◆積み重ねる日々 トランセンド ジャパンカップダート


◆積み重ねる日々



ジャパンカップダート

1着トランセンド
2着グロリアスノア
3着アドマイヤスバル



≪オウケン宅≫



トランセンド
「だけど、オウケンさんはいいですよね・・・
芝馬で・・・」



オウケンブルースリ
「は?
なんだよそれ」



トランセンド
「ボク、このたびジーワン勝ったけど
やっぱりJCダートって地味だから・・・」


オウケンブルースリ
「ふむ」



トランセンド
「だからオウケンさんみたいに、有馬記念とかで盛り上がれるのって
すごく羨ましいですよ・・・」


オウケンブルースリ
「ほう」



トランセンド
「ボクは芝馬が、正直とても羨ましいんです・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」


トランセンド
「・・・・」



オウケンブルースリ
「・・・あのな、トラオ」


トランセンド
「はい・・・」



オウケンブルースリ
「他人を羨んでも、自分の明日は何ひとつ良くならないぜ?」


トランセンド
「明日・・・?」



オウケンブルースリ
「人間は・・・
いや人間ではないか・・・でもまあいいか」


トランセンド
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「人間は自分の人生を日々、良くするために
毎日を生きるべきだろう?」


トランセンド
「・・・・」



オウケンブルースリ
「今日1日で、一歩でも、1ミリでも自分を向上させていこうと考えていれば
他人がどうでも、気にならなくなる」


トランセンド
「・・・向上・・・」



オウケンブルースリ
「1ミリの積み重ねが、何年か後にはとてつもない高さになるんだ」


トランセンド
「・・・・」



オウケンブルースリ
「その時には、かつて羨ましいと思った奴をも
すでに自分が超えてたりするもんさ」


トランセンド
「・・・・」



オウケンブルースリ
「積み重ねろ、トラオ。
他者のことはどうでもいいだろ?」


トランセンド
「・・・そうですよね・・」


オウケンブルースリ
「ああ」



トランセンド
「こ、心に響きました。
ありがとうございます、オウケンさん!
これからは1日1ミリで、行きたいと思います!」


オウケンブルースリ
「おう。
積み重ねろよ」



トランセンド
「はい!
では失礼します!」



バタン



オウケンブルースリ
「フッ。
やはりオレはカリスマ。悩める子羊を救う救世主だな。
フフッ。
・・・・
・・・・
ん?
ヤ、ヤバイ!!汗
積み重ねた借金の返済をどうするか考えてなかった!!汗
どうすんだよ、こんなに積み重ねて!!汗汗
だ、誰か金貸してくれ~!!」



– つづく –

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