中山牝馬S2016~ ルージュバック『自分の弱点は隠すほど見られる』


◆中山牝馬S2016


【ルージュバック】

○Rouge Buck
○牝4
○父マンハッタンカフェ
○馬名の由来⇒ ブランデーをジンジャーエールで割ったカクテル

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◆自分の弱点は隠すほど見られる



≪焼き鳥シゲにて≫



オウケンブルースリ
「そろそろホワイトデーだねー。シゲさん」


焼き鳥屋 店主シゲ
「そうですねえ。豚串おまち」



オウケンブルースリ
「と言っても、バレンタインデーに誰からもチョコもらってないから、俺達には関係ないか。たはは 笑」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」


オウケンブルースリ
「あ。」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」


オウケンブルースリ
「・・裏切りの予感」



焼き鳥屋 店主シゲ
「い、いや、俺ももらってねえぜ 汗」


オウケンブルースリ
「ぬぬぬー。その業務用冷凍庫、怪しいな!ちょっと見せてもらうっ!とうっ! 飛」



   ガチャ。

 ドサドサドサーー!



オウケンブルースリ
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・ 汗」



オウケンブルースリ
「・・なにコレ。シゲさん。この大量のチョコは。」


焼き鳥屋 店主シゲ
「い、いや、店のデザートメニューの原料だぜ 汗」



オウケンブルースリ
「・・デザートの原料に、ハートのリボンがついているのかね?ん? 怒」


焼き鳥屋 店主シゲ
「さ、最近は、オシャレな業者さんも増えてきてるからな 汗」



オウケンブルースリ
「あーあ。裏切ったー。シゲさんが裏切ったー」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「裏切られたから、ツケは帳消しね 怒」


焼き鳥屋 店主シゲ
「む、無茶苦茶だぜ 汗」



  ガラガラッ



焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」


ルージュバック
「・・あの・・すみません・・。私の口紅・・落ちてませんでしたか? 困」


オウケンブルースリ
「ん?口紅?」



ルージュバック
「はい・・。私の大切な口紅なんです・・」


オウケンブルースリ
「えーと、キミはこの店にいつ来たの?」



ルージュバック
「・・今日が初めてなんです・・」


オウケンブルースリ
「じゃあねえよ 汗」



ルージュバック
「・・ヒドイ・・ 泣」


オウケンブルースリ
「いや、ヒドイ・・じゃなくて 汗」



焼き鳥屋 店主シゲ
「口紅って、これかい?」


ルージュバック
「あ!私の口紅!」


オウケンブルースリ
「あるんかいっ! 汗」



ルージュバック
「返してください!私の口紅!」


オウケンブルースリ
「・・・返せってさあ、シゲさんは探してくれたんだろ?そういう言い方は・・」



ルージュバック
「口紅返して!ねえ返して!」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



ルージュバック
「ルージュ返して!さあ、ルージュバック!!手」


焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗 今度はなくさねえように、大切にしまっておきなせえ 汗」



ルージュバック
「ありがとう!バッグにしまっておきます!」


オウケンブルースリ
「・・キミ・・、なんか見たことあると思ったら、久々に登場のルージュ・・」



ルージュバック
「あれ?! 汗」


オウケンブルースリ
「ん?」



ルージュバック
「口紅がない! 汗」


オウケンブルースリ
「は?」



ルージュバック
「私の口紅がない!ねえないの! 泣」


オウケンブルースリ
「・・・さ、さっきバッグにしまってたけど 汗」



ルージュバック
「え?・・。あ!!ホントだ!ルージュがバッグにあった!・・・ルージュバッグ!!喜」


オウケンブルースリ
「・・・だ、だいぶめんどくせえな、この子 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



