ダービー2016~ リオンディーズ『失敗してすべてを失っても、闘争心が残っていれば必ず再起できる』



◆ダービー2016


【リオンディーズ】

○Leontes
○牡3
○父キングカメハメハ
○馬名 意味⇒ シェイクスピア「冬物語」に登場する王の名

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◆失敗してすべてを失っても、闘争心が残っていれば必ず再起できる



≪喫茶店にて≫



ショウナンマイティ
「オレたちは、チーム殿一気(しんがりいっき)」


ウインバリアシオン
「おう。『チーム殿一気』は、あえて確率的に一番不利な、”追い込み”で勝負する」



ショウナンマイティ
「先行策なんざ、力なき者の小細工にすぎねえ」


ウインバリアシオン
「おうよ。あえて困難な道をゆくのが男の美学」



ショウナンマイティ
「ウサイン・ボルトは、距離が 100mしかなくても追い込む」


ウインバリアシオン
「おう。奴もまた、男の中の男」



ショウナンマイティ
「男は黙ってシンガリ一気」


ウインバリアシオン
「そう。俺たちは!」


二人
『チーム殿一気!!』



ショウナンマイティ
「・・『チーム殿一気』は、極悪愚連隊」


ウインバリアシオン
「おうよ。泣く子も黙り、吠えるドーベルマンも、おなかを見せる愚連隊」



ショウナンマイティ
「男の中の男。それが『チーム殿一気』」


ウインバリアシオン
「おうよ。男らしさだけが、チームのアイデンティティ」



ショウナンマイティ
「・・『チーム殿一気』は、喫茶店でスポーツ新聞を他の客にとられていた時、その客のテーブルで隣に座り、一緒にスポーツ新聞を読む 隣座」


ウインバリアシオン
「おうよ。傍若無人は勇気のしるし 隣座」



「な、なんですか? 汗」



ウインバリアシオン
「おう。スポーツ新聞の競馬欄、一緒に読もうや」



「え?いや、あのー 汗 すみませんっ。店員さんっ 汗」



ウェイトレス翔子
「・・あ、あの・・申し訳ございませんが・・他のお客さまのご迷惑となりますので・・そのお客様が読み終わった後で・・ 震」


ウインバリアシオン
「あぁっ?! 睨」


ウェイトレス翔子
「ひぃっ!! 汗」



ウインバリアシオン
「・・ねぇちゃんよぉ・・」


ウェイトレス翔子
「は、はい・・ 震」



ウインバリアシオン
「・・・・ 睨」


ウェイトレス翔子
「・・・・ 震」



ウインバリアシオン
「・・スマン。自分のテーブルに戻る」


ウェイトレス翔子
「え?」



ショウナンマイティ
「チーム殿一気は、男の中の男。・・男は、自分が間違っていると気づいたら潔く謝り、新しい価値観を受け入れる」


ウインバリアシオン
「おう。安いプライドにしがみつき、自分の考えに固執するのは小物の証」



ショウナンマイティ
「そう。俺たちは!」


二人
『チーム殿一気!!』


ウェイトレス翔子
「・・・素敵・・ 惚」



ウインバリアシオン
「おう。ねぇちゃん。熱々の激辛キムチグラタンはまだか?」


ウェイトレス翔子
「あ、はい。お持ちしました。こちら熱々の『激辛キムチグラタン』になります。グツグツ煮立っておりますので、フーフーしてお召し上がりください グツグツ」



