札幌記念~ハープスター『失敗と成功はワンセットと認識しておく』
◆札幌記念2014
【ハープスター】
○Harp Star
○牝3
○父 ディープインパクト
○馬名 意味由来⇒ ベガの別名
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◆失敗と成功はワンセットと認識しておく
≪ブエナ組 事務所にて≫
ペルーサ
「コンコン・・・ 姐さん!失礼しやす! 緊張」
ブエナビスタ
「・・・なんや 目鋭」
ペルーサ
「い、移動販売の焼きたて、ふわふわメロンパンをお持ちしやした! 汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「はっ!汗 女傑の姐さんが、メロンパンなど食べませんよね!汗 すいやせん!汗」
ブエナビスタ
「・・いや・・もらおう」
ペルーサ
「は、はいっ!汗 ででで、では、アッシの分と『半分こ』で! 汗汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「て、手で半分こにしやす! 汗割メ」
ブエナビスタ
「・・ペルーサ」
ペルーサ
「・・うぬぬー・・ 握握」
ブエナビスタ
「・・ペルーサよ」
ペルーサ
「・・ぬー!はいぃぃー! 割」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「あ、姐さん!汗 では、この半分をどうぞ! 汗握メ垢」
ブエナビスタ
「・・・ペルーサ」
ペルーサ
「は、はいっ!汗 ご遠慮なく召し上がってください! 汗」
ブエナビスタ
「・・・召し上がりたいのは山々だが、お前の汗と手アカが、タップリ練りこまれた上に、お前が馬鹿力で握りつぶすから、カチカチで食えん」
ペルーサ
「はうっ!!汗汗 すすす、すいやせんっ!汗 かかか、かくなる上は・・!汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「ゆゆゆ、指を!詰めやす!汗汗」
ブエナビスタ
「・・・・」
ペルーサ
「こ、この小指でオトシマエ!オトシマエをっ!!汗汗」
ブエナビスタ
「・・・ペルーサよ」
ペルーサ
「オト!オトシマエ!ヲウッ!!汗汗」
ブエナビスタ
「ペルーサ」
ペルーサ
「オト!オト!オトーチャン!カエリニ オトーフカッテキテー!!汗汗」
ブエナビスタ
「・・・・汗」
ペルーサ
「オト!オト!オトーフハ、マーボードウフニツカウノーー!!汗汗」
ブエナビスタ
「・・ペルーサ。お豆腐も指もいらん」
ペルーサ
「イラン?」
ブエナビスタ
「・・お前の指もろてどうするんや」
ペルーサ
「は、はいっ 汗 すいやせんっ 汗汗」
ブエナビスタ
「・・簡単に、落とし前とか言うなや・・ 怒」
ペルーサ
「すすす、すいやせんっ! 震」
コンコン
ガチャ
麦わら帽子の女
「イエーイ♪姐さん、お元気~?」
ペルーサ
「だ、誰じゃワレァー!!怒 姐さんのお部屋に勝手に入るんじゃねえ!この野郎!ブチころっぞ!オラァー! 怒」
麦わら帽子の女
「こ、こわー 汗」
ペルーサ
「出て行け!オラァー! 怒」
ブエナビスタ
「・・・ペルーサ。ええんや」
ペルーサ
「は?」
ブエナビスタ
「・・・麦わら帽子とは夏らしいな。ハープ」
麦わら帽子の女
「えへ♪変装したのにバレバレ? 脱」
ブエナビスタ
「わかるわアホ」
ハープスター
「・・・春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは 微笑」
ブエナビスタ
「フッ。なんやそれ。今は夏や」
ハープスター
「・・・夏は夜。月のころはさらなり 微笑」
ブエナビスタ
「もうええわ 苦笑」
ペルーサ
「し、失礼しやした 汗 お嬢さんとは気づかず 汗」
ハープスター
「いーえー♪」
ブエナビスタ
「・・・ハープ。札幌記念の調教はどうや?」
ハープスター
「はーい♪まずまず、いい感じでーす♪・・でも・・」
ブエナビスタ
「ん?」
ハープスター
「またクツが脱げましたー♪」
ブエナビスタ
「・・・・汗」
ハープスター
「オークスも落鉄で負けたしー、今週の調教でも落鉄したしー。こりゃー札幌記念の本番もクツ脱げるな 笑」
ブエナビスタ
「笑えんわ 汗」
ハープスター
「蹄底が薄いから、落鉄しやすいんですの。アタクシ」
ペルーサ
「そ、そりゃあ、一大事だ!お嬢さん!アッシのアロンアルファを使ってください! 接」
ハープスター
「お、お気持ちだけ、いただいておきます 汗」
ブエナビスタ
