ヴィクトリアマイル2016~ ルージュバック『他者に期待すればするほど不幸になる』
◆ヴィクトリアマイル2016
【ルージュバック】
○Rouge Buck
○牝4
○父マンハッタンカフェ
○馬名の由来⇒ ブランデーをジンジャーエールで割ったカクテル
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◆他者に期待すればするほど不幸になる
≪ダンス一族 豪邸にて≫
ダンスファンタジア
「やなぎだぁぁぁぁーーーー!!!怒怒」
執事 柳田
「お、お嬢さまっ!!汗 窓ガラスにひびが入っておりますっ!汗 大声を出さないでくださいっ!汗」
ダンスファンタジア
「アタシのつけまつげ、どこやったぁぁーー!!怒怒」
執事 柳田
「お、お嬢さま!汗 つけまつげは、お嬢さまの、おめめについておりますっ! 汗」
ダンスファンタジア
「あ。」
執事 柳田
「ふふっ 微笑」
ダンスファンタジア
「・・・柳田ぁ」
執事 柳田
「はいっ ニコニコ」
ダンスファンタジア
「・・なに笑ってんだぁ、テメーコラァ・・ 怒」
執事 柳田
「わ、笑っておりませんっ 汗」
ダンスファンタジア
「今、笑ってただろがぁぁーー!!怒怒」
執事 柳田
「す、すいませんっ 汗」
ダンスファンタジア
「・・ムカついた」
執事 柳田
「すいませんっ!!汗」
ダンスファンタジア
「・・この、ファンタさま特製の、『刺し込み型つけまつげ』を、つけろ。柳田」
執事 柳田
「な、なんですか、それは?」
ダンスファンタジア
「フッ。普通のつけまつげは、ノリでくっつけるが、『刺し込み型つけまつげ』には、無数の針がついており、まぶたに差し込むだけでOK! 喜」
執事 柳田
「そ、そんな無茶なっ! 汗」
ダンスファンタジア
「ほら。少し上を向いて」
執事 柳田
「ド、ドSもほどほどにして下さい!お嬢さまっ! 汗」
ダンスファンタジア
「よし。刺し込み型つけまつげ装着。グサグサッ 針刺」
執事 柳田
「はぁいぎゃぁぁーー!!血出」
ダンスファンタジア
「ぎゃーーはははは!!笑 その切ない表情が最高!!笑」
執事 柳田
「ま、前が見えませんっ!汗 お嬢さまっ! 泣血」
ダンスファンタジア
「ふむ。もうワンパンチほしいな。よし柳田。そのまま後ろを向いて立て。そして少し足を開け」
執事 柳田
「こ、こうですか? 背向」
ダンスファンタジア
「・・よし。じゃあ今から思いっきり、キ●タマを蹴る」
執事 柳田
「えぇぇぇ~~!?汗汗」
ダンスファンタジア
「振り返るな。そっちを向いて立っていろ。少し足を開いて。手は頭の上な」
執事 柳田
「ド、ドSもほどほどにして下さい!お嬢さまっ! 目血」
ダンスファンタジア
「行くぞ(助走)」
執事 柳田
「ま、待ってください!汗 お嬢さま! 目血」
ガチャ
ルージュバック
「あ。こんちわー。ピンポン押したんだけど、誰も出ないから上がらせてもらいましたー」
執事 柳田
「これはこれは。ルージュ様。いらっしゃいま・・」
ドゴンッ!! 蹴
執事 柳田
「どぉふうぅぅーー!!涙血飛」
ダンスファンタジア
「ぎゃーーははははは!!w 悶絶してるww その後ろ姿、サイコー!ww 内股ww」
執事 柳田
「・・う・・はうっ・・ 息止」
ルージュバック
「や、柳田さんっ! 汗」
執事 柳田
「・・・・バタッ 倒」
ダンスファンタジア
「ん?お前は、今週のヴィクトリアマイルに出る、ベージュポップではないか。なんか用か?」
ルージュバック
「ル、ルージュバックです 汗」
ダンスファンタジア
「どっちでもいいわ。何の用だ?」
ルージュバック
「あ、いえ、近くまできたので、社台の大御所の、ファンタお嬢様にごあいさつを、と」
ダンスファンタジア
「フン。ごあいさつしてる暇あったらトレーニングしろよ。我ら社台帝国に、負けは許されないのよ?」
ルージュバック
「ご、ごもっともです 汗」
ダンスファンタジア
「ワインでも飲むか?といっても、柳田がそのザマだから、運ぶ奴がいねえけど」
執事 柳田