ウインバリアシオン
「フン。チーム殿一気は、男の中の男。フーフーなんざ、女子供のやること」


ショウナンマイティ
「そう。どんなに熱くても、熱いとか言わないのが男の花道。間違っても言うなよ?熱いとか。絶対言うなよ?」



ウインバリアシオン
「あたりめえだ。誰にモノ言ってんだコノヤロウ。・・バクッ・・・。あぁっーちゃちゃちゃちゃーー!!辛れぇーー!!熱汗汗」


ショウナンマイティ
「フッ。ダチョウ倶楽部ばりのフリが、男の花道」


ウインバリアシオン
「そう。笑いのためなら、体の苦痛もなんのその。それが男の生きる道」



ショウナンマイティ
「そう。俺たちは!」


二人
『チーム殿一気!!』


ウェイトレス翔子
「・・・・汗」



ショウナンマイティ
「例えば、チーム殿一気が、コンビニで買い物した際に、おつり50円のところ、500円渡されたとき」


ウインバリアシオン
「おう。チーム殿一気は、当然、『ラッキー♪儲かった♪ネコババしちゃおー♪』・・なんて考えない」



ショウナンマイティ
「そう。そんな時、チーム殿一気は、500円もらうと同時に、5万円を店員に渡して、意気揚々と帰宅する」


ウインバリアシオン
「おう。時に意味不明なのが、男の心意気」



ショウナンマイティ
「そう。俺たちは!」


二人
『チーム殿一気!!』


ウェイトレス翔子
「・・・・汗」



ウインバリアシオン
「さあ。今日も、迷える子羊が現れたようだぜ」


ショウナンマイティ
「ああ。そのようだな」



≪隅っこの席にて≫



リオンディーズ
「・・・ダービー予想人気。上から、マカヒキ。サトノダイヤモンド。ディーマジェスティ・・。はっは。なんだこのザマは 苦笑」


ウインバリアシオン
「おう。兄ちゃん ドカッ 座」


ショウナンマイティ
「悩み事か? ドカッ 座」



リオンディーズ
「・・・なんだアンタら。カツアゲなら相手、間違ってんぞ 睨」


ショウナンマイティ
「フン。チーム殿一気は、男の中の男。カツアゲなど卑怯者のやること」



ウインバリアシオン
「おうよ。むしろ俺達が、お前のカツサンド代も払ってやる。伝票よこせ」


リオンディーズ
「・・・どういうつもりだ 睨」



ウインバリアシオン
「・・お前の事は、調査済みだ」


ショウナンマイティ
「・・リオンディーズ。2歳時の朝日杯フューチュリティステークス。最後方からの全馬ゴボウ抜き。まさに男の中の男スタイル」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「だが、ここ2戦は、中山コースを意識しすぎての強引な先行策が裏目。お前らしさが出ていない」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「今週のダービー。サラブレッドにとって一世一代の大舞台。しかもライバルは史上稀に見る最強世代。・・条件は揃った」


ショウナンマイティ
「そう。この最高の舞台で、殿一気」


ウインバリアシオン
「おう。追い込み勝負だ」



リオンディーズ
「・・・ふざけんな。なんでアンタらの指示に従わなきゃならねえんだ 睨」


ウインバリアシオン
「フッ。チーム殿一気の圧力を目の前にして、その不敵な態度。気に入った」


リオンディーズ
「うるせえよ」



ウインバリアシオン
「・・・・」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「・・・そういえば、お前の兄貴とは、よく道でメンチの切り合いになったな」


リオンディーズ
「兄さんと?」



ウインバリアシオン
「ああ。エピファネイア。奴は先行馬だったからな。追い込みの俺たちとは、よくぶつかったもんよ」


リオンディーズ
「兄さん・・」



ウインバリアシオン
「エピファネイアは、ダービー2着だったな。フン。勝たなきゃ意味がねえ。GIは、2着じゃ意味ねえんだぜ」


リオンディーズ
「くっ・・。兄さんを冒涜するなら許さねぇ 怒」



ショウナンマイティ
「・・まあ怒るな。コイツはよ、ダービーも菊花賞も有馬記念も天皇賞も、すべて2着だったからな。2着の痛みが分かるのさ」


ウインバリアシオン
「余計なこと言うな。マイティ」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「兄貴のカタキを取りたいんだろ?」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「お前ならやれる。最強世代の中でも、お前の能力は最強クラス。あとは折り合いだけだ」


ショウナンマイティ
「そう。殿一気なら、道中で折り合いがつく。折り合いさえつけば、お前の爆発力が引き出せる」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「どうだ。自信がでてきたか?」


リオンディーズ
「・・・・」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「・・正直・・」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「・・全く自信がない・・」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「過去15年を振り返ってみても、朝日杯フューチュリティステークス勝者と、ダービーの相性の悪さは特筆モンだ」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「2歳時に無理をすると、成長に支障が出るのかもしれないな。はっは」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「データ的に、オレが勝つ可能性は、ほとんどないと考えることもできるってことさ。はっは」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「いいんだよ、俺なんて。早熟だったのかもな。はっは」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「まあよ。レースだけが人生じゃないさ。もう競争するのは疲れたよ。家でまったりゲームでもするさ。はっは」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「アンタらもさ、オレなんかに絡んでないで、マカヒキとかをチーム殿一気に勧誘した方がいいぜ。あいつの方が将来性もあ・・」



