◆桜花賞2011予想⇒ダンスファンタジア⇒大切な人の応援より大事な用事なんか無い


【ダンスファンタジア】

○3歳 女子
○馬名 意味由来⇒ ダンス幻想曲
○父ファルブラヴ、母ダンスインザムードの超お嬢さま。気むずかしい娘
○デビュー2連勝の内容は圧巻。ちぎり捨てた2着馬は、その後FR快勝のフレンチカクタス
○阪神JFは2番人気に押されるも、出遅れ&大外暴走で終了
○仕切り直しのフェアリーSでは、内枠でなんとか折り合い、楽勝
○前走クイーンCは、気性の悪さがモロに出て、全く力を発揮できず6着
○能力は激高。機嫌よく走れるかだけ



◆大切な人の応援より大事な用事なんか無い



≪ダンス一族 豪邸にて≫



ダンスファンタジア
「やなぎだぁぁぁぁーーーー!!!怒怒」


執事 柳田
「お、お嬢さまっ!!汗 屋敷中の窓ガラスにヒビが入っておりますっ!汗 大声を出さないでくださいっ!汗」



ダンスファンタジア
「アタシのじゃがりこ、どこやったぁぁぁーーー!!怒怒」


執事 柳田
「お、お嬢さま・・・汗」


ダンスファンタジア
「あぁ!?怒」



執事 柳田
「・・・じゃがりこは昨日、お嬢さまが食べてしまいました・・・」


ダンスファンタジア
「ウソつくなぁぁぁーーー!!怒怒」



執事 柳田
「ホ、ホントですっ!!汗 ホラ、お嬢さまの部屋のゴミ箱に、カラのじゃがりこが・・・」


ダンスファンタジア
「あ」


執事 柳田
「ふふっ 笑」



ダンスファンタジア
「・・・やなぎだぁ・・・」


執事 柳田
「はい? ニコニコ」



ダンスファンタジア
「・・・なに笑っとんじゃコラ・・・怒」


執事 柳田
「い、いえ!汗 笑ってなどおりませんっ!!汗」



ダンスファンタジア
「今、笑っただろうがぁぁぁぁーーーー!!怒」


執事 柳田
「わ、笑っておりませんっ!!汗」



ダンスファンタジア
「・・・・」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「・・・わかった・・・」


執事 柳田
「わ、わかってくださいましたか!喜 ホッ」



ダンスファンタジア
「・・・今すぐじゃがりこを用意しろ」


執事 柳田
「は? 汗 で、では至急スーパーへ買い物に・・・汗」



ダンスファンタジア
「今すぐ出せ」


執事 柳田
「そ、そんな! 汗 お嬢さま!ワガママを言わないでくださいっ 汗」


ダンスファンタジア
「はぁー・・・使えねえ・・・怒」



執事 柳田
「で、ですがお嬢さま! 汗 本日、わたくしの手作りの、大学いもをご用意しておりますっ!ニコッ」


ダンスファンタジア
「は?」



執事 柳田
「大学いもですっ!油で揚げたサツマイモに糖蜜を絡めた日本のお菓子でございますっ!喜」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「わたくし柳田、心をこめてお嬢さまのために作りました!喜」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「さあ!どうぞ!お召し上がりください!喜」


ダンスファンタジア
「・・・いらない・・・」



執事 柳田
「そ、そんなことをおっしゃらずに! 汗 さあ!」


ダンスファンタジア
「いらねーっつってんだろ!!」



ガシャーン!
(こぼれた)



ダンスファンタジア
「あ・・・」


執事 柳田
「だ、大学いもが・・・泣」



ダンスファンタジア
「・・・・」


執事 柳田
「・・・・泣」



ダンスファンタジア
「そ、そんなもんいらねえんだよっ 汗 アタシはじゃがりこが食べたいの!」


執事 柳田
「・・・・泣」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「・・・奥さまとの、桜花賞史上初の母娘制覇がかかった1戦・・・」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「・・・お嬢さまがナーバスになるのは、当然のことでございます・・・」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「わたくしは、お嬢さまが生まれた時から、見てきているのですから、その重みはわかっているつもりです」


