函館スプリントS~ストレイトガール『愚か者がいなくなったら世の中は退屈だ』


◆函館スプリントS2014


【ストレイトガール】

○Straight Girl
○牝5
○父 フジキセキ
○馬名の意味⇒ まっすぐな少女

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◆愚か者がいなくなったら世の中は退屈だ



≪焼き鳥シゲにて≫



焼き鳥屋 店主シゲ
「そういえばオウケンさん。エプソムカップで儲けたらしいですねえ」


オウケンブルースリ
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「ん?馬券当たったんじゃないんですかい?」


オウケンブルースリ
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



オウケンブルースリ
「・・・オレは愚か者だ・・シゲさん・・ 落」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ど、どうしたんですかい? 汗」



  ガラガラッ



焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」


ストレイトガール
「こんにちはーーー! 走直」



焼き鳥屋 店主シゲ
「ま、まっすぐに走ってきたぜ 汗」


ストレイトガール
「オウケンさん!馬券で勝ったんですね!じゃあ今週は、函館スプリントに私が出るから、コロガシでさらに増やしちゃいますか! 喜」



オウケンブルースリ
「・・・・ 落」


ストレイトガール
「あ、あれ? 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



オウケンブルースリ
「・・・金なんかねえよ・・ 落」


ストレイトガール
「な、なぜ? 汗」



オウケンブルースリ
「・・・フッ。それはオレが、愚か者だからさ 苦笑」


ストレイトガール
「は? 汗」



オウケンブルースリ
「・・・フッ。ここは愚か者の酒場さ・・ 苦笑」


ストレイトガール
「オ、オウケンマッチになってますよ 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「いや、愚か者の酒場じゃねえぜ 汗」



オウケンブルースリ
「・・・シゲさん・・愚か者のオレは帰ります・・ごめん。ツケといておくんなまし・・ 落歩」


焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗 また来ておくんなせえ 汗」



   バタン



ストレイトガール
「・・・・汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



ストレイトガール
「い、一体どうしたんでしょうかね? 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ナゾだぜ 汗」



  ガラガラ・・



焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」


おばあちゃん
「・・・あの~・・ちょっとお聞きしたいんですがねえ・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「ん?道にでも迷われましたかい?」


おばあちゃん
「・・・いえ・・あの~・・ここに、『オロカモノブルースリ』というお方は、いらっしゃいますかいのう・・?」



ストレイトガール
「は? 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・オロカモノ・・ですかい?」



おばあちゃん
「・・・はあ・・。そうですわ」


ストレイトガール
「・・・・?」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



おばあちゃん
「・・・実はさっき、こんなことがありましてのう・・」



≪回想シーン~ 駅前通りにて≫



オウケンブルースリ
「ぎゃーははは!!喜 エプソムカップ万馬券的中!この金で、まずシゲさんとこで飲んで⇒レナたんとこで飲んで⇒そのあとは・・・むふふふふふ♪♪」



  ザワザワ



オウケンブルースリ
「ん?なんだ?騒がしいな」



おばあちゃん
「・・ワ、ワシの金・・取られてもうた・・ 涙」


オウケンブルースリ
「・・・なんだあのババア。はっはっは。おかしなヤツには関わらないのが吉だな。さあ!今日は朝まで酒池肉林だぜっ! 喜」



おばあちゃん
「・・・す、すみません。孫に洋服とゲームをプレゼントしてやりたくて、田舎から出てきたんじゃが、スリに金とられてしもたんです・・・涙」


通行人の男性
「な、なんだよバアサン 汗 知らねえよ 汗」


オウケンブルースリ
「・・・・」



おばあちゃん
「帰りの電車賃もありません・・。電車賃だけでも貸してもらえんじゃろうか? 涙」


通行人の女性
「ちょ、ちょっと困ります 汗 ついてこないでください 汗」



オウケンブルースリ
「・・・・相手にするな。オウケンブルースリよ。弱者救済は強者の役目。オレのようなパンピーの仕事では無い・・」


おばあちゃん
「・・どうか、お願いだす・・。電車賃を・・」



茶髪の通行人
「なんだよ!うるせーよ!触んなババア!ドン! 押」


おばあちゃん
「・・うわわ・・ ドテ 倒」



オウケンブルースリ
「・・・同情するな。オウケンブルースリよ。単なる同情は、相手のためにも自分のためにもならん。相手にするな。愚か者になりたいのか?」


おばあちゃん
「・・・うう・・ 涙 大都会はおっがねえとこだべさ・・・涙」



オウケンブルースリ
「・・・オウケンブルースリよ。お前は今から、焼き鳥を食って、レナたんにお触りして、そのあとは、むふふ♪だろう?・・・おかしな事は考えるな。愚か者になりたいのか?」


