◆日経新春杯の展望≪ローズキングダム≫少なくとも自分だけは信じている
【ローズキングダム】
・父キングカメハメハ、母ローズバド。バラ一族悲願のGI制覇で2歳チャンプに
・関西圏では完璧な走り
・春のクラシックは馬体減で精彩を欠いた中でも、ダービーでは超速上がり32.9で2着
・菊花賞は位置取りが後ろすぎで2着
・JCはブエナ降着で繰り上がり優勝。賛否両論だが、苦しい体勢から最後まで伸びた根性は圧巻
・有馬記念は、なぜか急におなかが痛くなって回避。これも賛否両論
・今回の日経新春杯のハンデ58キロも賛否両論。初めての58キロをこなせるかがカギ
≪オープンカフェにて≫
アパパネ
「結局出ることにしたんだ。日経新春杯」
ローズキングダム
「まあな」
アパパネ
「ハンデ58キロか。キングダムは体が小さいから、どうなの?」
ローズキングダム
「繊細だからな」
アパパネ
「誰が?」
ローズキングダム
「いやボクが」
アパパネ
「精神的には繊細じゃないでしょ ププッ」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「あれ? 汗」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「なんか気にしてるワケ?」
ローズキングダム
「・・・まあ・・・いろいろ言われてるからな・・・」
アパパネ
「いろいろ?」
ローズキングダム
「JC馬がハンデ58キロは軽すぎる、売上を意識したハンデ設定だ、とかさ」
アパパネ
「・・・・」
ローズキングダム
「有馬記念の回避だって、逃げたみたいに言われるしな」
アパパネ
「・・・・」
ローズキングダム
「オレはオレで、ただ一生懸命やってるだけなんだがな」
アパパネ
「・・・・」
ローズキングダム
「あんまり悪役にされちまうと、モチベーション下がるよな ハハッ」
アパパネ
「・・・・」
ローズキングダム
「・・・なんか言えよ」
アパパネ
「・・・別に何も」
ローズキングダム
「なんだよ」
アパパネ
「別に」
ローズキングダム
「言えって」
アパパネ
「言わねって」
ローズキングダム
「言えって」
アパパネ
「言いたくねって」
ローズキングダム
「・・・なんか文句あんのかよ」
アパパネ
「・・・文句はないよ。けど・・・」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「キングダムは自分なりに全力でいつもがんばってるんでしょ?」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「だったら周りが言うことに過敏になる必要ないじゃん」
ローズキングダム
「でも悪役に・・・」
アパパネ
「他人に褒められたら幸せで、他人にけなされたら不幸なの?アンタの軸はどこにあるの?」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「評判というものは周囲の人が決めるものであって、自分でどうこうできるものじゃないし」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「自分にできることは、信じた道をガチで進んでいくことだけなんじゃないの?」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「周りの声なんか気にしすぎなくていいじゃん・・・」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「・・・でももし・・・」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「もしアンタが周囲の声を気にするというなら・・・」
ローズキングダム
「・・・・」
アパパネ
「・・・少なくともアタシは、ローズキングダムはがんばってるって、そう思ってるよ」
ローズキングダム
「・・・・泣」
アパパネ
「ま、まあアタシ一人が信じても、キングダムの繊細な心は癒せないと思うけどさっ!汗
テヘッ! 汗」
ローズキングダム
「・・・少なくとも・・・」
アパパネ
「ん?」
ローズキングダム
「少なくとも、オマエ一人が信じてくれるなら・・・オレはきっと、これからもがんばれるよ・・・」
アパパネ
「キ、キングダム・・・泣」
ローズキングダム
「もし今回無事に出走できて、賞金が入ったら、焼き鳥でも食いにいくか」
アパパネ
「うん・・・泣」
– つづく –