ダンスファンタジア
「・・・柳田・・・」



執事 柳田
「ストレスを、この柳田にぶつけて、少しでもお嬢さまがリラックスできるなら、本望でございます ニコッ」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「大丈夫ですっ!お嬢さまならきっとでき・・・」


ダンスファンタジア
「柳田・・・」


執事 柳田
「は?」



ダンスファンタジア
「・・・自信がないよ・・・」


執事 柳田
「お嬢さま・・・」



ダンスファンタジア
「前走は断然人気だったのに、イレ込んで6着・・・」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「しかも今回は阪神への輸送・・・アタシが輸送ダメなのは、阪神JFでわかってるだろ?」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「・・・アタシは・・・ママみたいに上手に走れない・・・」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「だから・・・今回はさ、応援に来なくていいよ。柳田」


執事 柳田
「お嬢さま・・・」



ダンスファンタジア
「これ」


執事 柳田
「なんですか、このチケットは?」



ダンスファンタジア
「ディズニーランドの無料チケット。二人分ある」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「桜花賞がある4/10はさ、そのチケットで、メイドのしょこたんと一緒に遊んでくればいいよ」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「好きなんだろ?しょこたんのこと」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「ふふっ。これを機に距離を縮めなよ。いいねえ。恋ってすばらし・・・」



ビリビリビリ!
(破った)



ダンスファンタジア
「え?」


執事 柳田
「・・・・ビリビリ・・・ポイッ」



ダンスファンタジア
「な、何すんだよ!せっかくの無料チケット!!」


執事 柳田
「・・・こんなものいりません・・・」


ダンスファンタジア
「え・・・」



執事 柳田
「4/10は、奥さまとお嬢さまによる、桜花賞史上初の母娘制覇達成のメモリアルデーなのです」


ダンスファンタジア
「柳田・・・」



執事 柳田
「その興奮に勝るアトラクションは、世界中探しても見当たらないでしょう」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「そんな日に、女とディズニーランドに行くなんて、もったいないですからっ!!」


ダンスファンタジア
「・・・・」



執事 柳田
「最高のレースを見せてくださいっ!!お嬢さま!!ニコッ」


ダンスファンタジア
「・・・・泣」



執事 柳田
「お嬢さまなら、必ずできますっ!!喜」


ダンスファンタジア
「・・・柳田・・・泣」


執事 柳田
「はい!」



ダンスファンタジア
「・・・もしアタシが・・・」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「もしアタシが桜花賞勝ったら・・・」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「・・・また、大学いも・・・作ってくれる? 泣」


