皐月賞2015~ リアルスティール『優越の快感が未来の自分を転落させる』


◆皐月賞2015


【リアルスティール】

○Real Steel
○牡3
○父ディープインパクト
○馬名 意味⇒ アメリカのSFアクション映画名

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◆優越の快感が未来の自分を転落させる



≪焼き鳥シゲにて≫



オウケンブルースリ
「ねえねえシゲさん。桜花賞は不安要素がたくさんあったルージュバックが、ベタに沈んだね」


焼き鳥屋 店主シゲ
「そうですねえ」



オウケンブルースリ
「やっぱり人間は生物であることから逃れられないから、大衆心理による過剰人気は、これからも無くならないね」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ああ」



オウケンブルースリ
「生物として生存確率を高めるには、人と同じ行動をする必要があった。だからその名残で、馬券も無意識にみんなが買う馬を買っちゃうんだよね」


焼き鳥屋 店主シゲ
「そうかもしれませんねえ」



オウケンブルースリ
「例えるならば、ツタヤで『超人気のAVはこれだ!!』って書いてあったら、ついつい借りちゃうのと同じだね」


焼き鳥屋 店主シゲ
「それは知らねえぜ 汗」



オウケンブルースリ
「またまたぁ~。知ってるくせにぃ~。このこのぉ~。ツンツン 指」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ツンツンするな 汗」



  ガラガラッ



リアルスティール
「ちょっとあんたら、神聖なクラシック・皐月賞の回で、なにAVの話してんすか 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「い、いや、オレは被害者だぜ 汗」



オウケンブルースリ
「おう。来たか、リアステ」


リアルスティール
「省略しないでください 汗」



オウケンブルースリ
「皐月賞の今回は、お前をしゃべ馬ゲストに抜擢してやろう」


リアルスティール
「なんで偉そうなんすか 汗」



オウケンブルースリ
「ホントは、ベルーフとか、ミュゼエイリアンの方が、しゃべ馬のネタ的には笑えそうなんだけどな」


リアルスティール
「笑えるかどうかで選んでんすか 汗」



オウケンブルースリ
「先に言っとくけど、お前な、今日1個ぐらい笑いを取って帰らないと、次はないぞ」


リアルスティール
「わ、笑い? 汗」



オウケンブルースリ
「しゃべ馬に登場したがってる馬は、山ほどいるからな。強いだけでは登場できねぇ」


リアルスティール
「き、厳しい世界なんですね 汗」



  ガラガラッ



テスタマッタ
「マッタ!!」


オウケンブルースリ
「ん?」



テスタマッタ
「まだボクが残っているっ!!」


オウケンブルースリ
「・・・ほら。こういう出たがりも多いしな」


リアルスティール
「・・・・汗」



テスタマッタ
「マッタ!」


オウケンブルースリ
「なんだよ」



テスタマッタ
「出たがりゆうナッテ」


オウケンブルースリ
「あ。シゲさん。ビールおかわりね」


焼き鳥屋 店主シゲ
「あいよ」



テスタマッタ
「マッタ! 汗」


オウケンブルースリ
「だからなんだよ」



テスタマッタ
「無視せんといて」


オウケンブルースリ
「・・・あのな?今日は、皐月賞の回なのよ。リアルスティールに話を聞かなきゃいけねえのよ。だからお前の相手をしている暇はないの。わかったら帰れバカ」



テスタマッタ
「・・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」



テスタマッタ
「・・・キック! 蹴」


オウケンブルースリ
「いてて!なにすんだよ! 汗」



テスタマッタ
「ケッタ 喜」


オウケンブルースリ
「蹴るな! 汗」



テスタマッタ
「キックキック!ケンカキック! 喜」


オウケンブルースリ
「い、いてえって!やめろマジで! 汗」



テスタマッタ
「キック!キック!・・・あっ!!」


オウケンブルースリ
「ん?」



テスタマッタ
「・・・ツッタ!!泣」


オウケンブルースリ
「あ、足つってんじゃねえかっ!どんだけ運動不足だよ! 汗」



テスタマッタ
「・・・ツッタツッタ、マジでツッタ 汗汗」


オウケンブルースリ
「おし。今のうちに皐月賞のトークをするぞ、リアステ」


リアルスティール
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「皐月賞は、おまえか、弥生賞を買ったサトノクラウンのどっちかが1番人気というところか?」


リアルスティール
「そんな感じになりそうすね」



オウケンブルースリ
「サトノクラウンは無敗でルメールだから、奴が1番人気っぽいかなあ」


リアルスティール
「ふっふっふ」



オウケンブルースリ
「ん?」


リアルスティール
「計算通りです」


オウケンブルースリ
「え?」



リアルスティール
「桜花賞のルージュバックの例を出すまでもなく、断然の1番人気はマークされて走りにくい」


オウケンブルースリ
「ふむ」



リアルスティール
「だから僕は、スプリングステークスは2着にしといたんですよ。ふっふっふ」


オウケンブルースリ
「そんなこと言ったら怒られるぞ 汗」



リアルスティール
「スプリングステークスで脚を測った感じでは、キタサンブラック・ダノンプラチナ・ベルーフは差せるイメージが湧いた。というか、ボクはたいがいの奴には、すでに勝ってますからね。ドゥラメンテにもミュゼエイリアンにも。ふっふっふ」


