◆ショウワモダン◆安田記念 レトロへのこだわり


◆『レトロへのこだわり』◆






11R 第60回 安田記念(GI)



1着 ショウワモダン
2着 スーパーホーネット
3着 スマイルジャック





ヴィクトワールピサ
「ヤ、ヤベー・・
 モダンさんの祝勝会に呼ばれたのに
 おもいっきり寝坊してしまった! 汗
 ええっと、場所は・・・
 北の酒場通りって言ってたな・・
 あ、あれかな」



ショウワモダン
「おーい!
 ヴィクトワールくん、
 こっちだ!
 遅かったな」


ヴィクトワールピサ
「す、すみません!
 電車が止まってしまいましてっ! 汗」


ショウワモダン
「そうか。
 それは大変だったな」


ヴィクトワールピサ
「え、ええ。まあ 汗」


ショウワモダン
「じゃあ店に入ろうか」



ヴィクトワールピサ
「はい。
 へー、ずいぶんと年季の入ったお店ですね」


ショウワモダン
「このレトロな感じが
 落ち着くだろ?
 まあ入れ。
 ガラガラ」


ヴィクトワールピサ
「おじゃましまーす。
 ・・あれ?
 キングダム?
 おまえも来てたのか」



ローズキングダム
「来ちゃ悪いか」


ヴィクトワールピサ
「そ、そんなこと言ってないだろー! 怒」


ショウワモダン
「まあまあ二人とも。
 せっかくのワシの祝勝会で
 ケンカするでない」


ヴィクトワールピサ
「す、すんません・・」



ショウワモダン
「まあ飲め飲め。
 ヴィクトワールくんも
 ホッピーでいいかな?」


ヴィクトワールピサ
「ホ、ホッピー?」


ショウワモダン
「大衆用の酒じゃ。
 まあ焼酎とビールをまぜたようなもんじゃな」



ヴィクトワールピサ
「な、ならビールでいいのでは? 汗」



   バキッ



ヴィクトワールピサ
「ぐはぁー」


ショウワモダン
「キサマー!
 戦後のこの時代に
 ぜいたくは敵じゃろうがぁー! 怒」


ヴィクトワールピサ
「は、はい? 汗」



ショウワモダン
「敗戦の傷跡から
 この国を復興させるためには
 国民ひとりひとりが倹約を旨とし、
 節約していくことが大切なのじゃ! 怒」


ローズキングダム
「うむ。
 昭和ですな」



ヴィクトワールピサ
「は、はあ・・」



ショウワモダン
「・・とまあ、固い話は置いといて」


ローズキングダム
「ぷぷっ。
 アンタが振ってきた話でしょうが ボソッ」



ヴィクトワールピサ
「バ、バカッ!
 キングダム、聞こえたらどうすんだよ! 汗
 あ、あの~
 モダンさん!
 このたびは、初ジーワンおめでとうございましたっ! 汗」


ショウワモダン
「ああ、ありがとう。 ニコニコ」


ヴィクトワールピサ
「今回、安田記念に挑むにあたって
 何か秘策でもあったんですか?」



ショウワモダン
「うむ。
 秘策というほどのもんではないがな、
 今回初めて、トゥアウター蹄鉄をはいてみたんじゃ」



ヴィクトワールピサ
「トゥ、トゥアウター?
 なんすかそれ」


ショウワモダン
「通常のものよりも
 グリップ力が高い蹄鉄じゃ。」


ヴィクトワールピサ
「へぇ~。
 今までは普通の蹄鉄を使ってたんすか?」



ショウワモダン
「ゲタじゃ」


ヴィクトワールピサ
「は?」


ショウワモダン
「今まではずっと、ゲタをはいて走っておった」


ヴィクトワールピサ
「ゲ、ゲタで走ってたんスか? 汗」


ローズキングダム
「ぷぷっ。
 昭和ですな」



ショウワモダン
「ゲタだと、重馬場はOKなんじゃが
 今回は超高速馬場ということで
 高性能なクツをはいてみたんじゃ」


ヴィクトワールピサ
「ゲ、ゲタはいてたから
 モダンさんは重馬場が得意だったんすね 汗」



ショウワモダン
「しかしな・・・」


ヴィクトワールピサ
「は?」



ショウワモダン
「・・・・・・・」


ヴィクトワールピサ
「モ、モダンさん? 汗」



ショウワモダン
「・・・こんな平成のこじゃれたクツなんて
 はいてられるかぁー!! 怒」


ヴィクトワールピサ
「モ、モダンさん!
 落ち着いてくださいっ!! 汗」



ショウワモダン
「こんなもん燃やしたらぁー! 怒
 ボワッ!」


ヴィクトワールピサ
「あ、熱い!! 汗
 危ないっすよ!
 モダンさん!
 落ち着いてー!! 汗」




  - つづく –

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