神戸新聞杯2016~ エアスピネル『感情は客観視して、論理で行動するべし』



◆神戸新聞杯2016


【エアスピネル】

○Air Spinel
○牡3
○父 キングカメハメハ
○馬名 意味⇒ 冠名+タイに伝わる伝説の竜の形をした馬

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◆感情は客観視して、論理で行動するべし



≪喫茶JIROにて≫



オウケンブルースリ
「むう。『焼き鳥シゲ』は臨時休業か…。しょうがない。ここに入るか…。入りたくねえけど」



  カランコロ~ン



喫茶店マスター 二郎
「いらっしゃいませ? 美声」


オウケンブルースリ
「おう二郎。相変わらず、声だけはいいな。焼き鳥シゲが臨時休業でよぉ。仕方ないから来てやったぞ。来たくなかったけどな」



喫茶店マスター 二郎
「・・・ふっ」


オウケンブルースリ
「な、なんだよ 汗」



喫茶店マスター 二郎
「・・ホントはアタクシに会いたかったくせにぃ~!このこのぉ~!ツンツン 指」


オウケンブルースリ
「ツンツンすんな 汗」



喫茶店マスター 二郎
「お飲み物のほうは、煮え湯でよろしかったですか?」


オウケンブルースリ
「よろしくねえな 汗」



喫茶店マスター 二郎
「では、マイスモーヒーでよろしかったですか?」


オウケンブルースリ
「な、なに? 汗」



喫茶店マスター 二郎
「マイスモーヒー」


オウケンブルースリ
「ア、アイスコーヒー? 汗」


喫茶店マスター 二郎
「はい」



オウケンブルースリ
「ああ。じゃあ、アイスコーヒーでいいや」


喫茶店マスター 二郎
「ございません」


オウケンブルースリ
「ね、ねえのかよっ!汗 お前から推してきたんだろ! 汗」



喫茶店マスター 二郎
「アイスヒーハーならございます。プッw」


オウケンブルースリ
「・・ああ・・。やっぱりこの腐れ喫茶店には来るんじゃなかった・・。シゲさんの野郎ー。サボりやがってー ブツブツ」



  カランコロ~ン



オウケンブルースリ
「お。珍しく客だぞ。二郎」


エアスピネル
「あ。どーも。営業してますか?なんか薄暗いけど」



喫茶店マスター 二郎
「いらっしゃいませ。お客様・・『生まれた年が悪すぎた、運の悪い男1名様』で、よろしかったですか?」


エアスピネル
「くっ・・」


オウケンブルースリ
「・・二郎おまえ、接客の基本から勉強し直した方がいいぞ 汗」



喫茶店マスター 二郎
「お客様。お飲み物のほうは、苦汁を飲まされる感じでよろしかったですか?」


エアスピネル
「ど、どんな飲み物なんですか縁起でもない 汗 ボク今週、大事なレースがあるのに 汗」



オウケンブルースリ
「む。お前よく見たら、今週の神戸新聞杯に出る、エアスピネルか?」


エアスピネル
「あ!あなたはもしや、あの有名なオウケンさんでは?」



オウケンブルースリ
「おう。やっぱオレ、有名人か? 喜」


エアスピネル
「・・はい。『しゃべ馬 ゲス野郎ランキング』で、ゴールドシップ君と、熾烈な首位争いをしている、と」


オウケンブルースリ
「な、なんなんだ!そのランキングは! 汗」



エアスピネル
「あ、オウケンさん。とりあえず、ここ相席いいですか?」


オウケンブルースリ
「ああ。オレも一人だったから、別にい・・」



喫茶店マスター 二郎
「ダメです」


エアスピネル
「ブッ! 吹」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



エアスピネル
「な、なんなんスか!オウケンさん!このホテルマンみたいな、ちょっとええ声のオッサンは!さっきから腹立つ! 汗」


オウケンブルースリ
「・・相手にするな。コイツに関わると、ストレスで胃を破壊されるぞ」


エアスピネル
「くっ・・ 汗」



喫茶店マスター 二郎
「ほっほっほ!・・我こそは、ストマックデストロイヤーー!!叫」


オウケンブルースリ
「やかましいわコラァー!!ガスガス 蹴蹴」


喫茶店マスター 二郎
「ぐ、ぐほおんー汗 蹴るでない! 汗」



エアスピネル
「オウケンさん。そんなことより、今週のレースは自分にとって、大切な一戦なのです」


オウケンブルースリ
「ああ。秋の始動戦だもんな」



エアスピネル
「そう。春のクラシック。皐月賞とダービーは、自分なりにベストを尽くしたつもりでした」


オウケンブルースリ
「ああ」



エアスピネル
「でも連続4着…。ボクの上には、いつもあの3人がいた…」


オウケンブルースリ
「ああ。そうだったな」


エアスピネル
「・・そう。あの3人とは・・」



喫茶店マスター 二郎
「ヤックン!モックン!フックン!で、ごじゃりますね! 喜」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



