◆大阪杯2011予想⇒ドリームジャーニー⇒相方がいたから、今の自分がある


【ドリームジャーニー】

○牡7
○父ステイゴールド
○馬名 意味由来⇒ 『夢のような旅路』(Dream Journey)
○朝日杯FSでは、あり得ない大外一気で、2歳でいきなりジーワン制覇。鞍上蛯名はディープインパクトの武豊をなぞらえて「軽く飛びましたね 笑」
○3歳クラシックでは結果を出せなかった
○が古馬になってからは重賞勝ちまくり
○5歳の宝塚記念でジーワン2勝目。同年の有馬記念でブエナを下し、春秋グランプリ制覇。3着以下は遙か後方
○6歳は重斤量にも苦しみ、1度も勝てず
○今回、58キロはギリセーフ。阪神も得意



◆相方がいたから、今の自分がある



≪焼き鳥シゲにて≫



ドリームジャーニー
「シゲさん、ビールおかわりください」


焼き鳥屋店主シゲ
「あいよ」



ドリームジャーニー
「ふぅー・・・有馬記念13着か・・・」


焼き鳥屋店主シゲ
「ビールおまち」



ドリームジャーニー
「・・・最近は体調もベストに持っていくことができないし・・・」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



ドリームジャーニー
「4歳世代の強さは圧倒的だし・・・」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



ドリームジャーニー
「・・・ボクもそろそろ・・・なーんて思っちゃいますよね!たはっ! 落」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



ドリームジャーニー
「・・・(どよーん)」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



ドリームジャーニー
「・・・と、とりあえずボクには種牡馬としての仕事もあるし、ここからはレースに勝つことより、ケガをしないように走ることが大事かなーなんて! 泣」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



ドリームジャーニー
「・・・最近は4歳勢が大人気で、ボクの応援してくれる人も少ないし・・・」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



ドリームジャーニー
「だからもう、勝ち負けより、無事に走ってくることが大事ですよね?!」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



ドリームジャーニー
「ねえ、シゲさん!そうでしょ?!」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・言うなって言われてたんだがな・・・」


ドリームジャーニー
「は?」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・こないだマツリダさんが、一人でここに来たぜ」


ドリームジャーニー
「え?」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・オレに聞きたいことがあるってな」


ドリームジャーニー
「ゴ、ゴッホさんが・・・?」



≪回想シーン ~焼き鳥シゲにて~≫



ガラガラッ



焼き鳥屋店主シゲ
「ヘイ!らっしゃい!」


マツリダゴッホ
「こんばんマツリダ」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・ほう。めずらしいお客だぜ」


マツリダゴッホ
「・・・(座る)」



焼き鳥屋店主シゲ
「ご注文はどうしやすか」


マツリダゴッホ
「じゃあハンバーグをくだマツリダ」



隣の客
「や、焼き鳥屋にハンバーグはないだろ 汗 ボソッ」


焼き鳥屋店主シゲ
「あいよっ!!」


隣の客
「あ、あるんかいっ!!汗」



マツリダゴッホ
「・・・シゲ氏に聞きたいことがありマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「なんでござんしょう」



マツリダゴッホ
「・・・他人の願いを叶える方法を教えてくだマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「ほう」



マツリダゴッホ
「・・・・」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



マツリダゴッホ
「・・・ジャーニーに大阪杯を勝ってほしいのだマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



マツリダゴッホ
「あいつももう7歳。サラブレッドとしては若くない。これからは1戦1戦が勝負になりマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



マツリダゴッホ
「・・・あいつがいなかったら、今のワシはない」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



マツリダゴッホ
「いつもジャーニーに支えられて、ここまでやってこれたと思ってマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



マツリダゴッホ
「だからせめて、今ワシがジャーニーのためにできることを、何かしてやりたいと思ってマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・そうですかい」


マツリダゴッホ
「・・・・」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・お百度参りって、ご存知ですかい?」


マツリダゴッホ
「お百度マツリダ・・・?」



焼き鳥屋店主シゲ
「そう。寺の入口から本堂まで行って参拝し、また寺の入口まで戻るということを百度繰り返すんでさあ」


マツリダゴッホ
「100回? 汗」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



マツリダゴッホ
「そ、それをすればジャーニーは勝てるのかマツリダ?」


焼き鳥屋店主シゲ
「いえ。科学的な根拠は、全くありはしやせんぜ」


マツリダゴッホ
「む」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・全くの無意味かもしれやせん」


マツリダゴッホ
「むむ」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・ですが、人が自分の利益度外視で、他者のためにそこまでのことをするという姿勢は、どんな宝石より美しいと、オレは思うんだぜ」


マツリダゴッホ
「どんなマツリダより美しい・・・」



焼き鳥屋店主シゲ
「そうでさあ」


マツリダゴッホ
「・・・・」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・」



マツリダゴッホ
「シゲ氏・・・」


焼き鳥屋店主シゲ
「ん?」



マツリダゴッホ
「・・・ワシは今からちょっと行ってきマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「フッ」



マツリダゴッホ
「色々教えてくれてありがとうございマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・マツリダさん」


