◆ローズキングダム◆皐月賞 わかりにくいのも友情
◆『わかりにくいのも友情』◆
自己表現がうまく
お互いに友情を認め合うのも素敵。
逆に、素直に感情を表現できず
不器用にわかりにくい気持ちで接するのも
またすばらしい友情なのだろう。
11R 第70回 皐月賞(GI)
1着 ヴィクトワールピサ
2着 ヒルノダムール
3着 エイシンフラッシュ
4着 ローズキングダム
ヴィクトワールピサ
「と、とにかくさあ!
アパパパネちゃんなら
オークスも獲れるよ! きっと!」
アパパネ
「うん。ありがと。
パ がいっこ多いけど」
ヴィクトワールピサ
「オレ応援行くからさ!」
アパパネ
「うん・・・」
ヴィクトワールピサ
「・・・・・・・」
アパパネ
「・・・・・・・」
ヴィクトワールピサ
「キ、キングダムの事が心配なのかな? 汗」
アパパネ
「別に・・・。
どうでもいいの・・・」
ヴィクトワールピサ
「・・・そ、そっか 汗
あ、時間が遅くなっちゃったね!
ごめん、オレ駅まで送るよ! 汗」
アパパネ
「ううん、大丈夫。
一人で帰れるから。
ありがとね。
じゃあね、バイバイ」
ヴィクトワールピサ
「き、気をつけて!
・・・・・・・
さて・・・
オレは何をすればいいんだっけ・・・。
ハッ!
キングダムの激励会をやるんだった!
よし、みんな行くぞ!
・・・・・・・
・・・って、もう誰もいないじゃないか・・・ 泣」
ローズキングダム
「なにひとりでブツブツ言ってんだよ。
怪しさ満点だぞ」
ヴィクトワールピサ
「げっ!!
キキキ、キングダム! 汗」
ローズキングダム
「おまえもジーワンホースになったんだから
もうちょっと落ち着いてほしいもんだな。
元チャンプのオレのようにな」
ヴィクトワールピサ
「・・・元・・・」
ローズキングダム
「オレはもうチャンプでもキングでもないからな」
ヴィクトワールピサ
「・・・キングダム・・・」
ローズキングダム
「やっぱ過去を振り返っても
2歳チャンプはいばらの道だよな」
ヴィクトワールピサ
「・・・・・・・」
ローズキングダム
「もういいんだ。
オレは疲れたよ。
・・・ガサガサ・・・
・・・カチッカチッ・・・
・・・フゥ~・・・」
ヴィクトワールピサ
「お、おまえ・・タバコ・・・」
ローズキングダム
「いいんだよ・・・もう・・・」
ヴィクトワールピサ
「・・・・・・・」
ローズキングダム
「これがオレの運命なんだ。
努力しても、どうにもならないことは
世の中に山ほどある。
諦めることも勇気だろう?
だからオレは勇気ある撤退を・・・」
バキッ
ローズキングダム
「い、いってえなあー!
なにすんだよ! 怒」
ヴィクトワールピサ
「バカ野郎!!!
おまえからそんな言葉、聞きたくねえよ!!
おまえはいつだって強気で横柄で
ムカつく態度だっただろうがっ!!
オレにそんな情けない姿を見せるんじゃねえ!!!」
ローズキングダム
「・・・・・・・」
ヴィクトワールピサ
「悔しかったら、もう一度、立ち上がって
オレに挑戦してみろ!!
なあ! キングダム!! 涙」
ローズキングダム
「・・・・・・・」
ヴィクトワールピサ
「・・・・・・・」
ジュッ
ヴィクトワールピサ
「あちちちちち~~~!!! 泣
タバコの火だねがオデコにぃ~~!!」
ローズキングダム
「専守防衛だ。
おまえが先に攻撃してきた。
しかも上から目線の言葉がイラッときた」
ヴィクトワールピサ
「ああ~! 前髪が燃えてるぅ~ 泣
誰か水を~~!!! 泣」
ローズキングダム
「ぷぷっ 笑」
- つづく –