◆ヴィクトリアマイル2011予想⇒アパパネ⇒”今のままでいいのか”という悩みは向上心


【アパパネ】

○4歳 女性
○父キングカメハメハ
○馬名 意味由来⇒ ハワイに生息する赤い鳥の名前
○JFから、牝馬クラシックまで全制覇の歴史的名牝
○勝ち方は地味だが、並んだら抜かせないド根性娘
○一叩きのステップレースでは本気を出さないクレバーな女性
○3冠後の調整の難しさから、古馬初対戦となったエリ女は3着まで
○前走マイラーズCは、完全な前残りレースの中、33.2で差して意地の4着
○東京コースは3戦3勝。今回モンスターが1頭いるが、自分の競馬ができればもしかすると。



◆”今のままでいいのか”という悩みは向上心



≪キングダム家にて≫



アパパネ
「もういい加減に、この曖昧な関係に終止符を打たなければ!気合いだ!アタシ!」



ピンポーン



ローズキングダム
「はいよー。お、アパじゃん。どした?」


アパパネ
「こ、こんにちはー!汗 いやー近くを通ったもので! 汗」



ローズキングダム
「そうか。まあ入れよ」


アパパネ
「お、おじゃましまーす 汗」



ローズキングダム
「コーヒーでいいか?」


アパパネ
「う、うん!お構いなく! 汗」



ワンワンッ!



アパパネ
「むむっ!!汗 この声は! 汗」


ローズキングダム
「そいつは、我がバラ一族の番犬、ローズイヌだ。もう30歳になるんだ。何十年もバラ一族を守ってくれてるんだぜ」


アパパネ
「う、うん 汗 あいかわらずカワイイね 汗」



ローズキングダム
「あ、じゃがりこ食べるか?」


アパパネ
「う、うん。ありがと」



ローズイヌ
「ワンワンッ!」


アパパネ
「・・・さて・・・いつものこのジャマなイヌをどうすべきか・・・」



謎の声
『ホッホッホ』


アパパネ
「・・・こ、この声は・・・? 汗」



ローズイヌ
『また来たのか、アパよ。しょうこりもなく 笑』


アパパネ
「くっ・・・」



ローズイヌ
『やはりおぬしにだけは、ワシの声が聞こえるようぢゃな』


アパパネ
「そ、そうみたいね 汗」



ローズイヌ
『フッ。アパよ。いまだキングダム坊ちゃんとは、進展しておらんようぢゃの 笑』


アパパネ
「うっ・・・ 汗」



ローズイヌ
『まあ人生というのは、思い通りに行かないからこそ、楽しいものぢゃよ』


アパパネ
「うぬぬ・・・」



ローズイヌ
『悩みがあるなら話してみい。ワシもだてに30年も生きとらんぜよ』


アパパネ
「はあ・・・」


ローズイヌ
『さあ!!』



アパパネ
「は、はい。なんてゆーか、そのー最近、”このままでいいのかな?”っていう思いが強くて・・・」


ローズイヌ
『ふむ』



アパパネ
「恋にしても、レースにしても、”今のままでいいのかなぁ”っていう漠然とした不安があるんです・・・」


ローズイヌ
『・・・・』



アパパネ
「こ、これはどうしたらいいでしょうか?お犬様!!」


ローズイヌ
『うむ・・・』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『ではワシの見解を述べよう』


アパパネ
「・・・ゴクリ」



ローズイヌ
『・・・あきらめて来世に期待せよ』


アパパネ
「は?」



ローズイヌ
『というか、そんな悩みをワシに相談されても困るっちゅう話ぢゃ 笑』


アパパネ
「テ、テメーが相談しろって言ったんだろうがぁぁーー!!怒」



ローズキングダム
「ア、アパ? 汗」


アパパネ
「はっ!!汗 キングダム!汗 いや!これはそのー!ローズイヌをしつけていたのです! 汗」


ローズイヌ
「くぅ~ん・・・落」



ローズキングダム
「そ、そうか 汗 でもローズイヌも落ち込んでるみたいだから、あんまイジメないでくれよ? 汗」


アパパネ
「う、うん 汗 ゴメン! 汗」



ローズイヌ
『プププッ~~www』


アパパネ
「こっ・・・このクソイヌ・・・怒」



ローズイヌ
『アパよ』


アパパネ
「なによっ!!怒」



ローズイヌ
『キングダム坊ちゃんの大好物がひとつあるんぢゃ』


アパパネ
「え?」



ローズイヌ
『それをさりげなーく買って、坊ちゃんに渡せば、おぬしの株も上がるってもんぢゃ』


アパパネ
「ほ、ほう 汗 で、その大好物とは? 汗」



ローズイヌ
『・・・よく聞け』


アパパネ
「は、はい・・・ゴクリ」



ローズイヌ
『・・・・』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『・・・自分で考えろ。プッ 笑』


