みやこステークス~インカンテーション『1手先が絶望でも3手先に希望がある』
◆みやこステークス2014
【インカンテーション】
○Incantation
○牡4
○父シニスターミニスター
○馬名 意味由来⇒ 呪文・呪術
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◆1手先が絶望でも3手先に希望がある
≪喫茶JIROにて≫
オウケンブルースリ
「あれ?こんなとこに喫茶店できたんだ。ちょっと入ってみるか」
カランコロ~ン
喫茶店マスター 二郎
「いらっしゃいませ?」
オウケンブルースリ
「あ。どーも。営業してる?」
喫茶店マスター 二郎
「はい。ご覧の通り、繁盛しておりますよ?」
オウケンブルースリ
「だ、誰も客いねぇけど 汗 閑散としてるじゃねえか 汗」
喫茶店マスター 二郎
「ご注文の方、繰り返します」
オウケンブルースリ
「ま、まだ注文してねえわっ! 汗」
喫茶店マスター 二郎
「なぜ御注文されないのですか?」
オウケンブルースリ
「まだそんなタイミングじゃなかっただろ 汗」
喫茶店マスター 二郎
「早く注文してください」
オウケンブルースリ
「チッ。なんか腹立つな。このマスター ブツブツ」
喫茶店マスター 二郎
「・・・・」
オウケンブルースリ
「ねぇマスター。この店のオススメは?」
喫茶店マスター 二郎
「はい。最近流行の、パンケーキなど」
オウケンブルースリ
「お。パンケーキあるの?」
喫茶店マスター 二郎
「ございません」
オウケンブルースリ
「ねえのかよっ!!怒 オススメっつっただろうがっ!!怒」
喫茶店マスター 二郎
「流行やブームを追いかけるスタンスのビジネスモデルでは、人気を維持し、運営を永続させることは困難ですからね」
オウケンブルースリ
「い、今にもつぶれそうな運営だけど 汗」
喫茶店マスター 二郎
「失敬なこと言わないでください。ハゲチャビンさま」
オウケンブルースリ
「だ、誰がハゲチャビンさまだ!コラァー!!怒」
喫茶店マスター 二郎
「申し上げございません。他のお客様のご迷惑になりますので、大声は出さないでください」
オウケンブルースリ
「他に客いねえだろうがっ!!怒」
喫茶店マスター 二郎
「・・・なぜお客がいないんでしょうか?」
オウケンブルースリ
「知らねえよっ!怒 オマエがそんな接客してっからだろ! 怒」
喫茶店マスター 二郎
「お客さま?」
オウケンブルースリ
「なんだよっ!怒 ちょっとええ声で、語尾を上げるな!ホテルマンかっ! 怒」
喫茶店マスター 二郎
「ほうじ茶でよろしかったですか?」
オウケンブルースリ
「よろしくねえわっ!怒 なんでオレの注文をオマエが決めるんだ! 怒」
カランコロ~ン
インカンテーション
「こんにちは~。やってますか?」
オウケンブルースリ
「お。客だぞマスター。よかったな」
喫茶店マスター 二郎
「いらっしゃいませ?お二人さまでよろしかったですか?」
インカンテーション
「い、いや、どう見ても1人でしょ 汗」
喫茶店マスター 二郎
「孤独なロンリーですか?」
インカンテーション
「し、失礼だなアンタ 汗」
オウケンブルースリ
「・・・おう。そのマスターな、気をつけた方が良いぞ。兄ちゃん」
インカンテーション
「あれ。オウケンさん。いらっしゃってたんですね」
オウケンブルースリ
「おう。おまえはたしか・・・」
インカンテーション
「はい。今週の、みやこステークスに出走する、印鑑です」
オウケンブルースリ
「お、おう 汗 印鑑くんか 汗」
インカンテーション
「僕は、現在2連勝中。今週で3連勝を決めてやりますよ」
オウケンブルースリ
「ほう。自信あるのか?」
インカンテーション
「フッ。もちろんです。僕は、新潟と中京の左回りダートは、得意中の得意なのです 喜」
オウケンブルースリ
「み、みやこステークスは、右回りの京都なんですけど 汗」
インカンテーション
「今回のメンバー、実績的にはやはりG1ホースのニホンピロアワーズさんですが、あの人も、もう7歳。そろそろ世代交代です」
オウケンブルースリ
「ふむ」
インカンテーション
「そう考えると敵は、同じフレッシュな4歳馬、クリノスターオー」
オウケンブルースリ
「ああ。重賞で絶賛活躍中だな」
インカンテーション
「しかし、奴とはすでに、エルムステークスで勝負づけが済んでいる」
オウケンブルースリ
「ほう」
インカンテーション
「5馬身差でした」
オウケンブルースリ
「へー。おまえもやるな」
インカンテーション
「いや」
オウケンブルースリ
「ん?」
インカンテーション
「・・・僕が5馬身離されて負けました 泣」
オウケンブルースリ
「た、たしかに勝負づけは済んでるな 汗」
インカンテーション
「今回、クリノスターオーより、斤量面で1キロのアドバンテージがありますが、1キロじゃ5馬身むりっしょ 泣」
