◆ナカヤマフェスタ◆宝塚記念 さわやかの裏の臥薪嘗胆
◆さわやかの裏の臥薪嘗胆
10R 第51回 宝塚記念(GI)
1着 ナカヤマフェスタ
2着 ブエナビスタ
3着 アーネストリー
レッドディザイア
「そっかぁー。
ブエナちゃんは
中山さんに差されたんだねえ・・」
ブエナビスタ
「約束したのにごめん」
レッドディザイア
「ううん。
聞いたところすごくいいレースだったみたいだし
中山さんも努力してきたわけだし」
ナカヤマフェスタ
「いえいえ!
まだまだっス!
自分は未熟ッス!
これからッス!」
レッドディザイア
「中山さんは
謙虚で低姿勢だねー」
ナカヤマフェスタ
「まだまだッス!」
レッドディザイア
「ところで中山さんは
なんで”フェスタ”
じゃなくて”中山ッス”
って言うのぉー?」
ナカヤマフェスタ
「・・・・」
ブエナビスタ
「・・・・」
レッドディザイア
「なんかサラリーマンみたいだよぉー 笑
でも誠実そうでいいけどさー」
ナカヤマフェスタ
「・・じ、自分はもう帰るッス! 汗
し、失礼しまッス!」
レッドディザイア
「あ、中山さん!
・・・・
帰っちゃった・・。
中山さんって忙しい人だよねぇ、ブエナちゃーん?」
ブエナビスタ
「・・うん・・」
~河原をひとり歩くフェスタ~
ナカヤマフェスタ
「なんで中山さんなんですか・・ってか・・。
フッ。
・・・・
ん?
・・あ、あれは・・
・・まさか・・」
ロジユニヴァース
「!!
キ、キミはこないだ宝塚を勝った・・
ええっと・・・
なんだっけ・・
あ!
フェスタくんじゃないか! 喜」
ナカヤマフェスタ
「あ・・」
ロジユニヴァース
「ボクも出たんだけど全然ダメだったよー 泣
そういえばキミも4歳だったんだねえ!
クラシックには出てないのかい?」
(・・オマエは・・)
ロジユニヴァース
「いやーしかし
同じ4歳として
誇りに思うよー。
あのブエナちゃんを差しきるなんてさー」
(オマエは・・覚えていないのか・・?)
ロジユニヴァース
「あの差しきりは計算通り?
すごかったよねえ!」
(覚えていないのか・・? あの日のことを・・)
~以下、回想シーン~
ロジユニヴァース
「おっしゃあー!!
ダービー制覇だぞコラァー!
われこそは世界最強のサラブレッドじゃあ!!」
ナカヤマフェスタ
「ロ、ロジユニくん・・
お、おめでとう!
ダービーで4馬身なんてすごいね 照」
ロジユニヴァース
「・・・・」
ナカヤマフェスタ
「憧れちゃうなー 照」
ロジユニヴァース
「・・・オマエ・・ダレよ・・?」
ナカヤマフェスタ
「え・・?
ボ、ボクもダービー一緒に走ってたんだけどな 汗
4着だったんだー 照
フェスタって言います!
よろしくね! 照」
ロジユニヴァース
「中山だ」
ナカヤマフェスタ
「え?」
ロジユニヴァース
「オマエなんかにフェスタという名前はもったいないだろうが。
オマエは今日から中山だ」
ナカヤマフェスタ
「え・・
でも・・」
ロジユニヴァース
「”ども、中山ッス”
って言えよ」
ナカヤマフェスタ
「え・・」
ロジユニヴァース
「早く言えやコラ・・ 怒」
ナカヤマフェスタ
「あ・・ ガクガク
は、はい・・
ど、ども!中山ッス!」
ロジユニヴァース
「ギャーーハハハハーー!! 笑
な、中山ッスってーー!!
ホントに言ったよコイツー!
ギャーハハハハ! 笑」
ナカヤマフェスタ
「は・・はは・・ 涙」
~以上、回想シーン終わり~
ロジユニヴァース
「いやーフェスタくんは
秋には凱旋門かい?
すごいねえ。
ボクもがんばるよー」
(オマエは覚えていないのか・・?
あの日の屈辱を胸に、今日までオレは
臥薪嘗胆を心の旗に掲げ、必死に努力してきたんだ・・)
ロジユニヴァース
「一緒に凱旋門に出れたらいいねえ」
(自ら”中山”と名乗り、笑われて、それでも
たきぎを枕に寝て、胆をなめて、屈辱を晴らす日を夢見てきたんだ・・)
ロジユニヴァース
「凱旋門でワンツーとか!
夢だよねえ!」
(それなのにオマエは何も覚えていないのか?
・・なあ・・ロジユニよ・・)
- つづく –