◆ハンソデバンド◆東京優駿 カラスの応援
◆『カラスの応援』◆
10R 第77回 東京優駿(GI)
1着 エイシンフラッシュ
2着 ローズキングダム
3着 ヴィクトワールピサ
~河原を一人で歩くハンソデバンド~
ハンソデバンド
「ハァ・・
あんな負け方・・・
何もする気がしないでおじゃる・・
トボトボ」
~河原に座るハンソデ~
ハンソデバンド
「寂しいでおじゃる・・
さっきアリゼオにメールしたが
なんの返信もない・・
シャンティに電話でもしてみよう・・」
プルルルル・・・
プルルルル・・・
プルルルル・・・・・・
ハンソデバンド
「出ないでおじゃる・・
誰からも相手にされないでおじゃる・・・」
~以下、ハンソデの回想シーン~
ハンソデバンド
「ハンソデーモン!
ハンソデーモン!
ハンソデデイイモーーン!!」
信者たち
「ハンソデーモン!
ハンソデーモン!
ハンソデデイイモーーン!!」
ハンソデバンド
「我こそは、
半そで教の教祖、ハンソデバンドでおじゃる!!」
信者たち
「ウオオオーー!!!
教祖様ーー!!!」
~以上、回想シーン終わり~
ハンソデバンド
「・・・・
・・華々しかったあの時代は
一体なんだったんだろうか・・
今は誰からも相手にされず、
一人で河原で座ってる、ただのオッサンでおじゃる・・・」
カァ カァ (カラス)
ハンソデバンド
「・・フッ。
カラスにまで小馬鹿にされとるでおじゃる・・。
もうワシの周りには誰もいない。
サラブレッドとしても弱い。
こんな人生に、
これ以上、生きている意味などない・・・」
そんなことないよー♪ えへ♪
ハンソデバンド
「?」
レッドディザイア
「ハンソデくん、みーっけ♪ えへ」
ハンソデバンド
「レ、レッドさん・・・?」
レッドディザイア
「ハンソデくんったら、
なーにたそがれちゃってんのー?
生きる意味がないなんて
そんなこと言っちゃだめー。
えへ♪」
ハンソデバンド
「し、しかしワシにはもう何もない・・。
皐月賞18着
ダービー16着・・・
仲間も誰も相手にしてくれない・・
希望などない・・・」
レッドディザイア
「希望はあるよ」
ハンソデバンド
「え?」
レッドディザイア
「希望は自分で捨ててしまわない限り、
たーっくさんあるじゃん♪
それに、多くの人が、
ハンソデくんを応援してくれてるんだよ♪」
ハンソデバンド
「だ、誰もワシの応援などしてくれん・・・」
カァ カァ (カラス)
ハンソデバンド
「ほら、またカラスにまでバカにされ・・・」
レッドディザイア
「ほらーー!!
カラスさんも、
ハンソデくんを応援してくれてるよ!!」
ハンソデバンド
「お、応援・・?」
レッドディザイア
「そうそう!!
あんな高いところから
落ち込んでるハンソデくんを見つけて
”がんばってー!”
って、言ってくれてんじゃん!!」
ハンソデバンド
「そ、そんな解釈のしかたは・・・」
レッドディザイア
「心はいつも自由。
環境を選べないときでも
考え方だけは、いつも自由に選べる。
あたしは、そう信じてるんだー♪」
ハンソデバンド
「レッドさん・・・」
レッドディザイア
「例えば、
ジーワンでは全然ダメだけど
G2 G3 では大活躍する馬も多いでしょ?
結果的に、単発でジーワン勝った馬より
生涯の賞金が多くなったりするケースは
たっくさんあるじゃん!!」
ハンソデバンド
「・・・・・・・」
レッドディザイア
「今がダメだからって
明日もダメということにはならない。
あたしは、そう思うんだー♪」
ハンソデバンド
「・・・・・・・」
レッドディザイア
「だから、がんばろうよ!!
カラスさんも、スズメさんも、
みんなハンソデくんの応援団だよ♪」
ハンソデバンド
「・・・・・・・ 涙」
レッドディザイア
「ね?」
ハンソデバンド
「・・・はい・・ 涙」
レッドディザイア
「えへ♪
なんか説教ババアみたいでごめんちゃい♪
あたしはもう帰るね♪
あ、これね、レッドちゃん特製の
”レッド青汁”
元気になるから飲んでね♪
じゃあねー!!
バイバーイ♪」
~ハンソデ一人になる~
ハンソデバンド
「レッドさん・・・
前向きで、明るくて
・・・美しい・・ 照
あんなに悩んでいたのがウソのようだ・・。
太陽のような人だ・・・。
・・青汁・・ありがたくいただきます。
・・なんで青汁なのに赤いのかわからんが・・。
とにかくレッドさんは
すばらしい女性でおじゃるな。
ゴクッ ゴクッ
ふぅ~。
ああ、レッドさんの愛情を感じる・・。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
ぎ、ぎいやぁあああああああーー!!!」
- つづく –