  バキッ! 拳



リオンディーズ
「ぐおおおっ! 飛転」


ウインバリアシオン
「・・・・ 拳」



リオンディーズ
「な、何すんだゴラァァーー!!服掴」


ウインバリアシオン
「やんのかコラ 怒」



リオンディーズ
「テメーぶっ殺すぞ!ゴラァ!!服掴」


ウインバリアシオン
「おう。やってみろ 怒」



ショウナンマイティ
「おい。やめとけ、シオン」


ウインバリアシオン
「うるせえ。オメーは黙ってろ」


ショウナンマイティ
「フー。熱いね 苦笑」



リオンディーズ
「どういうつもりだコラァ! 怒」


ウインバリアシオン
「・・グチグチと泣き言を聞かされて、不快にさせられたお礼だ」


リオンディーズ
「ああっ?! 怒」



ウインバリアシオン
「・・・・」


リオンディーズ
「・・・・ 目鋭」



ウインバリアシオン
「・・・フッ。いい目だ」


リオンディーズ
「ああ?」



ウインバリアシオン
「男はな、闘争心をなくしたら終わりだ」


リオンディーズ
「なに?」



ウインバリアシオン
「・・男はバカだからよ。人生の中で無謀な挑戦をして失敗したり、果敢にチャレンジしていろいろなものを失ったりする」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「いくら男の中の男でも、失敗して多くのものを失えば落ち込む。周囲の人に蔑まれれば、モチベーションも大きく下がる」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「だがよ。どんな逆境の中でも、男が持ち続けなければならないものがある」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「それが闘争心だ」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「戦う心。立ち向かう心。あきらめない心。挑戦し続ける心・・」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「失敗して全てを失っても、闘争心が残っていれば、必ず再起できる」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「あきらめさえしなければ、人生は、可能性に満ち溢れている」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「だから闘争心だけは無くすな」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「今日はお前に、それを言いに来た」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「・・・フン。何がデータだ。男なら、データやら前例やら占いやら安定やら保証やらに、自分の人生を支配されるんじゃねえ」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「お前の人生を創るのは、お前の闘争心に基づく毎日の繰り返す行動。それだけだ」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「・・オレの言う意味がわからないなら仕方ない。一生さっきみたいに、うつろな目をして流されていればいいさ」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「・・お前は見所がある奴だと思ったんだがな。オレの勘違いだったようだ」


ショウナンマイティ
「あんまり言ってやるな、シオン。かわいそうだろ」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「・・チーム殿一気は、自分の夢や目標の達成に必要な行動を、愚直なまでに毎日積み重ねる。たとえ誰が笑ってもだ」


リオンディーズ
「・・・・」



ウインバリアシオン
「・・フン。まあこれは、あくまでオレたちの思想。押しつけるつもりはない。邪魔したな。カツサンド代は払っておいてやる。じゃあな」


ショウナンマイティ
「じゃあな」



リオンディーズ
「・・待て」


ウインバリアシオン
「なんだ」



リオンディーズ
「・・・・」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「殴られっぱなしは、いい気がしねえ」


ウインバリアシオン
「・・ならどうする?今、殴り返してみるか?」



リオンディーズ
「いや」


ウインバリアシオン
「・・・・」



リオンディーズ
「・・・ダービーのウイニングランの後、真っ先に、お前を殴りに行く」


ウインバリアシオン
「フッ」


リオンディーズ
「はっはっは」



ウインバリアシオン
「・・自分自身に恥じない走りをしてこい」


リオンディーズ
「うるせえ。命令すんな。チーム殿一気がよ」



ウインバリアシオン
「おう。俺たちの名は『チーム殿一気』。名乗るほどの者ではない」


ショウナンマイティ
「おうよ。名乗っちゃってるぜ」



ウインバリアシオン
「最近の世の中は、まっすぐに生きることより、打算的で、小手先的で、こざかしく生きる方が得だという風潮がある」


ショウナンマイティ
「俺たち『チーム殿一気』は、そんな世の中に警鐘を鳴らすべく組織された、男気軍団」



ウインバリアシオン
「あえて損の道を行く。それが、チーム殿一気」


ショウナンマイティ
「それが極悪愚連隊」


ウインバリアシオン
「それが男のアイデンティティ」



ショウナンマイティ
「風が、オレたちを呼んでいる」


ウインバリアシオン
「おうよ。歩み続けよう。誰に馬鹿にされようとも」



ショウナンマイティ
「それが男の生きる道」


ウインバリアシオン
「そう。俺たちは!」



二人
『チーム殿一気!!』



  - つづく –



※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。

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