◆ラジオNIKKEI賞2011予想⇒ターゲットマシン⇒非合理の中にこそ、人生の喜びがある


【ターゲットマシン】

○Target Machine
○馬名 意味由来⇒ 開発対象となるマシン
○3歳 男性
○父ディープインパクト
○弥生賞・プリンシパルと惨敗続きだが、どちらも2番人気と素質高い
○今年のラジオNIKKEI賞は、実績ある中山コース。54キロならチャンスも。



◆非合理の中にこそ、人生の喜びがある



≪スターバックスにて≫



オウケンブルースリ
「・・・やっぱ引退か・・・ジャーニーさん・・・オレが代わりに活躍するからな!」



ウィーン



店員
「いらっしゃいませー」


ターゲットマシン
「フラペチーノをひとつクダサイ」


店員
「かしこまりました」



ターゲットマシン
「カスタマイズで、コーヒーの追加。チョコレートチップの追加。バニラシロップも追加シテクダサイ」


店員
「かしこまりました」



オウケンブルースリ
「ぶっ!!吹 ロ、ロボットがコーヒーを注文しているっ!!驚」


ターゲットマシン
「シツレイシマス。ココ、相席ヨロシカッタデスカ?」



オウケンブルースリ
「あ、ああ 汗 いいけど 汗」


ターゲットマシン
「アリガトウゴザイマス」



オウケンブルースリ
「・・・お、おまえはロボットなのか? 汗」


ターゲットマシン
「ソウデス。今週のラジオNIKKEI賞に出走予定デス」


オウケンブルースリ
「へー 汗」



ターゲットマシン
「今年は中山での開催ナノデ、ワタシにもチャンスがアルと思ってオリマス」


オウケンブルースリ
「ふーん 汗」



ターゲットマシン
「人生は情報を集め、傾向を探ることで、最短距離で目標達成が可能にナルノデス」


オウケンブルースリ
「そうか 汗」



ターゲットマシン
「帰納的アプローチ無くして、合理性を追求するコトハデキマセン」


オウケンブルースリ
「うん 汗」



ターゲットマシン
「人間はバカデス。論理的な選択ヨリ、感情を優先サセテシマウ」


オウケンブルースリ
「ま、まあな 汗」



ターゲットマシン
「明らかに不合理な選択を、感情に流されてしておきながら、あとで後悔シテイル」


オウケンブルースリ
「う、うん 汗」



ターゲットマシン
「人生にオケル行動のチョイスは、既存データからの一般化を行うことで、超効率的にすることが可能ナノデス」


オウケンブルースリ
「へー 汗」



ターゲットマシン
「オワカリカ?」


オウケンブルースリ
「よ、よくわかんねえな。オレバカだから 汗」



ターゲットマシン
「「心」は感情を統制しなければナラナイ。それがデキナイのならば、「心」など無い方がヨイ」


オウケンブルースリ
「う、うん 汗 おまえに心はないのか? 汗」



ターゲットマシン
「ロボットですから、そんなものは必要アリマセン」


オウケンブルースリ
「そっか 汗」



ターゲットマシン
「ムダを徹底的に排除し、目標への最短距離となる行動だけをチョイススレバヨイノダ」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