「・・・ゴールドシップは、雰囲気良さそうやな」
ハープスター
「そうみたいですねー」
ブエナビスタ
「勝てるか?」
ハープスター
「うーん。あのオッサンが全開で走った日には、誰も追いつけないでしょ 汗」
ブエナビスタ
「・・弱気なこと言うなや」
ハープスター
「だってだってぇ~。アタクシは脚質的に、どうしても展開に左右されるしぃ~」
ブエナビスタ
「・・・・」
ハープスター
「しかも今回は、激烈小回りの札幌だしぃ~」
ブエナビスタ
「・・・・」
ハープスター
「クツ脱げそうだしぃ~」
ブエナビスタ
「・・・・汗」
ハープスター
「・・・もし札幌記念でクツ脱げたら、レース後に『こけちゃいました 笑』って名言を残そう♪」
ブエナビスタ
「谷口 汗」
ハープスター
「・・・それに何と言っても・・。姐さんの札幌記念がよぎるから・・」
ブエナビスタ
「・・・・」
ハープスター
「5年前・・姐さんも凱旋門賞を目指して札幌記念を走った。誰もが確勝を疑わなかった。でも・・・」
ブエナビスタ
「・・・・」
ハープスター
「・・・アタクシも・・届かないんじゃないかって・・」
ブエナビスタ
「・・・・」
ハープスター
「ちょびっと不安です・・ 落」
ブエナビスタ
「・・・・」
ハープスター
「・・・・ 落」
ブエナビスタ
「・・・私とおまえの違いを教えてやろう」
ハープスター
「え?」
ブエナビスタ
「それは・・・」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「・・・先に負けがあることや」
ハープスター
「・・・先にマゲがある?」
ブエナビスタ
「ゆ、ゆっとらんわ 汗 この話の流れ的に、ちょんまげは出てこんやろが 汗」
ハープスター
「すんまそん。・・で?」
ブエナビスタ
「・・・そう。おまえが私と違う点は、JFとオークスで負けたことや」
ハープスター
「え?」
ブエナビスタ
「私は、JF⇒桜花賞⇒オークスと、全て勝って札幌記念に挑んだ」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「だが、今思えば、もしかすると勝ってしまったが故に、どこかに油断や驕りがあったのかもしれん」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「その点において、お前はJFとオークスを取りこぼしている」
ハープスター
「め、面目ない 汗」
ブエナビスタ
「落鉄も、差しそこねも、オークスで経験済みやろう?」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「同じミスはしない」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「・・・と、思う」
ハープスター
「・・・・汗」
ブエナビスタ
「・・・成功と失敗は常にワンセットや」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「禍福はあざなえる縄のごとし。良い事の後には悪いことが起こりやすく、悪いことの後には良いことが起こりやすい」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「それはもしかしたら、人の心が引き寄せる必然なのかもしれんな」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「負けた屈辱を、無駄にするなや。ハープ」
ハープスター
「・・はい・・」
ブエナビスタ
「フッ。そう固くなるな。ここは勝ち負けより体調を整えることが最優先。本番は凱旋門賞や」
ハープスター
「はいっ」
ブエナビスタ
「気楽に頑張ってこいや」
ハープスター
「はい!ありがとうございます!姐さん!!・・・ふー。なんかお腹空いちゃった♪ん?この丸いおにぎり、美味しそー♪いただきまーす 食」
ブエナビスタ
「ハ、ハープ 汗 それは・・・ 汗」
ハープスター
「・・・モグモグ。うん。塩分がきいてておいしい♪これ、何おにぎりですかぁ?」
ブエナビスタ
「・・・・」
ハープスター
「・・・・」
ブエナビスタ
「・・・ペルーサ握りや」
ハープスター
「は? 汗」
ブエナビスタ
「・・ペルーサの汗と、手アカがたっぷりの、メロンパンや 汗」
ハープスター
「ブッ! 吹メ」」
ブエナビスタ
「あ、安心せい 汗 たぶん体に悪影響はないはずや 汗」
ハープスター
「ぎ、ぎいやぁぁぁーーー!!!涙爆走」
- つづく –