中山記念2016~ ドゥラメンテ『大賢は愚なるが如し』
◆中山記念2016
【ドゥラメンテ】
○Duramente
○牡4
○父キングカメハメハ
○馬名 意味⇒ 荒々しく
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◆大賢は愚なるが如し
≪ブエナ組 事務所にて≫
ペルーサ
「コンコン・・・ 姐さん!失礼しやす! 緊張」
ブエナビスタ
「・・なんや 目鋭」
ペルーサ
「コ、コーヒーをお持ちしやした! 汗」
ブエナビスタ
「・・・ 目鋭」
ペルーサ
「ハッ!汗 す、すいやせん!汗 紅茶の方がよろしかったですね!すいやせん! 汗」
ブエナビスタ
「・・いや・・もらおう」
ペルーサ
「は、はいっ!喜 では、砂糖とミルクは、どうしやすか!?汗」
ブエナビスタ
「ブラックでいい」
ペルーサ
「ブラックっすね!押忍!・・・あっ!汗 ポチャン 落糖」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「す、すいやせん!汗 角砂糖をコーヒーの中に落としてしやいやした! 汗汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「い、今すぐ拾いやすっ!!て、手で行きやす!バシャッ!あぁちゃちゃちゃちゃーーー!!熱汗泣」
ブエナビスタ
「・・・・汗」
ペルーサ
「と、とりあえず角砂糖は拾いやした!さあ、コーヒーをどうぞ! 汗汗」
ブエナビスタ
「・・お前の、汗やら鼻水やら、いろんな汁が入ってもうてるやないか 汗」
ペルーサ
「すす、すいやせん!汗 すぐに新しいコーヒーを! 汗」
ブエナビスタ
「・・もういい 目閉」
ペルーサ
「はっ!汗 姐さんを怒らせてしまった! 汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「すすす、すいやせんっ!姐さん!汗 かかか、かくなる上は・・! 汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「ゆゆゆ、指を!詰めやす!汗汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「こ、このドスで! 刃光」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「じ、自分の、この小指でオトシマエ!オトシマエをっ!!汗震」
ブエナビスタ
「・・ペルーサよ」
ペルーサ
「オト!オト!オトシマエ!ヲウッ!!汗汗」
ブエナビスタ
「ペルーサ」
ペルーサ
「オト!オト!オトシマエ!オトオト!汗汗」
ブエナビスタ
「ペルー・・」
ペルーサ
「オト!オト!オトシモノガトドイテオリマス!ヨウッ!汗汗」
ブエナビスタ
「ペル・・」
ペルーサ
「オト!オト!オトシモノハナンデスカー!ミツケニクイモノデスカー!汗汗」
ブエナビスタ
「ペ・・」
ペルーサ
「・・あ、姐さん!この怖いもの知らず、若頭ペルーサの心意気!その目に焼きつけ・・・あっ!!汗汗」
ブエナビスタ
「ん?」
ペルーサ
「・・・ゆ、指を切ってしやいやしたっ!ピュー! 血出」
ブエナビスタ
「・・・・ 汗」
ペルーサ
「あ、姐さん!汗 たすたす!タスケテー!コワイヨー! 汗血少」
ブエナビスタ
「・・・ちょっと切れただけやないか。怖いもの知らずやないんか 汗」
ペルーサ
「バババ、バンソーコー! 汗」
ブエナビスタ
「ペルーサ」
ペルーサ
「は、はいっ! 汗」
ブエナビスタ
「・・お前の指もろてどうするんや」
ペルーサ
「は、はいっ 汗 すいやせんっ 汗汗」
ブエナビスタ
「・・そない簡単に、落とし前やら言うなや・・ 怒」
ペルーサ
「すすす、すいやせんっ! 震汗」
コンコン
ガチャ
グラサンの男
「・・・・」
ペルーサ
「オウオウ!!誰じゃワレァー!!怒 姐さんのお部屋に勝手に入るんじゃねえ!この野郎!ブチころっぞ!オラァー! 怒」
グラサンの男
「・・フン」
ペルーサ
「出て行け!オラァー! 怒」
ブエナビスタ
「・・・ペルーサ。ええんや」
ペルーサ
「は?」
ブエナビスタ
「・・サングラスとは、スター気取りか?ドゥラ」
ドゥラメンテ
「姐さん。ご無沙汰しています 眼鏡取」
ペルーサ
「オウ。ドゥラメンテだったんかい。ワシにも挨拶せんかい、コラ」
ドゥラメンテ
「・・必要ないかと」
ペルーサ
「なにコラ 怒」
ドゥラメンテ
「・・そもそも、なんでアンタがこの組の若頭やってんすか」
ペルーサ
「あぁっ?!怒」
ドゥラメンテ
「姐さんとオレは、サンデーレーシングの先輩後輩。でも、アンタ関係ないでしょ」
ペルーサ
「キサマ・・ 怒」
ドゥラメンテ
「若頭のイス。オレにくださいよ」
ペルーサ
「・・しにたいんか・・ワレ・・ 怒」
ドゥラメンテ
「・・・・ 薄目」
ペルーサ
「・・・・ 睨」
ブエナビスタ
「・・やめえや・・ 怒」
ペルーサ
「はっ!汗 すいやせん! 汗」
ドゥラメンテ
「チッ」
ブエナビスタ
「ドゥラ。骨折の方は、もうええんか?」
ドゥラメンテ
「ええ、大丈夫です。ただちょっと馬体重が増えてるかな 苦笑」
