シルクロードステークス2016~ ビッグアーサー『感謝なき者に、成功はない』
◆シルクロードステークス2016
【ビッグアーサー】
○Big Arthur
○牡5
○父サクラバクシンオー
○馬名 意味⇒ 大きな+人名より
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◆感謝なき者に、成功はない
≪焼き鳥シゲにて≫
オウケンブルースリ
「ねえねえ、シゲさん。このあいだテレビ見てて思ったんだけどさあ」
焼き鳥屋 店主シゲ
「なんですかい?」
オウケンブルースリ
「・・・武豊と、バイきんぐの小峠は、似てるよね」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
オウケンブルースリ
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「け、競馬界のレジェンドだぜ 汗」
オウケンブルースリ
「そ、そうだよね。やめとこう 汗」
ガラガラッ
ビッグアーサー
「なんて日だっ! 叫」
オウケンブルースリ
「うわっ。びっくりしたー 汗」
焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」
ビッグアーサー
「自分で口から出したガムを自分で踏んだ。なんて日だ」
オウケンブルースリ
「自業チョー自得じゃねえか 汗」
ビッグアーサー
「1人だけど、いいすか」
焼き鳥屋 店主シゲ
「ああ。オウケンさんの隣でいいかい?」
ビッグアーサー
「オウケンさんの隣?」
オウケンブルースリ
「・・・・」
ビッグアーサー
「・・・なんて日だっ! 叫」
オウケンブルースリ
「・・小僧・・。いい度胸だ・・。こっち座れや・・ 怒」
ビッグアーサー
「じょ、冗談です 汗」
オウケンブルースリ
「・・ほう。おまえ、いいガタイしてんな。何者だ?」
ビッグアーサー
「ふっふっふ。そんなに聞きたいですか? 喜」
オウケンブルースリ
「いや別に」
ビッグアーサー
「ブッ! 吹ガム」
オウケンブルースリ
「う、うわっ!汗 ガムを吹き出すんじゃねえ! 汗」
ビッグアーサー
「失礼。拾います。・・・ビニョ~ン」
オウケンブルースリ
「・・思い出した。お前は、スプリント界のスター候補の・・」
ビッグアーサー
「ふっふっふ」
オウケンブルースリ
「・・・ネロだな?」
ビッグアーサー
「そっちじゃねえわっ!汗 ビッグアーサーだ!ネロは、いいガタイしてねえだろ! 汗」
オウケンブルースリ
「そう。ビッグアーサーだ。1000万円程度の取引価格なのに、賞金稼いでるな。おまえ」
ビッグアーサー
「ふっ。スプリント路線は、社台の進出が少ないですからね。一躍スーパースターの夢がありますよ 喜」
オウケンブルースリ
「・・・ビッグアーサー。デビューから無敗の5連勝で、次世代のスーパースプリンターと呼ばれるも、重賞レースは3回挑戦して、2着2着3着という、見事な勝ちきれなさっぷりを披露」
ビッグアーサー
「くっ・・」
オウケンブルースリ
「なんか、中間は、フレグモーネを発症したとか、スポーツ新聞に書いてあったけど、どうよ?」
ビッグアーサー
「たぶん大丈夫です」
オウケンブルースリ
「たぶんかい 汗」
ビッグアーサー
「『ビッグアーサーは、レースを使いすぎ』とか言われますが、使いすぎで言ったら、ネロの方が使いすぎでしょ。2014年11月から、走りっぱなし」
オウケンブルースリ
「ふむ」
ビッグアーサー
「ネロは、休まずがんばりすぎだ。ボクはそんな、がんばりすぎのネロに言いたい」
オウケンブルースリ
「なんて?」
ビッグアーサー
「・・・・」
オウケンブルースリ
「・・・・」
ビッグアーサー
「・・寝ろ!・・と」
オウケンブルースリ
「あ。シゲさん。ナマコ酢ちょうだい」
焼き鳥屋 店主シゲ
「あいよっ」
ビッグアーサー
「き、聞けやぁぁーー!!汗」
オウケンブルースリ
「お前さあ。そんなオヤジギャグ言ってるけど、ネロは、シルクロードステークスと同じ舞台の、京都1200m、京洛ステークスで、0.6秒ぶっちぎりだぞ?」
ビッグアーサー
「ふっ。その前の、オパールステークスも、京都1200mでしたが、ボクはネロに圧勝してますから!安心してください!はいてますよ! 喜」
オウケンブルースリ
「ふーん」
ビッグアーサー
「まぁ何と言っても、今回、ボクの鞍上は、最強騎手!ミルコ・デムーロ! 喜」
オウケンブルースリ
「ほほう」
ビッグアーサー
「主戦の藤岡康太くんも、大きなミスはなかったんですが、やはり重賞レースなどの極限の戦いになると、ミスがないだけでは勝てない」
オウケンブルースリ
「まあな」
ビッグアーサー
「目指すは、ロードカナロア先輩!」
オウケンブルースリ
「最強スプリンターだしな」
ビッグアーサー
「ロードカナロア先輩も、福永祐一さんで勝ちきれなかったのを、モンキーに乗り替わって、世界まで制した! 喜」
オウケンブルースリ
「モンキーゆうな 汗」
ビッグアーサー
「ボクも、この乗り替わりによって、そうなるでしょう!世界の、ビーーーグアーサーー!!叫」
オウケンブルースリ
「・・・・汗」
ビッグアーサー
「さらば、コータくんw」
オウケンブルースリ
「うーん。まあ、しゃあないか」
ビッグアーサー
「さようなら~。コータくん~ww あ、シゲさん、景気づけにシャンパンをw」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
ビッグアーサー
「ん?シゲさん?」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・アーサンな」
