セントライト記念2016~ ゼーヴィント『結果だけを求める者は、結果から遠ざかる』


◆セントライト記念2016


【ゼーヴィント】

○Seewind
○牡3
○父 ディープインパクト
○馬名の意味⇒ 潮風

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◆結果だけを求める者は、結果から遠ざかる



≪キャバクラにて≫



  カランコロ~ン



オウケンブルースリ
「うわ~い!レナたん~。久しぶり~。会いたかったよ~! 泣」


No.1キャバ嬢レナ
「うふ♪いらっしゃいませ♪オウケンたん♪」



オウケンブルースリ
「しばらく会えてなかったから、ボクたん、寂しかったでちゅ… 落」


No.1キャバ嬢レナ
「うふ♪じゃあ今日は、ゆっくりしていってね♪ 膝手」



オウケンブルースリ
「・・・・ 見」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・ 瞳濡」



オウケンブルースリ
「・・・ハ、ハァハァ!やっぱりレナたん最高!かわいいよ!チューしていい?ねえねえ!んー! 唇尖」


No.1キャバ嬢レナ
「ダーメ♪当店は、チュー禁止だじょ♪うふ♪ 指止」



オウケンブルースリ
「ちぇー。じゃあさ、フルーツ盛り合わせを、口移しで食べさせてー。あーん 口開」


No.1キャバ嬢レナ
「ム、ムリムリ~汗 口移しも禁止だじょー 汗」



オウケンブルースリ
「えー。じゃあさー、オレの太ももに挟んだバナナを、レナたんが食べ・・」


No.1キャバ嬢レナ
「マジムリ 真顔」


オウケンブルースリ
「ブッ! 吹」



黒服のグラサン男
「・・お客様。ゲスいセクハラは強制退場となりますので 睨」


オウケンブルースリ
「す、すんまそん 汗」



No.1キャバ嬢レナ
「ねえ、オウケンたん。今週は、菊花賞トライアルなんでしょう?」


オウケンブルースリ
「ああ。今週は、関東のセントライト記念だな」



No.1キャバ嬢レナ
「へー。今年の注目は、どのお馬さんなのぉ?」


オウケンブルースリ
「今年はやっぱり、史上最強世代と言われるダービーで1番人気に支持された、ディーマジェスティが断然だな」


No.1キャバ嬢レナ
「ふーん。じゃあレナ、ディーたんの応援馬券、買おうかなっ♪」



   ガチャ



ゼーヴィント
「ちょっと待つんだゼー!」


オウケンブルースリ
「ん?」



ゼーヴィント
「オウケンさん、話は聞かせてもらいました 座」


オウケンブルースリ
「勝手に座るな 汗」



ゼーヴィント
「・・ディーたんの応援馬券を買うだぁ?」


No.1キャバ嬢レナ
「う、うん 汗」



ゼーヴィント
「やめとけ女。ディーマジェスティは、どうせ断然の1番人気だから、期待値が低いゼー」


No.1キャバ嬢レナ
「で、でも、当たれば嬉しいしー 汗」



ゼーヴィント
「バカかお前は。馬券というのは、当てに行けば行くほど長期的にはお金が減っていくと、いつもゴッホさんが言ってるゼー」


No.1キャバ嬢レナ
「知らないしー 汗」



ゼーヴィント
「そこで今回、お買い得なのは、俺。ディーより、ゼー。」


No.1キャバ嬢レナ
「・・うーん。レナはやっぱり、ディーたんにしよーっと」



ゼーヴィント
「こ、このクソアマーー!!怒」


No.1キャバ嬢レナ
「キャー!怖いー 汗」



   ゴキンッ!