エアスピネル
「・・・オウケンさん。こいつ、コロしていいスか 怒」


オウケンブルースリ
「お、落ち着け、スピネル 汗」



喫茶店マスター 二郎
「寿司っ食いねェ~~♪・・ホイッ。握りたてのマグロおまちっ♪・・頭に乗せちゃお♪ポン」


エアスピネル
「・・・・ 頭鮪」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



エアスピネル
「・・すいませんオウケンさん。僕、人の道を外れます。ムショから出てきたら、焼き鳥シゲで一杯やりましょう… 殺意」


オウケンブルースリ
「ま、まて!はやまるな!汗 こんな奴のために、お前の人生を棒に振るな!たくさんのファンが、お前を待ってるんだぞ!」


エアスピネル
「くっ・・」



オウケンブルースリ
「な?」


エアスピネル
「・・はい・・。でも、胃が破壊されかかっています・・ 胃痛」



オウケンブルースリ
「そんな時は、深呼吸だ。そう、ゆっくり」


エアスピネル
「スー・・ハー・・ 息」



オウケンブルースリ
「そうだ。意識を呼吸に集中して、ゆっくりな。もっと深く吸い込め」


エアスピネル
「スーー・・ 息吸」



  プゥ~! 屁



喫茶店マスター 二郎
「よっしゃぁー!!ここしかないタイミングで出た! 喜」



エアスピネル
「ゲ、ゲホゲホゲホッ!!汗汗」


オウケンブルースリ
「・・な、なんてことを 汗」



喫茶店マスター 二郎
「屁い!おまちっ!にぎりっ屁もサービスしちゃうよっ!ホレッ 握屁」


オウケンブルースリ
「くっさ!!息ができないっ! 悶絶」


エアスピネル
「・・・・ 下向」



オウケンブルースリ
「おい!スピネル!大丈夫か?!このハンカチで口を押さえろ!直接吸い込んだら、肺が終わるぞ! 汗」


エアスピネル
「・・・・ 下向」



オウケンブルースリ
「スピネル!おい! 汗」


エアスピネル
「・・オウケンさん・・。ひとつ頼みがあります・・」


オウケンブルースリ
「なんだ!」



エアスピネル
「・・僕の彼女に、『もしこんな自分を待っててくれるなら、出所の日、ベランダに黄色いハンカチをぶら下げておいてくれ』・・と、伝えてください・・」


オウケンブルースリ
「まて!スピネル! 汗」



エアスピネル
「・・生まれた年は悪かったけど、たくさんのファンに応援してもらい、楽しい日々だった。僕は、自分の尊厳を守るために、一度だけ、社会のルールを破ります・・ 目鋭」


オウケンブルースリ
「スピネル!ダメだ! 汗」



エアスピネル
「さあ二郎よ。共に地獄の扉を開こう・・ 怒」


喫茶店マスター 二郎
「・・・・」


エアスピネル
「・・・・ 殺意」



喫茶店マスター 二郎
「・・・スピネルさま。 美声」


エアスピネル
「・・・・ 殺意」



喫茶店マスター 二郎
「・・今、あなた様の脳は、怒りの快感に支配されています」


エアスピネル
「・・・・ 怒」



喫茶店マスター 二郎
「そして、そのネガティブな感情が、スピネルさまにネガティブな行動を起こさせようとしている」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「アタクシは、スピネルさまに何をされようと、恨みはしません」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「なぜなら、今の時点でのスピネルさまの行動は、負の感情に支配されていたに過ぎず、スピネルさまは本来、そんな人ではないからです」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「人間は、論理と感情のはざまで生きている」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「・・はざまと言っても、間寛平ではありません。・・カイーの!・・ブッ 屁」


エアスピネル
「・・・・」


オウケンブルースリ
「・・くっさ!! 汗」



喫茶店マスター 二郎
「スピネルさま。感情に支配されて行動する者は、感情に自分の人生を占領されているのと同じなのです」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「怒りに任せて喧嘩したり、喜びに任せて有頂天になったり。たまにはそんな日があってもいいのかもしれない」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「ですが、自分の頭で考える前に、感情の刺激で行動してしまうと、多くの場合、悪い結果につながってゆく」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「人間(馬)ですから、感情はあってしかるべきもの。ただし、行動は感情が収まったのちに、論理で可否を決定すべきでごじゃります」