アパパネ
「こ、このくされ犬がぁぁーー!!怒」



ローズキングダム
「ア、アパ!!汗 どうした!落ち着け!!汗」


アパパネ
「はっ!!汗 キングダム!違うの!これには深いワケが!!汗」


ローズイヌ
「くぅ~ん・・・泣」



ローズキングダム
「い、いやローズイヌも泣いてるからさ。アパ、犬キライか?」


アパパネ
「ち、違うのっ!!汗 キングダム!聞いて!!汗」



ローズイヌ
「・・・(アッカンベー)」


アパパネ
「・・・(プルプル 怒)」



≪アパパネ家にて≫



アパパネ
「はぁー。またあのクソイヌのせいで台無しだったわ・・・落 あの老犬がいる限り、アタシに未来はない気がする・・・落」



プルルルル・・・



アパパネ
「ん?電話?・・・もしもし?・・・あ!!キングダム?!照 ど、どーしたの?・・・うん・・・・え?」



≪病院にて≫



アパパネ
「キングダム!!」


ローズキングダム
「アパ・・・」



アパパネ
「ローズイヌは?!」


ローズキングダム
「今、病室で寝てる。幸い命に関わることはないらしい」


アパパネ
「・・・ローズイヌ・・・どうして・・・」



ローズキングダム
「道を歩いてて、自転車とぶつかったらしい」


アパパネ
「・・・・」



ローズキングダム
「アイツ、なんで一人で歩いてたんだ・・・いつもは散歩ギライで、絶対に外に出ないのに」


アパパネ
「・・・・」



ローズキングダム
「とにかくさ、ローズイヌに会ってやってくれよ」


アパパネ
「う、うん・・・」



ガチャ



アパパネ
「ローズイヌ・・?」


ローズイヌ
「ハァー・・・ハァー・・・」



アパパネ
「ど、どうしてこんな・・・」


ローズイヌ
「ハァー・・・ハァー・・・」



アパパネ
「・・・散歩ギライなのに、どうして一人で歩いてたの・・?」


ローズイヌ
『ア・・アパよ・・・』


アパパネ
「え?なに?」



ローズイヌ
『こ・・これを・・』


アパパネ
「え?・・・なにこれ・・・?」



ローズイヌ
『ロールケーキ・・ぢゃ・・』


アパパネ
「え?」



ローズイヌ
『・・・キングダム坊ちゃんの・・・大好物・・・ぢゃ・・・』


アパパネ
「!!」



ローズイヌ
『・・こ・・今度・・遊びに来る時に・・これを・・おみやげにすれば・・おぬしの株も・・上がるかもしれんな・・・』


アパパネ
「ま、まさか・・・」


ローズイヌ
『・・・・』


アパパネ
「まさかこれをアタシに渡すために、一人で・・・」



ローズイヌ
『・・・ら、来世に期待する前に・・今・・自分にできることを・・一生懸命・・やるのぢゃ・・・』


アパパネ
「ローズイヌ・・・泣」



ローズイヌ
『”このままでいいのか”・・・と感じているのぢゃろう・・・?』


アパパネ
「・・・・泣」



ローズイヌ
『それはきっと・・変化・・せよ・・という・・心の声ぢゃ・・・』


アパパネ
「・・・・泣」



ローズイヌ
『・・い、今のままでいいのか・・・という悩みは・・おぬしの向上心なのぢゃ・・・』


アパパネ
「・・・・泣」



ローズイヌ
『ア、アパよ・・・』


アパパネ
「・・・はい・・・泣」



ローズイヌ
『・・お、おぬしはすばらしき・・おなごぢゃ・・・微笑』


アパパネ
「・・・・泣」



ローズイヌ
『・・・キングダム坊ちゃんを・・・たの・・む・・・』


アパパネ
「え?!やだ!!ちょっと!!ローズイヌ!!泣」



ローズイヌ
『・・・・』


アパパネ
「ローズイヌーーーー!!!!号泣」



ローズイヌ
『・・・・』


アパパネ
「・・・・泣」



さわさわ



アパパネ
「キャッ!」


ローズイヌ
『・・・ア、アパよ・・・いいケツ・・・ぢゃ・・・微笑』



アパパネ
「ケ、ケツさわってんじゃねえ!!怒 ジジイ!コラァァーー!!怒 ガスガス!!」


ローズイヌ
『・・・い・・痛いん・・ぢゃ・・・ガクッ』



– つづく –

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