執事 柳田
「・・・もちろんです・・・泣」



ダンスファンタジア
「・・・ありがと・・・柳田・・・泣」


執事 柳田
「わたくしこそ、お嬢さまに仕えさせて頂き、この上なく幸せでございます! 泣」



ダンスファンタジア
「・・・柳田・・・泣」


執事 柳田
「・・・お嬢さま!!泣」



ダンスファンタジア
「・・・柳田・・・」


執事 柳田
「はい!!」



ダンスファンタジア
「・・・柳田・・・」


執事 柳田
「はい?」



ダンスファンタジア
「・・・やなぎだ・・・」


執事 柳田
「は? 汗」



ダンスファンタジア
「・・・や、やなぎだぁぁぁ・・・」


執事 柳田
「え? 汗汗」



ダンスファンタジア
「・・・うちの屋敷には防犯用の、超小型高性能CCDカメラが528個設置してある」


執事 柳田
「は?」



ダンスファンタジア
「今日も、そのうちのひとつの映像を見てみよう」


執事 柳田
「え?」



ダンスファンタジア
「VTR、スタート!」



≪VTR再生≫



メイド翔子
「おお~♪やなぽん、今日は料理を作るのぉ~?」


執事 柳田
「うん!ホントはしょこたんに料理作りたかったんだけどぉー、今日はお嬢さまに作るんだー。めんどくせー!!怒」



メイド翔子
「でもでも~料理できる男の人って、ス・テ・キ♪」


執事 柳田
「えへへ~ 喜」


メイド翔子
「うふふ~♪」



執事 柳田
「さてと、大学いもをつくりまーす!」


メイド翔子
「キャー♪やなぽん、カッコイイー♪」



執事 柳田
「大学いもは、要するに、さつまいもを油で揚げて、蜜にからめればいいんだよぉ~」


メイド翔子
「おお~♪さすが、やなぽん!!」



執事 柳田
「でも今日は、さつまいもが無いので・・・じゃがいもでいいや」


メイド翔子
「おお~♪アレンジだねっ♪」



執事 柳田
「・・・油も無いや・・・ラー油でいいよね」


メイド翔子
「おお~♪大量のラー油で揚げるなんて斬新っ♪」



執事 柳田
「そして最後に、特製の蜜。砂糖水を煮詰めるんだけど、メンドーだから、ファンタオレンジを煮詰めま~す」


メイド翔子
「おお~♪ファンタお嬢さまだけに、ファンタだねっ♪やなぽんスゴーイ♪シャレもきいてるぅ~♪」



執事 柳田
「よし!できた!」


メイド翔子
「・・・ラー油で揚げたから、激辛だよね、きっと 汗」



執事 柳田
「まあお嬢さまは、味覚がバカだから、気づかないよぉ~」


メイド翔子
「いや~ん♪やなぽんったら、権力に立ち向かう男って感じ~♪」



執事 柳田
「えへへ~ 喜」


メイド翔子
「うふふ~♪」



≪VTR終了≫



執事 柳田
「・・・ア、アウアウ・・・汗汗」


ダンスファンタジア
「・・・ふむ・・・」



執事 柳田
「お、お嬢さま!違うんですっ!汗汗」


ダンスファンタジア
「それからもうひとつ・・・」


執事 柳田
「は?」



ダンスファンタジア
「・・・さっきオマエが破ってゴミ箱に捨てたディズニーランドのチケットだが・・・」


執事 柳田
「な、なにか・・・?汗」


ダンスファンタジア
「ちょっと見てみようか・・・」



ガサゴソ



執事 柳田
「お、お嬢さまっ!!ゴミ箱をあさるなんて、はしたないから、おやめくださいっ!!汗」


ダンスファンタジア
「あった」


執事 柳田
「・・・・」



ダンスファンタジア
「なになに・・・『0のつく日はスーパー出玉デー!マリンちゃんがあなたを呼んでいるっ!』」


執事 柳田
「・・・ア、アウアウ・・・汗汗」



ダンスファンタジア
「・・・どうしてディズニーランドのチケットが、パチンコ屋のチラシに変わってるのだろうか?」


執事 柳田
「・・・ガクガク・・・震」



ダンスファンタジア
「なあ、柳田・・・」


執事 柳田
「ち、違うんです!!汗」



ダンスファンタジア
「オマエは、アタシが後ろを向いた一瞬のスキをついて、チケットとチラシをすり替えたのだ」


執事 柳田
「・・・ガクガク・・・震」



ダンスファンタジア
「そしてそのチケットでしょこたんとディズニーランドに行き、4時ころ競馬場に入り、最初から応援していたかのように偽装するというプランだったのだろう?」


執事 柳田
「・・・ガクガク・・・震」



ダンスファンタジア
「・・・惜しかったな、柳田。完全犯罪まで、あと一歩だった」


執事 柳田
「お、お嬢さまっ!!汗 話を聞いてくださいっ!!汗汗」



ダンスファンタジア
「さて、選択肢は3つだ」


執事 柳田
「は?」



1⇒東京タワーから、ヒモ無しバンジーの刑
2⇒東京湾で、酸素ボンベ無し、海猿の刑
3⇒サディスティックルームへの挑戦



ダンスファンタジア
「さあ。お好きなコースを」


執事 柳田
「せ、選択の余地がありませんっ!!汗 お嬢さまっ!!汗」



ダンスファンタジア
「では3番だな」


執事 柳田
「お嬢さまっ!!それだけはっ!!泣」



ダンスファンタジア
「・・・では行こう・・・味覚なき世界へ・・・」


執事 柳田
「た、たぁすけてぇぇぇーーー!!!泣泣」



– つづく –

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