宝塚記念2016~ ドゥラメンテ『他者の目を気にすればするほど不幸になる』


◆宝塚記念2016


【ドゥラメンテ】

○Duramente
○牡4
○父キングカメハメハ
○馬名 意味⇒ 荒々しく

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◆他者の目を気にすればするほど不幸になる



≪焼き鳥シゲにて≫



オウケンブルースリ
「いよいよ、春のグランプリ宝塚記念だね、シゲさん」


焼き鳥屋 店主シゲ
「そうですねえ」



オウケンブルースリ
「えーと、今年のファン投票の結果は…」



1位 キタサンブラック
2位 ラブリーデイ
3位 ショウナンパンドラ
4位 ゴールドアクター
5位 ミッキークイーン



オウケンブルースリ
「ふむ。GIホースが上位に並ぶか…」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ほうれん草のアヒージョおまち」



オウケンブルースリ
「ファン投票では、サブちゃんがぶっちぎりの1位。まあ、メディアへの露出も多いし、話題性抜群だから当然か」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ほうれん草のカルパッチョおまち」



オウケンブルースリ
「ファン投票と能力は別物だけど、まぁこのへんが中心のレースになるのかな。と言いつつ、3~5位は出ないような気もするが ブツブツ」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ほうれん草のニラレバ炒めおまち」



オウケンブルースリ
「ほ、ほうれん草が多いわっ!汗 どんだけ夏野菜を推すんだよっ!汗 ほうれん草とニラの色合いが、かぶってるしっ! 汗」



  ガラガラッ



焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」


ドゥラメンテ
「・・・(ドゥラ~ン 落)」



オウケンブルースリ
「ん?おまえは・・」


ドゥラメンテ
「・・・・ 落」



オウケンブルースリ
「・・・だ、誰だっけ? 汗」


ドゥラメンテ
「・・・・ 落落」



オウケンブルースリ
「あ!思い出した!おまえは、皐月賞とダービーの2冠を圧倒的な能力で制した、現役最強馬ドゥラメンテじゃねえか」


ドゥラメンテ
「げ、現役・・最強馬・・ 涙」


オウケンブルースリ
「え? 汗」



ドゥラメンテ
「・・う、うおぉぉーー!!泣 まだ現役最強馬と言ってくれる人がいドゥラー!うおぉぉーー!!号泣」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



ドゥラメンテ
「オウケンさんっ!俺のこと、見えてるっすかー! 号泣」


オウケンブルースリ
「み、見えてるって何? 汗」



ドゥラメンテ
「俺は透明人間になって、みんなから見えていないのかと! 泣」


オウケンブルースリ
「な、なにそれ 汗」



ドゥラメンテ
「なんじゃあ!こりゃぁぁーー!!バサッ! 投紙」


オウケンブルースリ
「ん?」



■ドゥラメンテ
 宝塚記念 ファン投票
 ・・【6位】



ドゥラメンテ
「うおぉぉーー!! 号泣」


オウケンブルースリ
「ろ、6位だったのか 汗」



ドゥラメンテ
「・・・(ドゥラ~ン 落)」


オウケンブルースリ
「そ、それは、(どよ~ん 落)・・ってことか? 汗」



ドゥラメンテ
「ああ・・。オレは生涯で一度も連対を外したことがない。圧巻のパフォーマンスでの2冠達成。・・しかし、脚がスピードに耐えられず、両足骨折・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」



ドゥラメンテ
「骨折明けの中山記念を、力任せに押し切り、劇的な復活・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」



ドゥラメンテ
「そして前走。ドバイシーマクラシックは、スタート前になんと落鉄!オレはテンパってしまい、なかなか蹄鉄が入らない!しょーがないから、靴をはかずにスタート!ドバイでまさかの、はだしのゲン発動! 泣」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



ドゥラメンテ
「世界最強のポストポンド相手に、はだしで真っ向勝負するオレ! 泣」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



ドゥラメンテ
「はだしのゲンだったから、ポストポンドには2馬身離されたが、ラストインパクト・ワンアンドオンリーには完勝!はだしのままでだ!」


オウケンブルースリ
「むう」



ドゥラメンテ
「血統的にも、母アドマイヤグルーヴ!おばあちゃんエアグルーヴ!!日本屈指の超スーパー良血馬!!」


オウケンブルースリ
「うん」



ドゥラメンテ
「・・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」



ドゥラメンテ
「・・・なんで6位じゃあぁぁーー!!うおぉぉーー!!号泣」


オウケンブルースリ
「お、落ち着け! 汗」



ドゥラメンテ
「・・人気なさすぎじゃぁぁーー!!コンチクショー!ブンブン 鈍器」


オウケンブルースリ
「う、うわっ!危ないっ!何を振り回してんだっ! 汗」



ドゥラメンテ
「・・鈍器のようなものを振り回しました。ここにあったんで」


オウケンブルースリ
「先週の、レッツゴードンキの忘れ物か 汗」



ドゥラメンテ
「はぁー。なんか最初、ファン投票システムのエラーがあったようだけど、後半も特に票が伸びたわけではなかったから、それも言い訳にならないドゥラ・・ 落」


オウケンブルースリ
「うーん」



ドゥラメンテ
「ファンに見捨てられた、孤高のカリスマ・・か。フッ 涙」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