「・・・・ 倒」
ルージュバック
「いえ、ワインは大丈夫です。レース前なんで 汗」
ダンスファンタジア
「あっそ。・・んで?ヴィクトリアマイルの自信のほうはどうなのよ。ペタペタ(爪塗)」
ルージュバック
「ええ・・。マイルは桜花賞で惨敗してる距離なのでイヤな感じですが、東京コースは得意なので、プラマイゼロでしょうか…」
ダンスファンタジア
「ふーん。・・フー(爪吹)」
ルージュバック
「前走の中山牝馬ステークスは2着でしたが、落鉄していなければ、勝っていたかもです」
ダンスファンタジア
「ふーん。・・(爪見)」
ルージュバック
「あと今回は、『あの騎手』に乗り替わりなので、新味を引き出してもらえるかも!」
ダンスファンタジア
「うん。アタシも聞いたぞ。あの騎手な」
ルージュバック
「はい!」
ダンスファンタジア
「・・・クリスティアーノ・ロナウドな」
ルージュバック
「クリストフ・ルメールです 汗」
ダンスファンタジア
「フン。どっちでもいいわよ。・・フー(爪吹)」
ルージュバック
「ヴィクトリアマイルの強敵はやはり、2冠牝馬ミッキークイーンと、ジャパンカップを勝ったショウナンパンドラ。ただ、この2人もマイルはちょっと短く、つけ入る隙はあるかと」
ダンスファンタジア
「ふーん」
ルージュバック
「ただ、私の方が格下なのは間違いないので、すべてが噛み合わないと勝てないと思います」
ダンスファンタジア
「ふーん」
ルージュバック
「だから、レースまでに体調面・メンタル面ともに、完璧に仕上げないと!」
ダンスファンタジア
「そうだねえ」
ルージュバック
「そのためには、私の周りの人々が、私のために、完璧に動くことが必要なんです!」
ダンスファンタジア
「ふーん」
ルージュバック
「・・それなのに・・。はぁー 落」
ダンスファンタジア
「ん?」
ルージュバック
「・・私の周りの人々は、使えないんですよぉー」
ダンスファンタジア
「なんで?」
ルージュバック
「だってー、お母さんは食事の栄養バランスを考えてくれないしー、お父さんはレースのために必要な資金提供額が少ないしー」
ダンスファンタジア
「ふーん」
ルージュバック
「彼氏は、私がレースに集中したいのに、しょっちゅう電話かけてくるしー」
ダンスファンタジア
「彼氏いるのか 汗」
ルージュバック
「友達は、今、私が苦境に立たされているってのに、無神経に『ガンバ♪』とか、言いやがるしー」
ダンスファンタジア
「ふーん」
ルージュバック
「私は、人に求めるレベルが高いの!私が一流だからこそ、他人にも一流の振る舞いを求めるの!」
ダンスファンタジア
「へー」
ルージュバック
「もっとみんな、私の思い通りに動いてほしい!何も言わなくても、以心伝心で、完璧に動いてくれればいいのに!」
ダンスファンタジア
「うーん。まあそうだねえ」
ルージュバック
「でしょっ?!ホントみんな使えない!私はみんなに期待してるんだから、もっと期待に応えてよ!」
ダンスファンタジア
「うん。まあ、頑張れよ」
ルージュバック
「ブー 口尖」
ダンスファンタジア
「・・・・汗」
執事 柳田
「・・・他人に期待すればするほど、不幸になっていきますよ・・」
ルージュバック
「え?」
ダンスファンタジア
「柳田。生きてたのか」
執事 柳田
「・・『他人は、自分の思い通りに動いてほしい!』と考えるのは、ただの甘えです」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「それは、他人に期待しているのではない。他人を都合よく動かしたいだけなのです」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「そして、そういう気持ちは、相手にも伝わってしまう」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「だから、他人に期待すればするほど、嫌われていく」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「『自分の思い通りに動け!』