おばあちゃん
「・・・うう・・。孫の顔・・・一目でいいから・・見たかった・・・涙」


オウケンブルースリ
「・・・・」



通行人の若者
「オイ!バアサン!そんなところに座り込んでんじゃねえ!ジャマだ!ドン 蹴」


おばあちゃん
「・・ああ・・す、すいません・・ 涙」



オウケンブルースリ
「・・・おい・・。おまえ」


通行人の若者
「あぁっ?! 怒」



オウケンブルースリ
「・・・今・・蹴らなかったか?・・」


通行人の若者
「なんだよ。軽くだろ? 怒」



オウケンブルースリ
「・・・ほう。軽くならいいんだな?・・」


通行人の若者
「え? 汗」



オウケンブルースリ
「・・なら・・オレがお前を軽く蹴っても・・いいってことだな?・・」


通行人の若者
「う・・ 汗」



オウケンブルースリ
「いーんですね?」


通行人の若者
「・・な、なんだよ 汗 やめろよ。じゃあなバーカ! 逃」



オウケンブルースリ
「・・・・」


おばあちゃん
「・・・ああ・・。ワシのためにスンマセンです・・」



オウケンブルースリ
「・・・立てるか?ババア 手」


おばあちゃん
「は、はい・・ありがとうごぜえますだ 起」



オウケンブルースリ
「・・・・」


おばあちゃん
「・・・・?」



オウケンブルースリ
「ババアよ・・」


おばあちゃん
「は、はい・・?」



オウケンブルースリ
「・・・こ・・こここ・・・この金を・・ 手震」


おばあちゃん
「え?」



オウケンブルースリ
「お孫さんに、洋服とゲーム・・かかか・・買ってやるんだろ? 震」


おばあちゃん
「あ・・」



オウケンブルースリ
「ババアの電車賃を合わせても、十分に足りるはずだ 震」


おばあちゃん
「い、いえ・・そんな・・受け取れねえだ・・」



オウケンブルースリ
「い、い、・・・」


おばあちゃん
「い?」



オウケンブルースリ
「・・・いーんです! 泣」


おばあちゃん
「で、でも・・・」



オウケンブルースリ
「いーーんです!! 号泣」


おばあちゃん
「でもでも・・・」



オウケンブルースリ
「じゃあなババア 泣 オレの気が変わらないうちに行け 涙」


おばあちゃん
「ああ・・ 涙 せめてお名前だけでも・・ 涙」



オウケンブルースリ
「・・・フッ。愚か者ブルースリ・・とでも呼んでくれや 涙」


おばあちゃん
「あ・・ありがとうごぜえますだ・・・ありがとうごぜえますだ・・・ 涙」



オウケンブルースリ
「ヒーン!! 泣走」


おばあちゃん
「・・・ん?マッチを落としていかれた・・・『焼き鳥シゲ』・・・」



≪回想シーン終わり~ 焼き鳥シゲにて≫



おばあちゃん
「・・・と、こんなことがあったんですわ・・」


ストレイトガール
「な、なんだって? 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



おばあちゃん
「それで・・・一言、お礼が言いとうて・・」


ストレイトガール
「な、なんて、まっすぐな話なんだ 汗」



おばあちゃん
「じゃから・・どうか・・お礼を伝えておいてもらえんじゃろか・・?」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」


おばあちゃん
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・ああ。伝えておくぜ。必ずな」


おばあちゃん
「あ・・ありがとうごぜえますだ 涙 ではワシはこれで・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「おばあちゃんな」


おばあちゃん
「は、はい」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・寒かったろう?甘酒、飲んでいくかい?俺のおごりだぜ」


おばあちゃん
「・・ああ・・ 涙 こんなワシに・・そんな親切にしてくれるんですかいな・・ 涙」



焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ。当たり前だぜ」


おばあちゃん
「あ・・ありがとうごぜえますだ・・ 涙 この大都会にも、まだ優しい人がおったんだべなあ・・ 涙」



焼き鳥屋 店主シゲ
「おう。ここはよ。愚か者の酒場だからな」



  - つづく –

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