
~レース数日前~
大勢の記者たち
「ラブミーチャン!
ついに中央に殴りこみですね!
自信のほどは、いかがですか!」
ラブミーチャン
「あ、あの~
すったらこと言われても
あたすは自分の走りをするだけっぺよ~ 照」
大勢の記者たち
「もし、ここを勝てば7連勝で桜花賞ですね!!」
ラブミーチャン
「たたた、たまたまっぺよ~ 照
運がよかったズラ~」
大勢の記者たち
「今回も逃げを打つんですか?」
ラブミーチャン
「あたすはそれすか知らねえっぺから
逃げるだけでごわすよ~ 照」
大勢の記者たち
「では最後に大勢のファンに抱負をお願いします!!」
ラブミーチャン
「ほほほ、抱負ってなんだべ~ 汗
とうふは毎日くっとるべが~ なんちゃって」
シーン
ラブミーチャン
「じょ、冗談だすぺ~ 汗汗
そ、そうだがなあ~
ぜぜぜ、全力をつくすっぺよ~ 照」
大勢の記者たち
「はい、ありがとうございましたー!」
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ラブミーチャン
「ああ~つかれたっぺ~。
中央ってのは人が多いズラ~ 汗」
モトヒメ
「ラブミーチャン!
レースではよろしくね!」
ラブミーチャン
「ああ~これはこれは~。
中央のお馬さんだっぺ~ 喜
やっぱ中央のお馬さんは、キレイだぺが~ 喜」
テイラーバートン
「キャー!!
なんかそのなまりが超カワイイー♪」
ラブミーチャン
「そそそ、そうでっぺか? 照」
モトヒメ
「あたし達、ライバルだけど
友達だからね!!
なんか困ったことがあったら
いつでもあたし達に相談してくれていいからね!!」
ラブミーチャン
「ううう、うれしいっぺが~ 涙
中央はエリートだから
みんな冷たいと思ってたけど
やさしいんだなあ~ 喜」
モトヒメ
「あたりまえじゃん!!
あたし達、親友だもん!!!」
ラブミーチャン
「ししし、親友っぺ 喜」
モトヒメ
「そうそう。親友! ニコッ」
ラブミーチャン
「う、嬉しいっぺよ~ 涙」
ラナンキュラス
「ちょっとアンタら」
テイラーバートン
「あ・・・ヤバ・・」
ラナンキュラス
「アンタら、こんな田舎娘に
なに媚び売ってんだよ。
中央がナメられんだろうが 怒」
テイラーバートン
「ご、ごめん、ラナンちゃん・・・」
ラナンキュラス
「なあ、アンタ。
チヤホヤされて勘違いしてるみたいだけど
日本人は判官びいきなんだよ」
ラブミーチャン
「ほ、ほうがんびいきってなんだっぺか・・・」
ラナンキュラス
「弱者の味方をするってことだろうが。
源義経も知らねえのかよ、この田舎娘がよ 怒」
ラブミーチャン
「ごごご、ごめんっぺ・・・ 涙」
ラナンキュラス
「あたしは、母ファレノプシス、父スペシャルウィーク。
クラシックを取るために生まれてきたんだ。
あんたは何?
父サウスヴィグラスは
地方ダート1200mのスペシャリストでしょう?
身の程をわきまえてくれるかな・・・怒」
ラブミーチャン
「ご、ごめんなさい・・・ 涙」
ラナンキュラス
「田舎者が中央で、デカイ顔するんじゃねえよ。
消えろや」
ラブミーチャン
「は、はい・・・涙
失礼するっぺ・・・ 涙」
===============================
ローズキングダム
「よおーラナンちゃん!」
ラナンキュラス
「あぁ~! キングダムさんだぁ~!
今日も素敵ですね。
ラナン見とれちゃう・・・はぁと」
ローズキングダム
「ラ、ラナンちゃんこそ
今日も超美人だね 照」
ラナンキュラス
「えぇ~そんなことないねすぅ~。
まだまだ全然ですぅ~」
ローズキングダム
「いやいや、キレイだよ!! 照」
ラナンキュラス
「もー。 そんなこと言って。
ラナンが惚れたら、どうしてくれる?」
ローズキングダム
「そ、そりゃー責任もって付き合ったりなんかして! 照」
ラナンキュラス
「ほんとねすかぁ~!
ラナン、う・れ・し・い はぁと」
ローズキングダム
「で、でへへ~ 喜」
ラナンキュラス
「ねえ・・・キングダムさん・・・
今度のフィリーズレビューで
ラナンが勝ったら、ごほうびくれる?」
ローズキングダム
「も、もちろんだよー!
あ、愛のキスとか? なんちゃって! 汗」
ラナンキュラス
「いや、それはいらないけど。
ええっと~ラナン今、欲しいバッグがあるの~
3着に入ったら買ってくれる?」
ローズキングダム
「あ、あれ? 汗
勝ったらじゃないの・・・? 汗
あはは・・・まあいいや。
桜花賞の権利取ったらお祝いだね。」
ラナンキュラス
「ほんとねすかぁ~!
