函館記念2016~ バイガエシ『心はコントロールしないと、どんどん怒りっぽくなり不幸になっていく』
◆函館記念2016
【バイガエシ】
○Baigaeshi
○牡4
○父ジャングルポケット
○馬名の由来⇒ 倍返し
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◆心はコントロールしないと、どんどん怒りっぽくなり不幸になっていく
≪焼き鳥シゲにて≫
オウケンブルースリ
「今週は、歴史あるハンデ戦、函館記念か。夏競馬も真っ盛りって感じだね、シゲさん」
焼き鳥屋 店主シゲ
「夏には夏の風情がありますねえ。ところてんサラダおまち」
オウケンブルースリ
「今年も前走、巴賞組が大量にいるな。やっぱりこの中から選ぶのが無難だろうな。ブツブツ」
ガラガラッ
焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」
バイガエシ
「ちょっと待つべさ」
オウケンブルースリ
「は?」
バイガエシ
「前走 巴賞?そんなベタな馬券買ってたら、ダメっしょ」
オウケンブルースリ
「お、おまえは誰よ? 汗」
バイガエシ
「どうも。前走、函館2000mの1000万条件を5馬身差で圧勝した、倍返しこと、バイガエシです」
オウケンブルースリ
「いや、どっちも倍返しだろ 汗」
バイガエシ
「函館記念は、この上がり馬、バイガエシが頂くべさ」
オウケンブルースリ
「なんで、なまってんのよ 汗」
バイガエシ
「フッ。オーナーは函館競馬場のすぐ近くに住んでるべさ」
オウケンブルースリ
「そ、そうか 汗」
バイガエシ
「ここは恩返しのチャンスだべさ!」
オウケンブルースリ
「だな」
バイガエシ
「なまら恩返しするっしょ! 燃」
オウケンブルースリ
「お、おう 汗」
バイガエシ
「バイガエシだっ! 燃」
オウケンブルースリ
「頑張れよ 汗」
バイガエシ
「やられたら、やり返す! 燃」
オウケンブルースリ
「別に、やられてねえじゃんか 汗」
バイガエシ
「函館記念は、ジャングルポケット産駒が、過去10年で2勝してるっしょ!」
オウケンブルースリ
「・・まあ、エアソミュールが1番人気で2年連続惨敗してるけどな ボソッ」
バイガエシ
「昨年の覇者、ダービーフィズもジャングルポケット産駒だったっしょ!」
オウケンブルースリ
「・・じゃあ、ダービーフィズでいいだろ ボソッ」
焼き鳥屋 店主シゲ
「つくね入り、あんかけ焼きそばおまち」
バイガエシ
「む!これは斬新なメニュー。いただきます。・・モグモグ」
オウケンブルースリ
「・・・・」
バイガエシ
「・・うまいっしょ! 喜」
オウケンブルースリ
「それが言いたいだけだろ 汗」
バイガエシ
「先週の七夕賞。データ通り、関西馬のワンツーだったっしょ?」
オウケンブルースリ
「ああ。そうだっけ」
バイガエシ
「函館記念も、関西馬が強いっしょ!」
オウケンブルースリ
「ふーん」
バイガエシ
「人気が予想される、レッドレイヴンとマイネルミラノは関東馬。・・プッw」
オウケンブルースリ
「天誅だな 汗」
バイガエシ
「ボクね。ただの上がり馬だと思われてるけど、去年の神戸新聞杯では、リアファルやリアルスティール相手に食らいつき、4着だべさ」
オウケンブルースリ
「ほう」
バイガエシ
「あの時は、奴らに完敗したけど、努力して、いつか奴らにバイガエシするのが目標っしょ」
オウケンブルースリ
「ふむ」
バイガエシ
「そのためにも、まずは今週の函館記念。勝つべさ!」
オウケンブルースリ
「・・でもよお。函館記念は、過去1995年まで遡っても、前走で条件戦組は、ジョービッグバン1頭しか勝ってないぜ?」
バイガエシ
「『ジョービッグバンの歓喜』、再び! 燃」
オウケンブルースリ
「なにそのネーミング 汗 ジョホールバルの歓喜みたいに言うな 汗」
バイガエシ
「『ジョービッグバンの悲劇』でも可」
オウケンブルースリ
「ドーハの悲劇みたいに言うな 汗 どこが可なんだよ 汗」
バイガエシ
「くっそー!前走、条件戦でもいいっしょやー! 汗」
オウケンブルースリ
「いいけど、データ的には不利っつーかさ」
バイガエシ
「何がデータだ!ボクはデータなんか一切信じない! 怒」
オウケンブルースリ
「さっき、関西馬がどーたら言ってただろ 汗」
バイガエシ
「揚げ足取り!ムカーー! 怒」
オウケンブルースリ
「お、怒るなって 汗」
バイガエシ
「もう腹立った!オウケンさん!今日は、朝までディスカッションするっしょ! 怒」
オウケンブルースリ
「いや、もう帰るけど 汗」
バイガエシ
「帰すかぁー!コラァー! グビグビ 飲」
オウケンブルースリ
「酒癖悪いな 汗」
バイガエシ
「この腹立たしい気持ちを、スッキリさせるまで、帰さん! 怒」
オウケンブルースリ
「知るか 汗」
バイガエシ
「うおおおーー!!怒りのパワーが満ち満ちているっしょーー!!怒怒」
オウケンブルースリ
「・・・・汗」
バイガエシ
「なんか世の中すべてに腹が立ってきたっしょ!!怒 なんだこの世の中は!環境が悪い!政治が悪い!ボクの周囲にいる人々が、みんな悪いっ!!怒怒」
オウケンブルースリ
「シゲさん。よろぴく 汗」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
バイガエシ
「うおおーー!!シゲさんっ!アンタはなんでいつも、そんなに冷静なんすか!腹立つな!バイガエシだっ! 怒」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
バイガエシ
「ぬおおーー!!怒りのパワーが止まらない!!シゲさんコラー!!怒」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・ジョービッグバンさんな」
バイガエシ
「なんすか! 怒」
オウケンブルースリ
「ジョービッグバンじゃねえし 汗 おまえも返事すんな 汗」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・怒りの感情を野放しにするな」
バイガエシ
「はぁっ?! 怒」
焼き鳥屋 店主シゲ
「人間は放っておくと、怒りの感情を自分の中でどんどん増幅させるようにできている」
