◆ショウワモダン◆安田記念 食べられることへの感謝


◆『食べられることへの感謝』◆




11R 第60回 安田記念(GI)


1着 ショウワモダン
2着 スーパーホーネット
3着 スマイルジャック




ヴィクトワールピサ
「マリオブラザーズは
 むずいですよーモダンさんー」



ショウワモダン
「うむ。
 昭和のゲームは
 シンプルであるが故に
 奥が深いのじゃ。
 現代の若者には逆に難しいかもしれんのう」



ヴィクトワールピサ
「ふぅー。
 疲れたー。
 おなかもすいてきたなあ」


ショウワモダン
「お、そうか。
 ではワシの得意料理を振舞おう」


ヴィクトワールピサ
「まじっすか!
 あたーっす! 喜」



ショウワモダン
「これじゃ。
 さあ食べなさい」


ヴィクトワールピサ
「ん?
 炊き込みご飯?」


  バキッ


ヴィクトワールピサ
「ぐはぁー」



ショウワモダン
「大根めしじゃあー! 怒」


ヴィクトワールピサ
「だ、大根めし・・?
 だから炊き込みご飯でしょ? 汗」



ショウワモダン
「バカ野郎!
 昭和初期の農民は
 白米なんて手の届かない存在だったのじゃあ! 怒
 でもおなかはすく。
 でも米は足りん。
 だから大根を入れて量を増やして
 せめて腹いっぱい食べたいと!
 そう願って作ったのじゃ! 怒」



ヴィクトワールピサ
「そ、そうだったんですか・・。
 せつない背景を持った料理だったんですね・・」



ショウワモダン
「この時代の農民は、
 次に生まれ変わったら
 おなかいっぱいごはんが食べられるような
 そんな人間に生まれ変わりたいと。
 そう願って死んでいったのじゃ・・ 泣」



ヴィクトワールピサ
「・・・・・・・」


ショウワモダン
「おまえら若いモンは
 生まれたときから飽食の時代であり
 腹いっぱい白米を食べられる幸せを感じることができん。
 それはおまえらが悪いわけではない。
 ただ、昭和の飢えた時代の人々の気持ちに接することで
 少しでも自分自身の価値観の枠を広げてほしいのじゃ」



ヴィクトワールピサ
「ボクたちは・・
 ごはんを食べることは当たり前のことだと思ってました・・」


ショウワモダン
「おまえが悪いわけではない。
 だが、食事をとるときに
 せめて一瞬でもいいから
 ごはんを食べられることに感謝してみるのも
 悪くないと思うのじゃ」



ヴィクトワールピサ
「はい・・。
 感謝します。」



ショウワモダン
「・・ふっ。
 ヴィクトワールくんは
 今どきのチャラい若者だと思っていたが
 ・・素直さがあるのう 喜
 さすがは皐月賞馬じゃ」



ヴィクトワールピサ
「いえ・・。
 ボクなんてまだまだです・・。
 もっともっと歴史を学んで
 自分の人格向上に努めていこうと思います!」



ショウワモダン
「ほっほ。
 現代の若者も
 昭和の人々と同じように
 崇高な心を持っているようじゃな 喜
 安心じゃ」



ヴィクトワールピサ
「はい。
 キングダムもきっと、
 同じ気持ちだと思います」


ショウワモダン
「そうじゃな。
 彼も美しい心の持ち主なのじゃろうな」



  ~そのころキングダム~



ローズキングダム
「あぁ~うまいっ! 喜
 やっぱスターバックスの
 エッグ&シュリンプサンド最高!
 ・・・ふぅー。
 でももう腹いっぱいだな・・。
 ・・・・・・・
 食えん。
 捨てよう。
 ごちそうさまでしたー。」




  - つづく –


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