マツリダゴッホ
「ん?」



焼き鳥屋店主シゲ
「ここに焼き鳥を串から抜いたものが、100個あるぜ」


マツリダゴッホ
「む」



焼き鳥屋店主シゲ
「1往復ごとに、焼き鳥を1個食べていけば、全部食べ終わった時がゴールだぜ」


マツリダゴッホ
「むむ」



焼き鳥屋店主シゲ
「焼き鳥シゲ流 お百度参りだぜ」


マツリダゴッホ
「・・・焼き鳥シゲ流 お百度マツリダ・・・?」


焼き鳥屋店主シゲ
「そうだぜ」



マツリダゴッホ
「・・・略して、焼き鳥マツリダ?」


焼き鳥屋店主シゲ
「フッ。お百度参りって単語が、いっこも入ってないんだぜ 汗」



マツリダゴッホ
「うむ。わかったぞシゲ氏。じゃあちょっと行ってきマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「お気をつけてくだせえ」



マツリダゴッホ
「あ、シゲ氏」


焼き鳥屋店主シゲ
「ん?」



マツリダゴッホ
「このことはジャーニーには言わないでくだマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「フッ。わかったぜ」



マツリダゴッホ
「じゃあ行ってきマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「がんばってくだせえ」



≪回想シーン終了≫



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・とまあ、こんな感じでさあ」


ドリームジャーニー
「な、なんだって・・・? 汗」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・そろそろ終わる頃かと思うんだぜ」


ドリームジャーニー
「・・・ゴッホさん」



ガラガラッ



焼き鳥屋店主シゲ
「ヘイ!らっしゃ・・・」


マツリダゴッホ
「ゼハー!ゼハー! 汗汗汗」



焼き鳥屋店主シゲ
「・・・・汗」


ドリームジャーニー
「ゴ・・・」



マツリダゴッホ
「シ、シゲ氏!汗 達成しマツリダ! ゼハー!汗汗」


焼き鳥屋店主シゲ
「おう。さすがだぜ。マツリダさんよ」



マツリダゴッホ
「ゼハー!ゼハー!汗 つーか、100回往復することより、焼き鳥を100個食べる方がツラかったような気がしマツリダ 汗」


ドリームジャーニー
「・・・・」



マツリダゴッホ
「ちなみに最初は左回りで往復してたんだが、どうも手前を変えるのがスムーズにいかないので、途中から右回りにしたら、めっちゃペース上がったぞマツリダ」


焼き鳥屋店主シゲ
「さ、さすが中山の鬼でさあ 汗」


ドリームジャーニー
「・・・・」



マツリダゴッホ
「と、とりあえずこれでジャーニーも大丈夫マツリダ」


ドリームジャーニー
「・・・ボクが・・・なんですか?」



マツリダゴッホ
「いやだからジャーニーの大阪杯も・・・はうっ!!汗汗」


ドリームジャーニー
「・・・・」



マツリダゴッホ
「ジャジャ、ジャーニー!?汗汗 なな、なぜここにいマツリダ? 汗」


ドリームジャーニー
「いいじゃないっすか別に」



マツリダゴッホ
「い、今の話、聞いてマツリダ? 汗」


ドリームジャーニー
「なんのことですか?」


マツリダゴッホ
「よかった。ホッ」



ドリームジャーニー
「・・・つーかゴッホさん、なんでそんなにクツが汚れてるんですか?」


マツリダゴッホ
「あ!!汗 いや!そのー!これはあのー!!汗」


ドリームジャーニー
「・・・・」



マツリダゴッホ
「き、近所の子供たちと、空地で鬼ごっこして走り回ってたら、汚れてしまいマツリダ 汗汗」


ドリームジャーニー
「・・・そうですか」



マツリダゴッホ
「・・・怒ってる? 汗」


ドリームジャーニー
「そりゃ怒りますよ。ボクが洗濯するんですからね」



マツリダゴッホ
「ご、ごめんマツリダ 汗」


ドリームジャーニー
「・・・・」



マツリダゴッホ
「ハ、ハンバーグなしの刑? 汗」


ドリームジャーニー
「当然です」



マツリダゴッホ
「・・・・泣」


ドリームジャーニー
「でも・・・」



マツリダゴッホ
「・・・・泣」


ドリームジャーニー
「・・・今日だけはハンバーグ作ってあげます」


マツリダゴッホ
「ホ、ホント!? 喜」



ドリームジャーニー
「まったくしょうがない人ですねえ」


マツリダゴッホ
「あ、ありがと!ジャーニー! 喜」



ドリームジャーニー
「・・・ホント・・・しょうがない人です・・・泣」


焼き鳥屋店主シゲ
「・・・フッ」



ドリームジャーニー
「じゃあ帰りますよ、ゴッホさん」


マツリダゴッホ
「うむ。帰りマツリダ」



ドリームジャーニー
「・・・シゲさん・・・色々・・・ありがとうございました 泣」


焼き鳥屋店主シゲ
「フッ。がんばれよ、ジャーニーさん」


ドリームジャーニー
「はい!ではまた! 喜」



バタン



焼き鳥屋店主シゲ
「フッ。一件落着・・・ん?なんだこのバラバラの焼き鳥5個は。・・・・フッ。マツリダさん、5回ズルしてるぜ 汗」



– つづく –

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