ブエナビスタ
「・・3冠目前での骨折。惜しいことをしたな」
ドゥラメンテ
「ええまあ。オレの場合、トップスピードがケタ違いなんで。脚への負荷もかなりのものですから」
ブエナビスタ
「そうか。大事にせいや」
ドゥラメンテ
「はい。なんと言ってもオレは、競馬界の至宝ですからね」
ペルーサ
「はんっ。自分で言うなや。アホかお前」
ドゥラメンテ
「はっはっは。ひがまないでくださいよ 苦笑」
ペルーサ
「なんじゃあー! 怒」
ドゥラメンテ
「・・去年の皐月賞。見ましたか?オレのアビリティ『神風ドリフト』発動」
ペルーサ
「・・・・」
ドゥラメンテ
「あの皐月賞は、完全に前残りのレースだった。それを後方からゴボウ抜きにする、圧倒的な脚力」
ペルーサ
「・・・・」
ドゥラメンテ
「ダービーは、単勝1.9倍の断然人気で、マークされるのもわかっていた。が、それをあえて自分から動き、先行馬を壊滅させ、差し馬をちぎり捨てる心肺機能」
ペルーサ
「・・・・」
ドゥラメンテ
「父キングカメハメハ。母アドマイヤグルーヴという、日本屈指の超良血のお坊ちゃまで、金も腐るほどある」
ペルーサ
「・・・・」
ドゥラメンテ
「当然、女にもモテまくる。骨折で休んでいた間は、そっちの方が忙しかったよ。はっはっは 笑」
ペルーサ
「・・・・」
ドゥラメンテ
「・・どうすか、ペルーサ若頭。このオレの人生」
ペルーサ
「ぐぬぬ・・」
ドゥラメンテ
「どっちが若頭に相応しいですかねえ?w」
ペルーサ
「うぬぬう・・」
ドゥラメンテ
「いや~、オレと比べるのは酷だな~w どんな奴だって、オレと比べたらカワイソ・・」
ブエナビスタ
「・・ええかげんにせえや 声低」
ドゥラメンテ
「え?」
ブエナビスタ
「・・いつまでその、薄ら寒い自慢話は続くんや・・」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「ドゥラよ」
ドゥラメンテ
「・・はい」
ブエナビスタ
「・・自分の凄さをひけらかす事は、ほぼデメリットしか生まん」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「自慢話は、一瞬の快感と引き換えに、長期的な損失を引き寄せる。超高確率でな」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「なぜなら、自慢するほうは気持ちいいが、自慢されるほうは不愉快極まりないからや」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「自慢されるということは、相対的に自分の価値を引き下げられるということであり、その感覚が不快感となる」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「そして、その不快感が、妬み・そねみ・嫉妬・憎悪となり、その相手への敵対心となっていく」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「つまり、自分の凄さをひけらかしたり、自慢話をすればするほど、自分の周りは敵だらけとなっていく」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「だからこそ、真に智ある者は、あえて自分の凄さを見せない。むしろ少し、自分をバカっぽく見せる。相手の劣等感を刺激しないためにな」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「こういうタイプは怖い。絶対に敵に回してはならん」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「大賢は愚なるが如し」
ドゥラメンテ
「・・・・」
ブエナビスタ
「よう覚えときや」
ドゥラメンテ
「・・はい・・」
ブエナビスタ
「・・・ 目鋭」
ドゥラメンテ
「・・・・ 落」
ブエナビスタ
「フッ。説教されて、落ち込む心があるなら、大丈夫や 微笑」
ドゥラメンテ
「・・すいません、姐さん。未熟でした 落」
ブエナビスタ
「まあええ。今日はもう帰るんか?茶でも飲んでいくか?」
ドゥラメンテ
「ありがとうございます。レースが近いんで、今日は帰ろうかと」
ブエナビスタ
「そうか」
ドゥラメンテ
「あ。この置いてあったコーヒーでいいです。いただきます。・・ゴクゴクゴク 飲」
ブエナビスタ
「あ。 汗」
ペルーサ
「あ。 汗」
ドゥラメンテ
「・・・プハー。お説教で緊張したんで、喉が渇いて一気飲みしてしまいました。なんかちょっと塩っけがありますね。このコーヒー」
ブエナビスタ
「・・・・汗」
ドゥラメンテ
「何のコーヒーですか?」
ブエナビスタ
「・・・・」
ドゥラメンテ
「ん?」
ブエナビスタ
「・・ペ、ペルーサ汁や・・」
ドゥラメンテ
「は?」
ブエナビスタ
「・・ペルーサの、血と汗と涙がブレンドされたコーヒーや・・」
ドゥラメンテ
「ブフゥゥーーッ! 吹黒」
ブエナビスタ
「・・・け、健康に悪影響はない。・・と思う 汗」
ドゥラメンテ
「ぎ、ぎいやぁぁぁーーー!!!涙爆走」
- つづく –