◆あきらめない限り道は必ず残されている オウケンブルースリ 京都大賞典


◆あきらめない限り道は必ず残されている



京都大賞典(G2)

1着メイショウベルーガ
2着オウケンブルースリ
3着プロヴィナージュ



【前回までのあらすじ】
オウケンとエスポは共に2着に負けるが
その言い訳を聞いていた焼き鳥屋のオヤジとオウケンは
お互いの自分勝手ぶりにキレ合う。
レッドとの電話を終えたエスポが店に戻ると
なぜかオウケンと店主は理解し合っているのだった。



エスポワールシチー
「さ、さっきまで大喧嘩してたのに
 なぜわかりあってるんだ? 汗」


オウケンブルースリ
「おお!
 エスポ!
 おまえもこっち来て、シゲさんの話、聞かせてもらえよっ!」



エスポワールシチー
「シ、シゲさん・・?汗」


オウケンブルースリ
「”焼き鳥シゲ”の店主、シゲさんだろうがっ!
 失礼だぞ!エスポ!」



エスポワールシチー
「う、うむ 汗
 ところでさっき、”わかるぞシゲさん!”とか言ってたが?」


オウケンブルースリ
「おお!
 このシゲさんは苦労人でな!
 子供が生まれてすぐに奥さんと別居することになって
 男手ひとつで、幼子を背負いながら
 この焼き鳥シゲを経営してきたんだよ・・・
 ううっ・・泣」



焼き鳥屋のオヤジ
「オウケンさんが泣くことはねえさ
 フッ」


エスポワールシチー
「そ、そうでしたか。
 大変なご苦労を重ねてこられたのですね」



焼き鳥屋のオヤジ
「フッ。
 男ならどんな逆境にも立ち向かう勇気がなきゃいけねえ。
 あきらめない限り、道は必ず残されている」


オウケンブルースリ
「シ、シゲさんっ!
 心に響きますっ!泣」



焼き鳥屋のオヤジ
「男は自分の心に恥ずかしいことはしちゃいけねえ。
 たとえ誰にも見られてなくても
 自分の心は見ているんだ」


オウケンブルースリ
「シ、シゲさんっ!!
 一生ついていくっス!!号泣」



エスポワールシチー
「店主、奥様とはなぜ離れることに?」


焼き鳥屋のオヤジ
「ああ・・・。
 あれはどうしようもなかった・・・」


エスポワールシチー
「・・・・」



焼き鳥屋のオヤジ
「避けられないことだった・・・」


エスポワールシチー
「・・・もしよろしければ、お聞きしてもよろしいですか」



焼き鳥屋のオヤジ
「・・・うむ。
 実はな、俺はキャバクラが大好きで、子供が生まれても
 毎晩のように夜の街で豪遊し、金がなくなったら
 サラ金から引っ張りまくり、しまいにはキャバクラで知り合った女に
 慰謝料を請求されたりなんかしてるうちに
 いつの間にか妻はいなくなっていたのさ。
 フッ」


オウケンブルースリ
「ううっ・・・泣
 シゲさん・・
 わかるぞ・・泣」



焼き鳥屋のオヤジ
「・・・誰も悪くない。
 俺は誰も恨んじゃいねえよ・・・」


オウケンブルースリ
「シゲさんっ!!泣」



エスポワールシチー
「・・・100パー、アンタが悪いだろ・・・ボソッ」



  - つづく –

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