・・と内心で思っている人と、一緒にいたいと思いますか?」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「人は、人の間でしか生きられない。しかし、他人に期待すればするほど、人生は苦しくなっていく」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「逆に、人に期待せず、自力で進む覚悟を決めた者は、周りの人が、助けてあげたくなるものです」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「また、一人で進む覚悟を決めれば、他者が何かをしてくれた時に、心から素直に感謝できる。『あ。自力でやろうと思ってた事を、手伝ってくれてありがたいな』と。」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「甘えん坊さんは『やってくれて当たり前』。一人歩む者は『感謝の気持ち』・・・どちらが人に愛され、幸せな人生を送るでしょうかね?」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「・・ですから、『なんでわかってくれないの!』とか『これくらいやってよ!』とか『そんな人だと思わなかった!』とか『ガッカリした!』とか、そんな感情を他人に抱いたなら、それは自分が甘えているのかもしれません」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「自分の周囲にいる人は、自分が都合よく利用するために存在しているわけではない」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「それだけ、覚えておくとよいかもしれませんね 微笑」
ルージュバック
「・・・・」
執事 柳田
「・・すみません。わたし程度の者が、偉そうなことを・・」
ルージュバック
「・・いえ・・」
執事 柳田
「・・・・」
ルージュバック
「・・心に響きました・・ 涙」
執事 柳田
「そうでございますか 微笑」
ルージュバック
「ありがとう。柳田さん。人生の大先輩の意見を聞いて、勇気をもらいました。純粋な思いで、ヴィクトリアマイルがんばってきます!」
執事 柳田
「ふふっ。応援馬券、買わせていただきますよ 微笑」
ダンスファンタジア
「・・柳田・・」
執事 柳田
「はい」
ダンスファンタジア
「・・アタシからも礼を言う。ありがとう」
執事 柳田
「お、お嬢さま! 喜」
ダンスファンタジア
「・・他者に依存し、他者に期待すればするほど、腹が立つことも多くなるし、トラブルも多くなる。だから、できるだけ依存心から遠ざからなければならない・・。うん。本当にその通りだと思うよ」
執事 柳田
「そうでございます!お嬢さま! 喜」
ダンスファンタジア
「・・うん。ホントそうだ。柳田の言う通りだ。うんうん」
執事 柳田
「はい!(ニコニコ)」
ダンスファンタジア
「・・・・」
執事 柳田
「(ニコニコ)」
ダンスファンタジア
「・・ところで柳田」
執事 柳田
「はい!(ニコニコ)」
ダンスファンタジア
「・・・うちの屋敷には防犯用の、超小型高性能CCDカメラが 528個設置してある」
執事 柳田
「は?」
ダンスファンタジア
「今日は、そのうちのひとつの映像を見てみよう」
執事 柳田
「え? 汗」
ダンスファンタジア
「VTR、スタート!」
≪VTR再生≫
メイド翔子
「はぁー・・ 落」
執事 柳田
「どしたの?しょこたん。お掃除が進んでないけど」
メイド翔子
「うん・・。ファンタお嬢様に、叱られちゃって・・ 落」
執事 柳田
「どうして?」
メイド翔子
「うん・・。こないだね、ゲームやりすぎで寝不足だったとき、ポーッとしてて、お嬢様の壺を割ってしまったの・・ 落」
執事 柳田
「げげ 汗 あの500万円の壺? 汗」