ドゥラメンテ
「みんな、現役最強馬のドゥラメンテなら、ドバイシーマクラシックも楽勝だと思っていた分、ガッカリしたんだろう・・ 落」


オウケンブルースリ
「うーん」



ドゥラメンテ
「主戦が外国人で、バリバリの社台の良血馬っていうのも、日本人の心を掴みにくいのかもしれない・・ 落」


オウケンブルースリ
「むう」



ドゥラメンテ
「アンチドゥラメンテの人々は、6位という結果を見て、きっとニヤニヤ笑っているんだろう・・ 落」


オウケンブルースリ
「そんなことないって 汗」



ドゥラメンテ
「親戚の集まりでも、ほとんど会ったこともないような叔父さんに、『お前はもっと頑張らんといかんなー』・・とか言われているようで、気まずいっす 落」


オウケンブルースリ
「親戚の集まりって何よ 汗」



ドゥラメンテ
「街を歩いていても、『あれが現役最強馬のドゥラメンテ?ドバイでは弱かったよね~』・・というヒソヒソ声が聞こえてくるようで、汗が止まらない…」


オウケンブルースリ
「大変だな 汗」



ドゥラメンテ
「最近はなんだか、いつもどこかで誰かに悪口を言われているようで、心が窮屈っす・・ 落」


オウケンブルースリ
「むー」



ドゥラメンテ
「宝塚記念も、もし負けたら、またみんなに失笑されるんドゥラーな・・ 落」


オウケンブルースリ
「されないって」



ドゥラメンテ
「宝塚記念のパドックや返し馬でも、そんな好奇の目にさらされることが怖くて・・」


オウケンブルースリ
「ぬー」



ドゥラメンテ
「はぁー・・。ねえ、シゲさん。良くも悪くも、注目されてしまうオレは、不利だと思いませんか? 落」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」


ドゥラメンテ
「・・・・ 落」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・自縄自縛だな」


ドゥラメンテ
「え?」



焼き鳥屋 店主シゲ
「アンタを苦しめているのは、他の誰でもない、アンタ自身だ」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「誰もアンタのことを笑ってなどいねえ。アンタは自らの鎖で、自らを縛りつけ、勝手に不自由になっているだけだ」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「事実は、『ドゥラメンテのファン投票は6位』・・それだけだ」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「それだけの事実に、『街ゆく人の失笑』とか『親戚のおじさんの冷たい視線』とか『パドックでの好奇の目』などの妄想ストーリーを、自分の中で勝手に作り出し、勝手に苦しんでいる」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「プライドと自意識が強化されすぎた者ほど、他者の目を過度に意識し、架空の妄想に苦悩することになる」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「誰もそんなこと思っちゃいねえ。もし仮に、皆がそう思っていたとしても、それはアンタの人生には、一切関係はねえ」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「他者が自分に対して、『現段階で』どう思っていたとしても、自分の人生には全く関係ねえ」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「自分は自分の理念に基づいて、その日やるべきことを淡々とやり続けるだけだ。そんな自分を、他者がどう思うかは、一切気にする必要ねえぜ。他者の評価など、その時々でコロコロ変わるしな」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「大切なのは、『自分の理念』だ。自分自身の中に確固たる理念なき者は、他者からの評価に依存せざるを得なくなるからな」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「だからもし今、『自分は他人の目を気にしている!苦しい!』・・と感じるなら、それは自分の心に、軸となる理念がないということなのかもしれねえな」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「人間は弱い。人に褒められれば嬉しくなっちまうし、人にけなされれば悲しくなっちまう」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「だが、他者からの評価が人生のすべてならば、自分の人生は、他者に支配されていることになっちまう」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「人の目を恐れるな」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「他人の目は無視して、自分の理念を貫き続ける。毎日、やるべき行動を積み重ねる」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「意識を他者に置くな。他人の目を気にすれば不幸になる。今日、自分がやるべきことだけに集中しろ」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「弱き者には困難な道だが、アンタならできる。俺は見込みのある奴にしか言わねえ」


ドゥラメンテ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「な。」


ドゥラメンテ
「はい・・ 涙」



焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ。すまねえ。偉そうに言っちまって」


ドゥラメンテ
「・・いえ・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



ドゥラメンテ
「・・心に響きまドゥラ・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「そうかい」



ドゥラメンテ
「・・確かにオレは、自分の芯がなかったが故に、自意識過剰になりすぎて、他者の目に支配されていたのかもしれない・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



ドゥラメンテ
「・・ありがとうございます、シゲさん。心が軽くなりました。宝塚記念、全力で頑張ってきドゥラ! 燃」


焼き鳥屋 店主シゲ
「おう。応援馬券、買っとくぜ」


ドゥラメンテ
「オス!」



オウケンブルースリ
「はっはっは。一件落着だな。まあよ、自縄自縛の鎖で、自分自身をがんじがらめに縛っちまうのは苦しいからな。そんな時は、自分のやるべきことだけに集中していくのがいいのかもしれないな」


ドゥラメンテ
「わかりまドゥラ!」


オウケンブルースリ
「じゃあ俺は帰るぜ。レース頑張れよ」



   カタン



ドゥラメンテ
「ん?何か落としましたよ、オウケンさん。・・DVD?」


オウケンブルースリ
「ああ。拾ってもらっちゃってスマンな。・・はうっ!!汗汗」



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ドゥラメンテ
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだ!汗 こ、これには深いワケがっ! 汗汗」


ドゥラメンテ
「・・シゲさん。宝塚記念がんばってきます。応援しててくだドゥラ。シゲさん『だけが』応援しててくだドゥーラ。じゃ。さいなら」


焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだぁぁーー!!汗汗」



  - つづく –



※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。

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