ルージュバック
「あ。ご挨拶が遅れました。私の名前はルージュバック。ルージュバックとは、ブランデーベースのジンジャエールカクテルであり、口紅ではありません」


オウケンブルースリ
「キ、キミが口紅を推してきたのでは 汗」



ルージュバック
「おじさん。カクテルのルージュバックをひとつ」


焼き鳥屋 店主シゲ
「あいよ」


オウケンブルースリ
「おじさんゆうな 汗 シゲさんな 汗」



ルージュバック
「私、今週の中山牝馬ステークスに出るんです」


オウケンブルースリ
「ああ。知ってるよ。G3のハンデ重賞だけど、キミが出ると緊張感が高まるな」



ルージュバック
「中山コースは実績がないけど、有馬記念は超前残りの展開に泣いただけで、中山がダメとは思ってないの」


オウケンブルースリ
「ふーん。まあ東京の方が良さそうな気はするけどな」



ルージュバック
「というか、この中山牝馬ステークスで、私のこれからの路線をどうするか、判断したいと思ってます」


オウケンブルースリ
「ほほう」



ルージュバック
「今まで通り、中長距離で行くか、それともマイル方向へ距離短縮するか…」


オウケンブルースリ
「なるほどな」



ルージュバック
「・・『関東の怪物牝馬』とか言われて、破竹の3連勝で挑んだクラシックロード…」


オウケンブルースリ
「・・・・」



ルージュバック
「結局、その3連勝のあとは、ひとつも勝つことができず、もう誰も怪物牝馬って、呼んでくれない…」


オウケンブルースリ
「・・・・」



ルージュバック
「『女の子なんだから、怪物って呼ばないでよー 照』とか言ってたら、ホントに呼ばれなくなったし 泣」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」



ルージュバック
「あたし、きっと陰で笑われてるんだ。『早熟怪物牝馬ww』とか 落」


オウケンブルースリ
「そ、そんなことないって 汗」



ルージュバック
「人に会う時も、きっとこの人は心の中で、あたしを笑っているんだ…。って思うから、人間関係もなんだか苦しいの… 落」


オウケンブルースリ
「ふーむー 汗」



ルージュバック
「どうすれば、人から笑われないようになるんだろう…」


オウケンブルースリ
「うーん」



ルージュバック
「・・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・なら、自分で自分を笑いなせえ」


ルージュバック
「え?」



焼き鳥屋 店主シゲ
「自分の弱点や、見られたくない所というのは、隠そうとするから逆に目立つんだぜ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「不思議なことに、相手が隠そうとしている事は、気になって見たくなるからな」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「まぁそもそも、基本的に人は自分のことが興味の中心だから、そんなに自意識過剰になる必要もねえぜ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「アンタは、『自分の勝手な妄想の中で、人に笑われているように錯覚している』だけだ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「誰もアンタを笑ってなどいねえ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「人に見せたくない弱点こそ、笑えるネタにしちまえばいい」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「弱点は隠すから苦しいんであって、自分からオープンにしてしまえば、自分の心の苦しみも消える」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「そして相手も、アンタが弱点をオープンにしてくれた方が気を遣わないですむし、楽しくコミニケーションできる」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「『他者から良く見られたい!』という、幼稚な欲望が、自分の人生を苦しくしてるんだぜ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「よく覚えておきなせえ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「な。」


ルージュバック
「・・はい・・ 涙」



焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ。すまねえ。偉そうに言っちまって」


ルージュバック
「・・いえ・・ 涙」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



ルージュバック
「・・心に響きました・・ 涙」


焼き鳥屋 店主シゲ
「そうかい」



ルージュバック
「・・確かに、あたしは自分の弱点を隠そうとして、相手に余計な気を遣わせていたのかもしれない…」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



ルージュバック
「・・ありがとうございます、シゲさん。心が軽くなりました。中山牝馬S、全力で頑張ってきます!」


焼き鳥屋 店主シゲ
「おう。応援馬券、買っとくぜ」


ルージュバック
「はい!」



オウケンブルースリ
「はっはっは。一件落着だな。まあよ、隠そうとすると見たくなるからな。心を開いて、気楽な人間関係にしていくのも、いいかもしれないな」


ルージュバック
「はい!」


オウケンブルースリ
「じゃあ俺は帰るぜ。レース頑張れよ」



   カタン



ルージュバック
「ん?何か落としましたよ、オウケンさん。・・DVD?」


オウケンブルースリ
「ああ。拾ってもらっちゃってスマンな。・・はうっ!!汗汗」



 ⇒『【大人のDVD】イケてるあの娘のパン●ラを追え!!隠そうとするほど見たくなる!秘密の花園!』



ルージュバック
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだ!汗 こ、これには深いワケがっ! 汗汗」


ルージュバック
「・・・シゲさん。中山牝馬Sがんばってきます。応援しててくださいね。シゲさん『だけが』応援しててくださいね。じゃ。さいなら」


焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだぁぁーー!!汗汗」



  - つづく –

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