ラナン、キングダムさんのために、が・ん・ば・る はぁと」
ローズキングダム
「でへでへ、えへへー」
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~レース終了~
ラブミーチャン
「だ、だめだったっぺ~ 泣
逃げの形にはなったんだけど
最後、脚が動かんかったっぺよ~ 泣
と、とりあえずまた大勢の記者さんが
インタビューにくるだろうから
準備するっぺか・・・」
記者、歩いている
ラブミーチャン
「あ、あの~、あたすの記者会見の会場は
どちらになりますっぺか~?」
記者
「は? 今、勝馬のサウンドバリアーちゃんに
みんなインタビューしてるから。
キミは負けたから、もう帰っていいよ」
ラブミーチャン
「あ、そうですたか・・・
スンマセン、どうもです・・・」
記者
「あ、そのイス、あとでラナンちゃんが座るから
泥とかちゃんと拭いとけよ」
ラブミーチャン
「あ、はい・・スンマセン・・。
・・・・
はあ・・・
なんかみんな態度が違うっぺ・・・。
だれも声かけてくれんし、
もう笠松に帰ろう・・・ 涙」
~電車のきっぷ売り場~
ラブミーチャン
「ええっと、笠松まではいくらだろう・・・。
・・・・・・・
あれ・・・?
はっ!!!
サイフがないっぺ!!! 汗
どっかで落としてしもうた!!
どどど、どうしよう! 汗汗
お金がないと笠松に帰れんっぺ! 汗」
モトヒメ
「あれ? ラブミーチャン?」
ラブミーチャン
「ああ~!
中央のお馬さん!!
助かった!!
す、すみませんが電車代を貸してもらえんでしょうか?」
モトヒメ
「え? なんで?」
ラブミーチャン
「あのーそのー
どうやら財布を落としてしまったみたいで・・・」
モトヒメ
「・・・・・・・」
ラブミーチャン
「お金がないと家にも帰れんっぺよ~ 泣
必ず返すから、貸してくんろ?」
テイラーバートン
「・・・なんであたし達が、アンタの電車代を
貸さなきゃいけないわけ?」
ラブミーチャン
「え・・・
だってレース前、親友だって・・・」
テイラーバートン
「はぁ?
なんであたしらがアンタと親友なの?
ねえ、この子、なに言っちゃってんの? キャハハー
てゆうか、なまりがうぜえよ、ギャーハハハ!!!」
ラブミーチャン
「・・・こ、困った時は何でも言ってと・・・
・・・なまりもカワイイって・・・」
モトヒメ
「そんなこと言ってねえよ。
アンタバカ?
あたしら中央のエリートが
なんで田舎娘と親友になるわけ?
それ妄想? みたいな。 キャハハハハー」
ラブミーチャン
「あ、あんなに仲良くしてくれたのに・・・泣」
テイラーバートン
「まあイモ娘は、持ち前のテンのスピードを生かして
笠松まで走って帰れって感じ? ギャーッハハハハ!!!
じゃあねーーおいもさーん。バイバーイ。 キャハハハ!!!」
ラブミーチャン
「ああ・・・親友だって言ってくれたのは
一体なんだったんだ・・・ 泣
もう歩いて帰るしかないよ・・・ 泣」
バシッ!
ラブミーチャン
「痛えっ!!
ほっぺに何かが飛んできたぞ・・・
ん?・・・・
・・・・お金・・・?」
ラナンキュラス
「使いなよ。
お金、ないんだろ?」
ラブミーチャン
「ラ、ラナンさん・・・?」
ラナンキュラス
「返さなくていいよ。
その金は、アンタにやるよ」
ラブミーチャン
「え・・・」
ラナンキュラス
「・・・・身の程を知れって言っただろ?」
ラブミーチャン
「・・・・・・・涙」
ラナンキュラス
「その瞬間、チヤホヤしてくる奴ほど
すぐに手のひらを返すものさ。
熱いものほど、長続きしない。
恋愛も友情もブームも、あらゆるものはすべて」
ラブミーチャン
「・・・・信じてたのに・・・ 涙」
ラナンキュラス
「そんな一瞬の気分だけで動く奴を
信じたアンタが悪い。
本当の自分の味方は、一見、目に見えない。
それを見るために、自分を成長させていかなければならない。」
ラブミーチャン
「本当の味方・・・」
ラナンキュラス
「人を見る目を養わなければ
一生、裏切られ、騙されて
ついには人を信じられなくなってしまうから」
ラブミーチャン
「・・・・・・・」
ラナンキュラス
「他人は悪くない。
悪いのは、人を見る目がない自分自身だ。
うわべだけで人を判断するな。」
ラブミーチャン
「・・・・はい・・・泣
わたし・・・甘かっただす・・・ 泣」
ラナンキュラス
「ちっ。
余計なことしゃべっちまった。
説教くさくなって悪かったな。
あたしはもう帰るから。
アンタも気をつけて帰りなよ。」
ラブミーチャン
「は、はい!!
ラナンさんには、なんと言ったらいいか・・・ 涙」
ラナンキュラス
「何も言わなくていい。
あたしが勝手にやったことだ。」
ラブミーチャン
「あ、ありがとうごぜえました!! 涙」
ラナンキュラス
「・・・・
・・・・
今回はダメだったけどさ、
また努力して、中央にきなよ。
今度はダートとかさ。
アンタなら、きっとできるよ」
ラブミーチャン
「はい・・・ありがとうです・・・ラナンさん・・ 涙」
完