中京記念2015~ レッドアリオン『天は馬の上に馬を造らず』
◆中京記念2015
【レッドアリオン】
○Red Arion
○牡5
○父アグネスタキオン
○馬名 意味⇒ 冠名+ギリシャ神話に登場する天馬の名
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◆天は馬の上に馬を造らず
≪キャバクラにて≫
No.1キャバ嬢レナ
「いらっしゃいませ♪オウケンたん♪いつもご来店、ありがとうございますっ♪」
オウケンブルースリ
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「あ、あれ? 汗」
オウケンブルースリ
「・・・・ 真顔」
No.1キャバ嬢レナ
「おーい!オウケンたん! 汗」
オウケンブルースリ
「・・・ん?・・あ。レナたん。どったの?」
No.1キャバ嬢レナ
「い、いや、どったのじゃなくて 汗 オウケンたんが、どったの? 汗」
オウケンブルースリ
「・・どうもしないけど?」
No.1キャバ嬢レナ
「ボーーーっとしてんじゃん 汗」
オウケンブルースリ
「・・そうかな」
No.1キャバ嬢レナ
「むー。こうなったら、レナのセクシードレスで悩殺しちゃうぞ♪ホレホレ。胸の谷間が♪ 谷」
オウケンブルースリ
「・・・ 遠目」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・・汗」
ガチャ
レッドアリオン
「・・・お嬢さん。そんな抜け殻ほっといて、ぜひ、ボクに谷間を見せてください! 喜」
オウケンブルースリ
「誰が、ヌケガラだ!コラァー!!ガスガス 蹴」
レッドアリオン
「ぐ、ぐわぁー!汗 すいません!元気じゃないですかー! 汗」
オウケンブルースリ
「ケッ。暑すぎて、ちょっとボーッとしてただけだ」
No.1キャバ嬢レナ
「いらっしゃいませ♪お客さま、当店は初めてですかぁ?」
レッドアリオン
「は、初めてですぅ 照」
オウケンブルースリ
「照れんな」
レッドアリオン
「ボク、レッドアリオンて言います!ちまたでは、『アグネスタキオンの最高傑作』と言われています! 喜」
No.1キャバ嬢レナ
「すごーい♪」
オウケンブルースリ
「ウ、ウソつくんじゃねえっ!汗 アグネスタキオンの最高傑作は、いったい何頭いるんだっ! 汗」
レッドアリオン
「・・・そう言えば、グランデッツァさんも、アグネスタキオンの最高傑作を自称してますが、真の最高傑作はこのレッドアリオン!それを今週の中京記念で証明してみせます! 燃」
オウケンブルースリ
「・・・まあ、どっちも最高傑作じゃねえな ブツブツ」
レッドアリオン
「マイラーズカップで、前残りのどさくさに紛れて重賞制覇した実力を、見せつけますよ! 燃」
オウケンブルースリ
「自分でドサクサゆうな 汗」
レッドアリオン
「・・・今週の中京記念。注目されているのはやはり、ネームバリュー抜群のG1ホース、カレンブラックヒル」
オウケンブルースリ
「ふむ」
レッドアリオン
「知名度では完敗」
オウケンブルースリ
「・・・・汗」
レッドアリオン
「しかしオウケンさん。そんな華のあるカレンブラックヒルにも、弱点があるっ!」
オウケンブルースリ
「ほう」
レッドアリオン
「それはズバリ!ハンデ!58.5キロはキツイっしょ! 喜」
オウケンブルースリ
「・・・おまえは、57.5キロだけど」
レッドアリオン
「えぇ~~!!汗」
オウケンブルースリ
「ちゃんと見とけよ 汗」
レッドアリオン
「ボ、ボクが57.5って、ちょっと厳しくないですか?!汗」
オウケンブルースリ
「オレに言うな 汗」
レッドアリオン
「・・・いや、ちょっと待てよ・・」
オウケンブルースリ
「ん?」
レッドアリオン
「・・・安田記念では、カレンブラックヒル7着。ボク8着。その差『3/4馬身(同斤)』・・・今回のハンデ差が1キロなら、必然的にボクが勝つという計算に! 喜」
オウケンブルースリ
「・・・そんな計算通り行ったら、誰も苦労しねえだろ・・ ブツブツ」
レッドアリオン
「ちなみに、その2015年の安田記念で3着だったのが、ボクの兄ちゃんのクラレント。兄ちゃんは、去年の『サマーマイルシリーズ王者』。つまりボクは、血統的に夏に強いのですっ! 喜」
オウケンブルースリ
「・・・去年のクラレントは、サマーマイルの中京記念だけ、惨敗してるけど。しかもオマエと同じ57.5キロで」
レッドアリオン
「聞こえない!」
オウケンブルースリ
「・・・・汗」
レッドアリオン
「さらに、ちなみましょう!」
オウケンブルースリ
「ちなむな 汗」
レッドアリオン
「ボク、中京1600mは、3歳時に経験しており、なんと0.6秒差で圧勝している舞台なのですっ! 喜」
オウケンブルースリ
「・・あんまり言うと、天誅をお見舞いされるぞ 汗」
レッドアリオン
「でもなあ・・相手はG1ホースだしなあ・・ 落」
オウケンブルースリ
「まあな」
レッドアリオン
「いやいや!あきらめるな!『天は馬の上に馬を造らず。馬の下に馬を造らず』と、福沢諭吉も言っているっ!」