オウケンブルースリ
「むう」



リアルスティール
「今日の調教もバッチグー! 親指」


オウケンブルースリ
「む、無理矢理キャラを作ろうとしてるな 汗」



リアルスティール
「唯一の心配は、ミルコとルメールの外人包囲網です」


オウケンブルースリ
「うん」



リアルスティール
「ミルコとルメールを蹴散らして、福永ゆーちゃんがブチ抜けてくるイメージって、湧きます?」


オウケンブルースリ
「怒られるから 汗」



リアルスティール
「まあ、福永祐一さんも最近、好調だし、皐月賞はいただきますよ。まぁ、ダービーが最大目標ですけどね」


オウケンブルースリ
「ふーん」



リアルスティール
「しかしまあ、皐月賞の取材の数がすごいですよ。はっはっは」


オウケンブルースリ
「あっそ」



リアルスティール
「生まれついてのスターの宿命でしょうかねー」


オウケンブルースリ
「ケッ」



リアルスティール
「ボクの脚は、現役屈指の切れ味。ジャックナイフのような末脚は、天からの授かりものですからね 喜」


オウケンブルースリ
「はいはい」



リアルスティール
「切れたナイフ、ですよ」


オウケンブルースリ
「ジュニアなのか、出川なのか 汗」



リアルスティール
「リアルガチ、ですよ」


オウケンブルースリ
「出川だな 汗」



リアルスティール
「絶対押すなよ!」


オウケンブルースリ
「それはダチョウ 汗」



リアルスティール
「・・・1個くらい、笑いとれましたかね?」


オウケンブルースリ
「必死だな 汗」



リアルスティール
「まぁそんなわけで、僕はリアルガチのエリート。サンデーレーシングのー、ディープインパクト産駒のー、矢作厩舎のー。選ばれし者」


オウケンブルースリ
「ふーん」



リアルスティール
「一般庶民からの羨望の眼差しが優越感!チョー気持ちいい! 喜」


オウケンブルースリ
「北島 汗」



リアルスティール
「皐月賞を勝ったら『チョー気持ちいい!』、ダービーを勝ったら『なんも言えねぇ!涙』、と言います」


オウケンブルースリ
「出川じゃねえのかよ 汗」



リアルスティール
「それにしても、他人から『すごい』と言われる事は、本当に気分がいいですねえ 喜」


オウケンブルースリ
「まぁそりゃーそうだろう」



リアルスティール
「ボクは、これからも羨望の眼差しを浴び続ける人生を歩みたいですねー。はっはっはー 笑」


オウケンブルースリ
「はいはい。・・どうすか?シゲさん」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」


オウケンブルースリ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・優越の快感は、未来の自分を転落させる」


リアルスティール
「え?」



焼き鳥屋 店主シゲ
「他人から『すごい』と思われる事は、誰でも気分がいい。優越感とは、快感物質のドーパミンの分泌だからだ」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「だからこそ、人は本能的に優越感を求める」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「他人より能力があることをひけらかしたい。他人より良い車を自慢したい。他人より良いブランドバッグを自慢したい。他人より幸福であることを自慢したい」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「だが、そうやって得た優越感は、多くの場合、未来の自分を転落させる」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「1つは『すごい』と言われることによって、自分自身が慢心するため」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「そしてもう1つは、自慢された他人から妬まれて、足を引っ張られるためだ」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「だからよ・・」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「達成したい目標があるうちは、優越感を遠ざけなければならねえ」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「自分のことを『すごいんだ!』なんて思ったら、そこで終わりだ」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「人生は常に、他人との比較ではなく、自分との戦いなんだぜ」


リアルスティール
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「な。」


リアルスティール
「・・・はい・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ。すまねえ。偉そうに言っちまって」


リアルスティール
「・・いえ・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



リアルスティール
「心に響きました・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ」



リアルスティール
「ありがとう!シゲさん!僕は、知らず知らずのうちに慢心していました。早いうちに気づけてよかったです!」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ああ。あんたは、まだまだ強くなるぜ」


リアルスティール
「はい!」



オウケンブルースリ
「はっはっは。一件落着だな。じゃあオレは帰るぜ」



   カタン



リアルスティール
「ん?オウケンさん。何か落としましたよ?・・・DVD?」


オウケンブルースリ
「ああ。拾ってもらっちゃってスマンな。・・・はうっ!!汗汗」



 ⇒『大人のナースのお仕事~ ああっ。すごいっ♪夜のドーパミンが止まらないっっ!』



リアルスティール
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだ!汗 こ、これには深いワケがっ! 汗汗」


リアルスティール
「・・・シゲさん。皐月賞は慢心しないよう、全力で頑張ってきます。応援しててくださいね。シゲさん『だけが』応援しててくださいね」


焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだぁぁーー!!汗汗」



  - つづく –

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