ターゲットマシン
「オマエタチはナゼ、そんな簡単なことがワカラナイノダ?」


オウケンブルースリ
「・・・・」



ターゲットマシン
「オマエタチ人間の脳は、飾り物ナノカ?」


オウケンブルースリ
「・・・・」



ターゲットマシン
「ン?」


オウケンブルースリ
「・・・うーん。ロボさあ」


ターゲットマシン
「ナンダ」



オウケンブルースリ
「・・・おまえの言うことはスゲー正しいと思うよ」


ターゲットマシン
「アタリマエダ」



オウケンブルースリ
「・・・ただそのー。なんつーかな。オレの語彙力ではうまく表現できんのだが・・・」


ターゲットマシン
「ナンダ」



オウケンブルースリ
「・・・非合理の中にこそ、人生の喜びがあるんじゃねえかなーと」


ターゲットマシン
「ナニイットンネン」



オウケンブルースリ
「だからさ。合理的ってことは、予想通りってことだろ?」


ターゲットマシン
「ム」



オウケンブルースリ
「世の中、全員が予想通りに合理的に生きてたら、おもしろくなくね?」


ターゲットマシン
「イミワカラヌ」



オウケンブルースリ
「・・・例えば、自分を犠牲にして、人のために何かをしたりとかさ」


ターゲットマシン
「ハァ?そんなことするヤツはバカダロウ?」



オウケンブルースリ
「例えば誰かがさ、自分のためにあえて非合理な選択をして、自分を助けてくれたらさ、スッゲー嬉しいと思わねえか?」


ターゲットマシン
「ワカラヌ」


オウケンブルースリ
「ま、まあおまえのプログラムには無いよな 汗 忘れてくれ、ロボ」



***・・・インプット完了・・・保存チュウ・・・***



オウケンブルースリ
「な、なにしてんだ? 汗」


ターゲットマシン
「データの処理中ナノダ」


オウケンブルースリ
「そ、そうなんだ 汗」



ターゲットマシン
「ワタシはあらゆるデータを保存し、分析するよう設定されてイルノダ」


オウケンブルースリ
「そ、そっか 汗」



ターゲットマシン
「ダガ、今のオマエのハナシは、何の合理性もなく、不必要なので削除スル」


オウケンブルースリ
「う、うん 汗 オレも正しいかどうか自信ないから、削除しといてくれ 汗」



***・・・削除メニュー展開・・・このデータを完全に削除しますか・・・?***



オウケンブルースリ
「はー。オレももっと合理的に生きなきゃダメなんだろうなあ・・・」


ターゲットマシン
「・・・・」



***・・・削除中止。念のため、データベースに維持します・・・***



オウケンブルースリ
「・・・ん?削除完了したか?ロボ」


ターゲットマシン
「・・・削除完了ダ。オマエのショウモナイ発言など、ハードディスクのムダ使いダカラナ」



オウケンブルースリ
「ケッ。まあ確かにな。オレはいつもダメ男って言われてっからさ。ははっ 苦笑」


ターゲットマシン
「・・・・」



オウケンブルースリ
「おまえはえらいよな。オレとは違ってさ」


ターゲットマシン
「・・・・」



オウケンブルースリ
「・・・さて、そろそろ帰るか。ロボ。おまえも帰るか?」


ターゲットマシン
「ソウダナ。帰るとシヨウ」


店員
「ありがとうございました~」



ウィーン



オウケンブルースリ
「ふー。今日も暑いなー。もう夏だな。ツタヤでAVでも借りて帰るか?ロボ」


ターゲットマシン
「・・・オウケン」



オウケンブルースリ
「ロボでも女は好きなのか?ぷぷっ 笑」


ターゲットマシン
「オウケンヨ・・・」



オウケンブルースリ
「あ?なんだよ」


ターゲットマシン
「・・・赤信号ダゾ」


オウケンブルースリ
「えぇーー!!汗」



***・・・オウケンの右後方にバイク接近中・・・接触まで・・・あと3秒・・・***



オウケンブルースリ
「う、うわぁぁーー!!汗汗」



***・・・オウケン心拍数上昇・・・パニック状態・・・自力での回避は困難・・・***



オウケンブルースリ
「も、もうダメだぁぁーー!!汗汗」



ガッシャーーン!!



オウケンブルースリ
「ぐわぁぁーー!!・・・ん?・・・オレ生きてる?・・・なんで? 汗」


通行人
「ああー!!バイクとロボットが衝突したぞーー!!」


オウケンブルースリ
「・・・え?」



ターゲットマシン
「・・・ピー・・・ガー・・・」


オウケンブルースリ
「ロ、ロボっ!!汗 お、おまえ・・・どうして!!」



***・・・強い衝撃による本体破損・・・メディカルスキャンを開始します・・・***



オウケンブルースリ
「おい!!ロボ!! 大丈夫かっ!!泣」



***・・・CPU破損・・・ハードディスク破損・・・バッテリー破損・・・自己修復は不可能・・・***



オウケンブルースリ
「ロボー!!泣 目を開けてくれー!!泣」



***・・・非常用動力に切り替え・・・本体の破損著しく、修復は不可能・・・あと1分で全機能をシャットダウンします・・・***



オウケンブルースリ
「ロボ!!ロボー!!泣」


ターゲットマシン
「・・・オウケン・・・」



オウケンブルースリ
「はっ!!ロボ!!泣 しゃべるな!!今、救急車がくるから!!泣」


ターゲットマシン
「・・・ワタシはロボット・・・病院ではナオセヌ・・・」



オウケンブルースリ
「そ、そんな!!泣」


ターゲットマシン
「・・・・」



オウケンブルースリ
「ロボ!!おまえどうして!!泣」


ターゲットマシン
「・・・さっきのオウケンの発言が・・・ハードディスクにアッタカラカナ・・・」


オウケンブルースリ
「バ、バカッ!!削除しなかったのか?!泣」



ターゲットマシン
「・・・やはり不合理な選択は、自己の目標達成を遠ざけるのダロウ・・・」


オウケンブルースリ
「ロボッ!!泣」



ターゲットマシン
「・・・ダガ・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・泣」



ターゲットマシン
「『非合理の中にこそ、人生の喜びがある』というオウケンの言葉を・・・ワタシは削除したくなかったノダ・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・泣」



ターゲットマシン
「ロボット失格ダナ・・・」


オウケンブルースリ
「・・・ううっ・・泣」



ターゲットマシン
「・・・ダガ・・・ナゼダロウ・・・こんな非効率な行動を取ってしまったワタシは・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・泣」



ターゲットマシン
「・・・イマ・・・とても温かい気持ちナノダ・・・」


オウケンブルースリ
「ロボー!!泣」



ターゲットマシン
「・・・さっきの衝撃で・・・ハードディスクを損傷してシマッタ・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・泣」



ターゲットマシン
「・・・せっかくもらったオウケンの言葉も・・・もうすぐ消えてシマウダロウ・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・泣」



***・・・非常用動力。残量僅少・・・5秒後に全機能シャットダウンします・・・***



ターゲットマシン
「オウケン・・・」


オウケンブルースリ
「ロボー!!泣」



ターゲットマシン
「・・・最後に・・・ワタシに「心」を設置してクレテ・・・アリガトウ・・・」


オウケンブルースリ
「ちょ、ちょっと待て!!泣 ロボ!!」



***・・・非常用動力ゼロ・・・全機能シャットダウンします・・・***



ターゲットマシン
「・・・ピー・・・ガー・・・・プツン・・・」



シーン



オウケンブルースリ
「ロボーーーー!!!号泣」



– つづく –

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