ゼーヴィント
「ぐほぁぁーー!!泣」


オウケンブルースリ
「・・オレのレナたんに何すんだバカ 鈍器」



ゼーヴィント
「ど、鈍器のようなもので殴らないでください 頭痛」


オウケンブルースリ
「つーか、ゼーヴィントよ。セントライト記念のデータを見ろ」



■セントライト記念データ


【前走ダービー】
単勝回収率 161%
複勝回収率 118%


【前走ラジニケ】
単勝回収率 40%
複勝回収率 37%



オウケンブルースリ
「はい。歴然。オレもディーたんにしよーっとw」


ゼーヴィント
「くっ・・」



オウケンブルースリ
「まあよ、お前も今後、レナたんに応援してもらえるように、頑張れよw」


ゼーヴィント
「・・フン。俺はこういう、男の欲望を煽って金儲けしようとする女は嫌いなんですよ 睨」


No.1キャバ嬢レナ
「うー・・。ごみん 落」



オウケンブルースリ
「はっはっは。まあよ、お前もレナたんと少し話せば、心を奪われるかもしれないぜ?」


ゼーヴィント
「100% あり得ません。いや、500%ないです。こういう女は嫌いなんで」


オウケンブルースリ
「ふーん」



ゼーヴィント
「それはそうとオウケンさん。もしかしたら俺、ディーマジェスティを食っちまうかもしれませんよ?」


オウケンブルースリ
「ほう。根拠はよ?」



ゼーヴィント
「ふっふっふ。鞍上ですよ」


オウケンブルースリ
「ほほう」



ゼーヴィント
「そう!ミルコ&ルメールがJRA所属になっても関係ねぇゼー!今年もリーディング独走中!・・戸崎圭太だゼー! 燃」


オウケンブルースリ
「なるほどな」



ゼーヴィント
「しかも!」


オウケンブルースリ
「ん?」



ゼーヴィント
「しかもー!!」


オウケンブルースリ
「早く言え 汗」



ゼーヴィント
「戸崎圭太!夏競馬から、なんとここまで、重賞レース9連続連対中!!なんじゃこりゃぁーー!! 手血」


オウケンブルースリ
「なんで血でんのよ 汗」



ゼーヴィント
「しーかもー!!」


オウケンブルースリ
「そのブリッジいらん 汗」



ゼーヴィント
「戸崎圭太が、重賞レース連続連対をスタートさせたのは、何を隠そう、俺のラジニケからだったのですっ! 喜」


オウケンブルースリ
「へー」



ゼーヴィント
「俺たちのコンビから、すべては始まった!・・出~逢えた~こと~から~全ては始まった~♪」


オウケンブルースリ
「歌うな 汗」



ゼーヴィント
「ゼーヴィントから始まり、ゼーヴィントで 10連続連対!!そんなんどーすか!ねえ、どうですかーお客さーん!! 顎出」


オウケンブルースリ
「アゴやめろ 汗」



ゼーヴィント
「・・まぁ確かに、春の実績では、ディーマジェスティの足元にも及ばない。でも!騎手の勢いと、しゃべ馬パワーがあるゼー! 燃」


オウケンブルースリ
「しゃべ馬にそんなパワーないだろ 汗」



ゼーヴィント
「皐月賞馬に食らいつくゼー!できれば3馬身以内に! 燃」


オウケンブルースリ
「勝つ気ねえじゃんか 汗」



ゼーヴィント
「うおおー!がんばるゼー! 燃」


オウケンブルースリ
「はっはっは。まあ頑張れよ。あ、レナたん。オレちょっとトイレね」



   バタン



No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「・・ゼーたん、水割りおかわりする?」


ゼーヴィント
「・・ああ。もらうか」



No.1キャバ嬢レナ
「・・・・ 氷入」


ゼーヴィント
「・・・・ 横向」



No.1キャバ嬢レナ
「・・怖いんでしょ」


ゼーヴィント
「あ?」



No.1キャバ嬢レナ
「・・最強世代のダービーで1番人気だった馬が相手なんて、怖いよね 酒入」


ゼーヴィント
「うるせえ。黙れ、キャバ女が。」



No.1キャバ嬢レナ
「さっきから、大きな声で自分を鼓舞してる。弱い心に飲み込まれないように」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「・・はい。水割りどうぞ♪」


ゼーヴィント
「・・・・」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「・・結果を出して、金稼がなきゃいけないからな」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「この世界は、結果を出さなきゃ生き残れない。結果がすべて。金がすべてだゼー」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「だから、相手がダービー1番人気でも、やるしかない。なんとか結果を出して、賞金を稼ぎたい」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「まぁ、お前みたいに、女を武器にラクして金儲けしてる奴には、わからねぇと思うがな」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「・・レナはね。順番を逆に考えてるんだ」