ビッグアーサー
「はい」
オウケンブルースリ
「アーサンて 汗」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・今まで世話になった人に、恩知らずなことを言うもんじゃねえ」
ビッグアーサー
「え・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・確かに、新しい出会いは大切だ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「新しく出会った人によって、自分の人生が切り拓かれるというのは、よくある話だ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「そんなとき人は、『ああ!この人に出会えてよかった!前の奴は、イマイチだったぜ!』と、思ってしまいがちだ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「だが、そこに至るまでの自分は、『前の人』によって作られてきたんだぜ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「今まで、自分が世話になってきた人による『土台』があったからこそ、新しい出会いが、自分を飛躍させた」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「だから、一部分だけを切り抜いて、前の人はダメとか、新しい人は良いとか、言うもんじゃねえ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「世話になった人への、感謝の気持ちもない奴が、長期的に成功し続けるわけがねえ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「『よく考えたら、あの人がいたから、今の自分があるんだよな』と、客観的に感謝できる奴は、どの世界でも強いぜ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「『感謝の気持ち』なんて古くさくて、今どき、流行らないのかもしれねえ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「だが、古今東西、長期的に何かで成功したり、幸せな人生を送っている人は、その多くが『感謝の気持ち』を、忘れてねえ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「『成功したから余裕が出て感謝できるんだろう!』と、思うかもしれねえが、オレは逆だと思う」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「感謝なき者に、成功はない」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「よく覚えておきなせえ」
ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「な。」
ビッグアーサー
「・・はい・・ 涙」
焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ。すまねえ。偉そうに言っちまって」
ビッグアーサー
「・・いえ・・ 涙」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
ビッグアーサー
「・・心に響きました・・ 涙」
焼き鳥屋 店主シゲ
「そうかい」
ビッグアーサー
「・・ボクは、自分の賞金が増えるに従って、自分の力を過信し、周囲の人への感謝の気持ちを忘れていったのかもしれない・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」
ビッグアーサー
「・・ありがとうございます、シゲさん。もうちょっとでボクは、勘違い野郎になるところでした。シルクロードステークス、謙虚な気持ちで、コータくんの分まで、頑張ってきますから!」
焼き鳥屋 店主シゲ
「ああ。がんばんなせえ」
ビッグアーサー
「はい!」
オウケンブルースリ
「はっはっは。一件落着だな。まあよ、人生はすべて積み重ねだからな。過去に出会ったすべての人々が、今の自分を形作ってくれてるのかもしれないな」
ビッグアーサー
「はい!」
オウケンブルースリ
「じゃあ俺は帰るぜ。レース頑張れよ」
カタン
ビッグアーサー
「ん?何か落としましたよ、オウケンさん。・・・DVD?」
オウケンブルースリ
「ああ。拾ってもらっちゃってスマンな。・・・はうっ!!汗汗」
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ビッグアーサー
「・・・・」
焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」
オウケンブルースリ
「ち、違うんだ!汗 こ、これには深いワケがっ! 汗汗」
ビッグアーサー
「・・・シゲさん。シルクロードステークス、がんばってきます。応援しててくださいね。シゲさん『だけが』応援しててくださいね。じゃ。さいなら」
焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗」
オウケンブルースリ
「ち、違うんだぁぁーー!!汗汗」
- つづく –
※この物語はフィクションであり、登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。