オウケンブルースリ
「た、たしかに 汗」
インカンテーション
「オワタ 泣」
オウケンブルースリ
「・・・・汗」
喫茶店マスター 二郎
「・・・お話し中、申し訳ございません。印鑑さま?」
インカンテーション
「は、はい? 汗」
喫茶店マスター 二郎
「・・・・」
インカンテーション
「・・・・」
喫茶店マスター 二郎
「・・・申し訳ございません。今、何か言おうとしたんですが、完全に忘れましたです」
インカンテーション
「と、鳥頭かっ! 汗」
喫茶店マスター 二郎
「思い出しました」
インカンテーション
「はええなっ! 汗」
喫茶店マスター 二郎
「・・・忘れました」
インカンテーション
「なんだテメーわっ!!怒」
オウケンブルースリ
「・・・・汗」
喫茶店マスター 二郎
「・・・3手先を見る・・」
インカンテーション
「え?」
喫茶店マスター 二郎
「妙手というのは、3手先を見るところから生まれるです」
インカンテーション
「・・・・」
喫茶店マスター 二郎
「目先の1手だけを考えていると、方向を見誤るです」
インカンテーション
「・・・・」
喫茶店マスター 二郎
「印鑑さま。たしかにあなたは、エルムステークスでクリノスターオーさまに5馬身チギられた。惨敗です。クズです」
インカンテーション
「ブ、ブン殴っていいスか?オウケンさん 怒」
オウケンブルースリ
「お、落ち着け。印鑑 汗」
喫茶店マスター 二郎
「今回の、みやこステークスも、同じ右回り。敗色濃厚。また惨敗コース。さようなら印鑑」
インカンテーション
「コ、コロすっ!!怒」
オウケンブルースリ
「こ、こらえろ印鑑 汗」
喫茶店マスター 二郎
「・・・しかし、印鑑さま?」
インカンテーション
「語尾を上げるな!怒 ホテルマンかっ! 怒」
喫茶店マスター 二郎
「・・・3手先を見ましょう」
インカンテーション
「あぁっ!? 怒」
喫茶店マスター 二郎
「みやこステークスの先に・・・何が見えますか?」
インカンテーション
「え・・」
喫茶店マスター 二郎
「・・・そう。『チャンピオンズカップ』ですます!」
インカンテーション
「あ・・」
喫茶店マスター 二郎
「チャンピオンズカップ。それは、旧ジャパンカップダート」
インカンテーション
「・・・そうか・・」
喫茶店マスター 二郎
「ジャパンカップダートは今年から『チャンピオンズカップ』に改名。そしてそのコースは・・・」
インカンテーション
「・・・うん・・」
喫茶店マスター 二郎
「・・・左回りの、中京ダート1800mなのですます!」
インカンテーション
「・・・得意の・・中京ダート・・」
喫茶店マスター 二郎
「そうです。1手先を見ると絶望的な状況も、3手先を見ると希望に変わる」
インカンテーション
「・・・・」
喫茶店マスター 二郎
「何事においても、結果を出す人というのは、目先のものにとらわれず、3手先から逆算して今の1手を決めているです!」
インカンテーション
「・・・・」
喫茶店マスター 二郎
「それこそが成功の秘訣。ええ。そうですとも。喫茶店経営と同じなのですます!」
インカンテーション
「3手先・・・」
オウケンブルースリ
「き、喫茶店経営は、失敗してねえか?汗 客いねえけど 汗」
インカンテーション
「・・・マスター」
喫茶店マスター 二郎
「ほい?」
オウケンブルースリ
「は、腹立つ 汗」
インカンテーション
「・・・ありがとう・・。今日、この喫茶店に来てよかった」
喫茶店マスター 二郎
「そうですか。パンケーキを焼いた甲斐がありました」
オウケンブルースリ
「焼いてねえしっ! 汗」
インカンテーション
「マスター。みやこステークスは、勝ち負けにこだわりすぎず、先のことも考えて走ってみるよ」
喫茶店マスター 二郎
「はい。応援してますです」
インカンテーション
「うん!」
喫茶店マスター 二郎
「・・・では最後に私から、印鑑さまへ、激励の『川柳』を贈りますです! 喜」
インカンテーション
「いや、いいです」
喫茶店マスター 二郎
「ブッ! 吹」
インカンテーション
「う、うわっ!汗 吹き出さないでください!汚いなあ! 汗」
喫茶店マスター 二郎
「激励の川柳を贈りますです。遠慮なさらず」
インカンテーション
「くっ・・。聞かないと帰れないのか・・ 汗」
喫茶店マスター 二郎
「575でバシッと決めます。・・・行きますですよ!!」
インカンテーション
「・・・・」
『みやこから
見える先には
チャンピョンズカップ』
喫茶店マスター 二郎
「・・・ご清聴、ありがとうございましたです 照」
オウケンブルースリ
「・・・ゴ、ゴロ悪すぎだろ 汗 なにが575でバシッと決めますだ 汗 チャンピョンズとか強引に短くしてるし 汗」
インカンテーション
「な、中身もゼロっすね 汗」
喫茶店マスター 二郎
「・・・・ 喜」
- つづく –