◆ヴィクトワールピサ◆皐月賞 昨日の敵は今日の友


◆『昨日の敵は今日の友』◆





ガチの勝負になるほど

ライバルの存在は憎しみと紙一重になりがちだ。


真剣勝負の場であるほど

勝ちたい気持ちは強くなる。


だが勝負が終われば

個人と個人に戻れる。

そうしたら、友に戻ってみたい。







11R 第70回 皐月賞(GI)




1着 ヴィクトワールピサ
2着 ヒルノダムール
3着 エイシンフラッシュ
4着 ローズキングダム





ヒルノダムール
「ゆっとくけど力負けとは思ってないんだむーる」


ヴィクトワールピサ
「ふ。まあそういうことにしておいてやるよ」


ヒルノダムール
「4角で壮絶に包まれてしまった。
 包み焼きハンバーグみたいになってた」


ヴィクトワールピサ
「まあ確かに逆にオレは
 壮絶に内が開いたからな」


ヒルノダムール
「ハンバーグがアルミホイルから抜け出した時には
 すでにピザが焼き上がってたんだむーる」


ヴィクトワールピサ
「う、うまい! 汗
 でもピザってゆうな。ピサだ」


ヒルノダムール
「借りはダービーで返す。
 広い東京の馬場を大外一気で
 2冠を阻止だむーる」


ヴィクトワールピサ
「そうだな。がんばれ」


ヒルノダムール
「・・・・その余裕が腹立つのり」


ヴィクトワールピサ
「のり?」


ヒルノダムール
「原 辰徳」


ヴィクトワールピサ
「うわー。やっちゃったなー。
 オヤジ丸出し。
 てゆうかおまえの語尾はなんでもアリかよ」


ヒルノダムール
「クロマティ」


ヴィクトワールピサ
「適当にしゃべんな」


ヒルノダムール
「てゆうかコレ、何待ちなワケ?」


ヴィクトワールピサ
「ああ、ドリアンを待ってんだけどさ。
 おっせーな、アイツ。。。
 いつも遅れて来るんだよ、あのバカは」



レーヴドリアン
「ごごご、ごめーん! 汗
 遅れちゃった! ごめん!」


ヴィクトワールピサ
「超遅すぎ 怒」


レーヴドリアン
「いやあ、家を出ようと思ったら
 玄関でつまづいて行き脚がつかず、
 家からずっと追いどおしだったんだけど
 それでも間に合わなかったんだよー 泣」


ヴィクトワールピサ
「おまえそれ皐月賞とおんなじじゃん」


レーヴドリアン
「日に日に体が重たくなるような」


ヴィクトワールピサ
「ズブすぎだから。
 サラブレッドは牛じゃねえんだぞ。
 オマエは体が白いから
 黒いラインを入れて
 牛として競馬会に殴りこみをかければ
 カリスマになれるかもな」


レーヴドリアン
「それじゃあ牛っていうかシマウマみたいだよ 泣」


ヴィクトワールピサ
「まあ何ウマでもいいんだけど
 約束の時間は守れ」


レーヴドリアン
「はい・・・」


ヴィクトワールピサ
「じゃあ行くとするか」


レーヴドリアン
「どこに?」


ヒルノダムール
「我々、何も聞かされてないだむーる」


ヴィクトワールピサ
「キングダムを励ます会だ」


レーヴドリアン
「ええっ!?
 そ、それをヴィクトワールくんが主催するの? 汗」


ヴィクトワールピサ
「なにか?」


レーヴドリアン
「い、いや・・・キレられませんかね? 汗」


ヴィクトワールピサ
「は?
 感謝こそすれ、なぜキレるんだ?
 さあ行くぞオマエラ」


レーヴドリアン
「し、心配だなあ・・・ 汗」







        - つづく –

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