エアスピネル
「・・・・」


オウケンブルースリ
「ちょいちょい語尾がおかしいな 汗」



喫茶店マスター 二郎
「スピネルさま。実はアタクシ、皐月賞もダービーも、あなた様を軸にした三連複馬券を握りしめておりました。どちらも4着でしたけどね 苦笑」


エアスピネル
「え・・」



喫茶店マスター 二郎
「稀に見る、美しい栗毛の超良血馬。いつも一生懸命に走る姿に、アタクシは心を奪われました」


エアスピネル
「二郎さん・・」



喫茶店マスター 二郎
「マカヒキ・サトノダイヤモンド・ディーマジェスティ・リオンディーズと、例年であれば、全員ダービー馬になっていても、おかしくない馬たちが集結した最強世代」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「そんな中でもアタクシは、エアスピネルこそが最高だと、今でも思っているのです」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「距離を短縮して、マイル方面に行けばもっと活躍できるかもしれないのに、敢然と菊花賞路線に挑む心意気も、最高です」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「アタクシは、スピネルさまの潜在能力を引き出そうと、あえて、あなた様の感情を揺らし、メンタルブロックのストッパーを外したかったのです」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「スピネルさま。感情と論理を分けるのです。自分の感情は客観的に眺め、行動は論理で決定する。それができれば、あなた様は、もう一つ上の段階へと進化できるでしょう」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「・・私のような者が、偉そうにすみません。エアスピネル様ほどの名馬には、ぜひとも、GI制覇を成し遂げてほしかったものですから・・」


エアスピネル
「・・・・」



喫茶店マスター 二郎
「ホント、私のようなクッソみたいな者がすいません。ゴミ野郎の発言ですいません」


オウケンブルースリ
「ひ、卑屈だ 汗」



エアスピネル
「・・・・」


喫茶店マスター 二郎
「・・・・」



エアスピネル
「・・ありがとう・・」


喫茶店マスター 二郎
「・・・・」



エアスピネル
「ありがとう、二郎さん!なんだか迷いが吹っ切れた気がします!」


喫茶店マスター 二郎
「そうですか。だとしたら、それはあなた様がご自身でつかんだ「気づき」でございますね 微笑」



エアスピネル
「・・僕は、感情こそが自分自身だと錯覚していたのかもしれない・・。でも、感情が正解を与えてくれるわけではないんですね。きっと」


喫茶店マスター 二郎
「ふふっ。そうかもしれませんね 微笑」



オウケンブルースリ
「はっはっは。一件落着だな」


喫茶店マスター 二郎
「・・いちけん・・おちつく・・?」



オウケンブルースリ
「いっけんらくちゃくだっ!!怒 漢字の勉強しろや! 怒」


エアスピネル
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「おし。じゃあ帰ろうぜ。スピネル」


エアスピネル
「はい」



喫茶店マスター 二郎
「待ちたまえ 美声」


オウケンブルースリ
「何様だアンタ 汗」



喫茶店マスター 二郎
「・・・最後に私から、スピネル様へ、激励の『川柳』を贈りますです! 喜」


エアスピネル
「いや、いいです」


喫茶店マスター 二郎
「ブッ! 吹」



エアスピネル
「う、うわっ!汗 吹き出さないでください!ヨダレがっ! 汗」


喫茶店マスター 二郎
「激励の川柳を贈りますです。さあ遠慮なさらず」


エアスピネル
「うっ・・。聞かないと帰れないのか?・・ 汗」



喫茶店マスター 二郎
「575でバシッと決めます。・・・行きますですよ!!」


エアスピネル
「・・・・」



『稀に見る
最強世代の
名馬たち

中でもスピネル
最高ね

栗毛の尻尾を
なびかせて

今日も走るよ
エアの服

マイラーなんて
言わせない

王道路線に
挑戦じゃい

神戸はオレだ
サトノじゃない

秋は・・』



エアスピネル
「・・オ、オウケンさん。コレ、一生続くんですかね 汗」


オウケンブルースリ
「な、なにが575でバシッと決めますだ 汗 地獄のエンドレス川柳じゃねえか 汗」



エアスピネル
「・・奴は、気持ちよさそうに目を閉じて川柳を読んでいます。今のうちに、こっそり帰りましょう。コソコソ 逃」


オウケンブルースリ
「・・そ、そうだな コソコソ 逃」



喫茶店マスター 二郎
「・・いつも前にはあの3頭。マカにサトノにマジェスティ。秋は逆転、心に誓い、夢のGI手を伸ばす。春はあけぼの、夏は夜。秋はスピネル、冬は何?知らんがとにかく頑張るぞ。ユタカと歩む、菊路線・・ 目閉」



  - つづく –



※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。

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