ゼーヴィント
「あ?」



No.1キャバ嬢レナ
「・・レナも、これがお仕事である以上、お金は稼がなきゃいけない。結果を出さなきゃいけない」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「でも、レナはそれよりも先に、いつも心に刻んでいることがあるの」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「それは、ありきたりだけど、お客さんに『ありがとう』って、思ってもらえるような自分であること」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「・・どんな世界でも、結果を出してお金を稼ぐことが目的になってしまいがちだけど、お金が先にありきだと、短期的にはうまくいっても、長く続かないと思うんだ」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「それに、結果やお金ばかりにフォーカスしても、やってる自分が楽しくないし」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「一期一会の人生の中で、奇跡的な確率でレナと袖振り合った人たちには、『この子と出会えてよかったな』って、ほんの少しでもいいから、感じてほしい」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「そう思ってもらうためには、レナ自身が、しっかりとした目的意識を持って、日々を生きていかなきゃいけない」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「自分を磨き続けて、それによって縁があった人たちに、わずかでも喜びや価値をプレゼントし続けることができたなら、必然的に、お金は後からついてくるはず。レナはそう思ってるの」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「ゼーたん 手触」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「・・結果だけを求めないで」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「結果は自分で選べない。自分で選べるのは、日々の行動と、自分が接する人への配慮の気持ちだけ」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「競馬の世界は結果がすべてかもしれないけど、それよりも、『一緒に戦えてよかった。ありがとう』・・って、周囲の人に思ってもらえるような、ゼーたんの生き様を、見せていくことが大事だと思うんだ」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「それは結果よりも大事だと思うし、そんな生き方ができる人は、きっと自分でも納得のいく結果を残せると思う」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「そのほうが楽しいよ」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「ね? 首傾」


ゼーヴィント
「・・・・」



No.1キャバ嬢レナ
「・・ごめん・・。私バカだから、うまく言えなくて・・ 落」


ゼーヴィント
「・・・・」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・ 落」



ゼーヴィント
「・・フー」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「参った参った。アンタはスゲー女だな 苦笑」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「・・結果だけを求めるな・・か」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「確かにその通りだゼー。俺は、金や結果ばかりに心を奪われ、日々の地道な行動や、周囲の人への配慮が足りていなかったのかもしれないゼー」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「・・わかった。これからは、金や結果だけを求めるのではなく、結果が出るような行動と、周囲の人達への配慮を忘れずに、頑張っていくゼー」


No.1キャバ嬢レナ
「うん 微笑」



ゼーヴィント
「・・・・」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「・・No.1・・か」


No.1キャバ嬢レナ
「ん?」



ゼーヴィント
「いや・・どんな世界でも、No.1になる奴ってのは、やっぱスゲーんだな… ボソッ」


No.1キャバ嬢レナ
「なあに? 首傾」



ゼーヴィント
「いや、こっちの話だ」


No.1キャバ嬢レナ
「ふーん」



ゼーヴィント
「・・それより、アンタにひとつ謝らなきゃいけないことがある」


No.1キャバ嬢レナ
「ん?」



ゼーヴィント
「・・男の欲望を煽って金儲けしようとする女は嫌いだ、と・・」


No.1キャバ嬢レナ
「うん 苦笑」



ゼーヴィント
「ヒドイことを言って、すまなかった」


No.1キャバ嬢レナ
「ううん 首振」



ゼーヴィント
「・・許してくれるか?」


No.1キャバ嬢レナ
「もちろん 微笑」



ゼーヴィント
「・・・・」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「・・じゃあ・・」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「・・好きになってもいいか? 照」


No.1キャバ嬢レナ
「・・ダメ」



ゼーヴィント
「もう止まらない」


No.1キャバ嬢レナ
「だーめ 微笑」



ゼーヴィント
「抱きしめてもいいか?」


No.1キャバ嬢レナ
「だめ。当店は、抱きしめるのは禁止だじょ♪ 微笑」



ゼーヴィント
「だったら・・」


No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」



ゼーヴィント
「・・また会いにきてもいいか?」


No.1キャバ嬢レナ
「うん。また会いたいよ…」



ゼーヴィント
「今週のレースで、いい走りができたら、必ず来る」


No.1キャバ嬢レナ
「いい走りができなかったら、慰めてあげる♪だから来て 微笑」



ゼーヴィント
「はっは。さすが No.1だな」


No.1キャバ嬢レナ
「えへ♪」


ゼーヴィント
「フッ」



遠くから見てたオウケン
「・・・ふむ。やはり落ちたか、ゼーたんよ。さすがレナたん、恐るべし」



  - つづく –



※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。

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