バイガエシ
「ああっ?! 怒」
焼き鳥屋 店主シゲ
「だから、日ごろから何も考えず、自分のメンタルコントロールを意識していない者ほど、怒りっぽくなる」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「腹が立たない人間はいねえ。どんな人格者も、生きている以上、必ず、心が乱れる瞬間がある」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「そこで発生した怒りの感情を、放し飼いにして増幅するのか?それとも、自己コントロールによって、できる限り速やかに、元のフラットな感情に戻すのか?・・・そこが人生の分かれ道だ」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「怒りの快感に支配され、自分の中で怒りを増幅させてしまう者は、不幸になる。このような例は歴史をさかのぼれば、枚挙にいとまがない」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「逆に、誰もがブチ切れるであろう状況でも、自己の感情を律し、怒りをコントロールできたからこそ成功できた人々の例も、多々ある」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・アンタはさっき、俺の事を、冷静なヒゲ野郎と言ったが、俺だってあの一瞬、心が乱れたんだぜ」
バイガエシ
「・・・・」
オウケンブルースリ
「冷静なヒゲ野郎とは言ってないだろ ボソッ」
焼き鳥屋 店主シゲ
「さっきの瞬間、アンタには俺が冷静なヒゲ野郎に見えたかもしれねえが、俺がもし、怒りに任せて負の感情を増幅させていたら、アンタをボコボコにして、東京湾に沈めていたかもしれねえ」
バイガエシ
「・・・・」
オウケンブルースリ
「それはやり過ぎ 汗 シゲさんが一番ヤベー奴だな 汗」
焼き鳥屋 店主シゲ
「俺はただ、心が乱れた瞬間にそれを察知して、フラットに戻しただけだ。日ごろからトレーニングしていれば、できるようになる。周りから見れば、それが冷静に見えるだけだ」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「バイガエシさんな」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「腹が立ったときは、それ以上、その怒りの感情を膨らませちゃならねえ」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「カチンとくると、脳にピリッと快感の信号が走るが、偽りの快感に流されるな」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「怒りの快感に支配されれば不幸になる。恨みを倍返しにしても、双方にデメリットしか生まれねえ。自分の安い怒りは、世の中にとっても、自分自身にとっても、害にしかならねえ」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「弱き者には困難な道だが、アンタならできる。俺は見込みのある奴にしか言わねえ」
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「な。」
バイガエシ
「はい・・ 涙」
焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ。すまねえ。偉そうに言っちまって」
バイガエシ
「・・いえ・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
バイガエシ
「・・なまら心に響いたっしょ・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「そうかい」
バイガエシ
「・・確かにボクは、自分の感情をコントロールできず、怒りの快感に流されていただけだったのかもしれない・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
バイガエシ
「・・ありがとうございます、シゲさん。心が軽くなりました。函館記念、全力で頑張ってくるっしょ! 燃」
焼き鳥屋 店主シゲ
「おう。応援馬券、買っとくぜ」
バイガエシ
「なまら頑張るべさ!」
オウケンブルースリ
「はっはっは。一件落着だな。まあよ、怒りの倍返しってやつは、文学の世界ではよくても、現実世界では、デメリットしか生まないのかもしれないな」
バイガエシ
「はい!以後、気をつけるべさ!」
オウケンブルースリ
「じゃあ俺は帰るぜ。レース頑張れよ」
カタン
バイガエシ
「ん?何か落としましたよ、オウケンさん。・・DVD?」
オウケンブルースリ
「ああ。拾ってもらっちゃってスマンな。・・はうっ!!汗汗」
⇒『【大人のDVD】桃色の半沢直樹~ いやん♪もう怒ったぞ♪気持ちよくされちゃったから、お返ししちゃうぞ♪ヤラれたらヤリ返す♪倍返しだっ♪』
バイガエシ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」
オウケンブルースリ
「ち、違うんだ!汗 こ、これには深いワケがっ! 汗汗」
バイガエシ
「オウケンさん・・」
オウケンブルースリ
「違うんだ!聞いてくれ! 汗」
バイガエシ
「・・この・・」
オウケンブルースリ
「ん?」
バイガエシ
「このDVD貸してほしいっしょ!なまら見たいっしょ! 立」
オウケンブルースリ
「は? 汗」
バイガエシ
「今度、倍返しで2枚貸すから!!」
オウケンブルースリ
「ほう」
バイガエシ
「バイガエシだっ!!」
オウケンブルースリ
「・・3枚でどうよ? ニヤリ」
バイガエシ
「わかった!サンバイガエシだっ!!!」
オウケンブルースリ
「おし。取引成立。3倍返しな ニヤリ」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」
- つづく –
※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。