屈辱が自分のレベルを上げてくれる 小倉記念 トーセンラー


◆屈辱が自分のレベルを上げてくれる



≪焼き鳥シゲにて≫



オウケンブルースリ
「おお!やった! 喜」


焼き鳥屋 店主シゲ
「どうしたんですかい?」



オウケンブルースリ
「あ。いやー。スマホのオンラインゲームに最近ハマってるんですよー 喜」


焼き鳥屋 店主シゲ
「おもしろいですかい?」



オウケンブルースリ
「おもしろいっすよ!シゲさんはオンラインゲームとかやらないの?」


焼き鳥屋 店主シゲ
「やらないですねえ」


オウケンブルースリ
「なんで?」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・なんつーかよ。『2つの人生を生きる』ことになる気がするんでさあ」


オウケンブルースリ
「2つ?」



焼き鳥屋 店主シゲ
「ああ。1日は24時間しかないのに、自分の人生と、ゲームの人生に、24時間が分散される気がするぜ」


オウケンブルースリ
「ふーん」



焼き鳥屋 店主シゲ
「オレみたいな未熟な人間は、『自分の人生のレベル上げ』だけで精一杯でさあ」


オウケンブルースリ
「ふーん。シゲさんはマジメっすねえー」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



オウケンブルースリ
「でもさ。逆に言えば、『2つの人生を楽しめる』ってことでもあるんじゃないかな?」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・なるほどな。一理あるぜ」



  ガラガラッ



トーセンラー
「こんにちラー!」


焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」



オウケンブルースリ
「お。ラー。久しぶりだな。こっち座れよ」


トーセンラー
「あ。ども。オウケンさんはいつも常駐してラーね。ヒマなのかラ?」


オウケンブルースリ
「うるせえ」



トーセンラー
「あ。シゲさん。ビールと焼き鳥をくラーさい」


焼き鳥屋 店主シゲ
「あいよ」



オウケンブルースリ
「・・小倉記念はどうよ?勝てそうか?ピコピコ」


トーセンラー
「調教の動きはいいラ。・・つーかオウケンさん。それ何やってんラ?」



オウケンブルースリ
「ああ。オンラインゲームをな・・ピコピコ」


焼き鳥屋 店主シゲ
「まずビールおまち」


トーセンラー
「どーもあラがとうです」



オウケンブルースリ
「・・それにしてもおまえは勝ち切れないよなー」


トーセンラー
「・・そうなんラ・・。きさらぎ賞でオルに勝って以来、勝ち星がねえラ 落」



オウケンブルースリ
「G3なら能力は十分なんだがな ピコピコ」


トーセンラー
「・・そうなんラ・・位置取りのミスとか・・はぁー・・ボクの人生ケアレスミスばかりラ・・ 落」


オウケンブルースリ
「・・・・」



トーセンラー
「失敗や後悔の無い人生だったら、どんなにいいだろうラ・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」



トーセンラー
「ねえ?オウケンさん。そう思うラ?」


オウケンブルースリ
「・・・・」


トーセンラー
「・・・・」



オウケンブルースリ
「・・思わん ピコピコ」


トーセンラー
「ラ?」



オウケンブルースリ
「・・なぜなら、失敗や後悔や屈辱っていうのは、人生のレベルを上げるための、経験値だからだ」


トーセンラー
「・・・・」



オウケンブルースリ
「人は『こうすれば良い』というのが分かっていても、自分を変えることは難しい」


トーセンラー
「・・・・」



オウケンブルースリ
「人は、失敗して、後悔して、屈辱を感じた時、初めて変わろうと思うんだ」


トーセンラー
「・・・・」



オウケンブルースリ
「だからそーゆーネガティブな感情ってのは経験値だ。人生のレベル上げだ。オンラインゲームと同じようにな」


トーセンラー
「・・・・」



オウケンブルースリ
「フッ。すまねえ。偉そうに言っちまって 喜」


トーセンラー
「・・・・」



オウケンブルースリ
「あ。オレちょっとトイレ。ビール飲みすぎたかな 走」


トーセンラー
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



トーセンラー
「・・オウケンさんって・・意外と男らしいんですラ?」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・フッ。信じていい男だと、オレは思ってるぜ」



トーセンラー
「・・うん。さすがオウケンさんラ。・・ん?オウケンさん、スマホ置いて行ったのか。何のゲームやってんラ?どれどれ・・」



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トーセンラー
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



トーセンラー
「・・し、信じていい男なのかラ?」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・いや。二度と信じなくていいぜ 汗」



  - つづく –

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