メイド翔子
「うん・・。すごく怒られちゃって・・ 落」
執事 柳田
「むー!でもさ!お嬢様もお嬢様だよ!しょこたんが寝不足だって、わかってほしいよね! 怒」
メイド翔子
「うん・・ 落」
執事 柳田
「うん!それはお嬢様が悪いよ!お嬢様は、我々、使用人の顔色やしぐさで、健康状態を把握し、無理をさせない義務があるっ! 怒」
メイド翔子
「うん」
執事 柳田
「ファンタお嬢様は、なんでわかってくれないんだ!そんな人だと思わなかったよ!ガッカリしたな! 怒」
メイド翔子
「やなぽん・・。もういいよ・・。ありがと・・ 微笑」
執事 柳田
「しょこたん・・」
メイド翔子
「私、お給料少ないけど、毎月ちょっとずつ、壺のお金を払っていこうと思う」
執事 柳田
「・・よし!!」
メイド翔子
「え?」
執事 柳田
「・・この執事 柳田も薄給だが、しょこたんより少しは多くもらっているから、ボクたんも出してあげよう!」
メイド翔子
「ホ、ホント?!」
執事 柳田
「ホントなんですっ!」
メイド翔子
「ホントにいいのー?」
執事 柳田
「いーんですっ!!」
メイド翔子
「嬉しいー!やなぽん大好きっ! 抱」
執事 柳田
「こ、これこれ 照 こんなところで、やめなさい 立」
メイド翔子
「うふ♪」
執事 柳田
「でへ 照」
メイド翔子
「・・ふふ。なんか、やなぽんには、いつも元気もらってるね」
執事 柳田
「いやー 照 しょこたんのためなら、全然いいよー 照」
メイド翔子
「・・ねえ、やなぽん・・」
執事 柳田
「ん?」
メイド翔子
「・・今日わたし・・、やなぽんのおうちに泊まりたいな・・ 照」
執事 柳田
「ふっ。今夜は、朝まで寝かさないぜ? 立」
メイド翔子
「いやーん♪やなぽんのエッチ♪」
執事 柳田
「でへへー」
メイド翔子
「うふふー♪」
≪VTR終了≫
ダンスファンタジア
「・・ふむ・・」
執事 柳田
「・・・ア、アウアウ・・・汗汗(ガクガク 震)」
ダンスファンタジア
「さすが最新の超小型高性能CCDカメラだ。映像も音声もカンペキ。つーか、薄給で悪かったな。やなぽんよ」
執事 柳田
「お、お嬢さま!違うんですっ!汗汗」
ダンスファンタジア
「従業員から壺代を取るつもりはない。私は、プロとしての体調管理が甘い翔子を叱ったが、弁償しろとは言ってない。わかるよな。柳田」
執事 柳田
「あ、お嬢様、違うんですっ!これはそのー… 汗」
ダンスファンタジア
「・・お嬢様は、従業員一人一人の健康状態まで、しっかりと把握しておくべきだ。なんでそれくらいできないんだ。ガッカリした、か。・・・なるほど。人に期待せず、自立した考え方だな。やなぽんよぉ・・ 睨」
執事 柳田
「あ・・あ・・(ガクガク 震)」
ダンスファンタジア
「どうなんだぁぁ・・。柳田ぁぁぁ・・ 怒顔」
執事 柳田
「ヒイイッ!!泣 お嬢さまの顔が、魔神の形相に変わっていくっ!!(ガクガク・・・震)」
魔神ファンタジア
「・・どう・・なんだ・・。やなぎ・・だぁぁ・・ 魔顔」
執事 柳田
「ヒイイーーッ!!・・・(ガクガク 震)」
魔神 ファンタ死亜
「せ・・選択肢は・・3つ・・だぁぁ・・・ 鬼顔」
執事 柳田
「・・・あ・・あうあう・・(ガクガク 震)」
1⇒ 高さ200メートルの橋から、ヒモなしバンジー
2⇒ 毒キノコ食べ放題ツアー
3⇒ サディスティックルームへの挑戦
魔神 フ暗タ死亜
「さあ・・・お好き・・な・・コース・・ををを・・・ 死神」
執事 柳田
「ど、どれを選んでも確実に人生が終わりますっ!!汗 お嬢さまっ!!汗」
魔神 フ暗断死亜
「で・・は、3番・・だなぁぁ・・・ 闇顔」
執事 柳田
「お嬢さまっ!!それだけはっ!!号泣」
魔神 腐暗断死亜
「・・・では行こう・・・マゾヒスティックな暗黒の快楽の世界へ・・・ 腕掴」
執事 柳田
「た、たぁすけてぇぇぇーーー!!!泣泣」
ルージュバック
「・・・・汗」
- つづく –
※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。