オウケンブルースリ
「ゆってねえわ 汗」
レッドアリオン
「『学問のすすめ』ですっ!知らないんですか?」
オウケンブルースリ
「いや、知らないとかじゃなくて・・。ああ、暑くてツッコミが面倒だ・・。オレちょっとトイレな」
バタン
No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「あ。アリ夫たん、水割りおかわり?」
レッドアリオン
「あ、はい。というか、アリ夫ではなく、アリオンです 汗」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・天は人の上に人を造らず・・・か」
レッドアリオン
「はい!ねえ、レナさん。天は馬の上に馬を作らず!ってことは、みんな平等な、同じ馬ってことですよねっ!ハッハッハ 笑」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・・」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・あくまでも、レナの考えだけど・・」
レッドアリオン
「ん?」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・人にも馬にも、上下の階層は、厳然として存在してる・・」
レッドアリオン
「え?」
No.1キャバ嬢レナ
「人間は生まれながらにして平等な権利を有するけど、すべての人の人生が平等になるわけじゃない」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「福沢諭吉が言いたかった事は、『人は生まれた時には皆平等なのに、その人生には大きな差が生まれてしまう。その理由は、人生に必要な知識を学んだか?それとも学ばなかったか?そこにあるのだ。だから学問すべし!』と」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「もちろん学問っていうのは、学校の勉強じゃなくてね」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「そこを取り違えてしまうと『人間は皆平等なハズなのに、なんで差があるんだ!不公平だ!やる気なくなるわっ!』と、モチベーションが下がってしまう」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「だから、人の上に人を造らずを言い換えると、『人間はみんな、平等に学ぶ権利を有するが、学んだ者と、学ぶことを拒否した者の間には、極めて不平等なヒエラルキーが生じる』って、言えちゃうのかもね」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・レナはさ、別に階層の上に位置する人がえらいとも思わないし、その立場になれば幸福になるとも思わない」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「でもね。人と人の間に階層構造が生じるシステムを理解していれば、むやみに自分に一喜一憂せずに済むと思うんだ」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「人生のシステムを理解したら、あとは自分が望む状況とすり合わせて、日々の行動を決めていくだけ」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「上を目指すもよし。ガツガツせず穏やかな幸せを求めるもよし。システムさえ理解してれば、どっちを選んでも幸せになれるから」
レッドアリオン
「・・・・」
No.1キャバ嬢レナ
「ね? 首傾」
レッドアリオン
「・・・・ 涙」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・ごめん・・。傷つけちゃったね・・」
レッドアリオン
「・・・・ 涙」
No.1キャバ嬢レナ
「・・あたしバカだから・・うまく言えなくて・・・ 落」
レッドアリオン
「・・・・ 涙」
No.1キャバ嬢レナ
「・・・・ 落」
レッドアリオン
「・・・ありがとう・・ 涙」
No.1キャバ嬢レナ
「え?」
レッドアリオン
「・・ボクは、人の上に人を造らずって言葉を、堕落の肯定とねじ曲げて、とらえていたのかもしれない・・」
No.1キャバ嬢レナ
「・・アリ夫たん・・」
レッドアリオン
「ありがとう、レナさん!なんだか迷いが消えて、スッキリしました!」
No.1キャバ嬢レナ
「うん 微笑」
レッドアリオン
「今週の中京記念は、レナさんのために走ります! 照」
No.1キャバ嬢レナ
「うん。応援馬券、買っとくね」
レッドアリオン
「でへへ~ 照」
No.1キャバ嬢レナ
「うふ♪」
遠くから見てるオウケン
「・・・ふむ。余裕で落ちたな。アリ夫。さすがレナたん。恐るべし」
- つづく –