きさらぎ賞2015~ ルージュバック『挫折の大きさが器の大きさとなる』


◆きさらぎ賞2015


【ルージュバック】

○Rouge Buck
○牝3
○父マンハッタンカフェ
○馬名の由来⇒ ブランデーをジンジャーエールで割ったカクテル

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◆挫折の大きさが器の大きさとなる



≪焼き鳥シゲにて≫



焼き鳥屋 店主シゲ
「シゲ特製、焼き鳥入り太巻き、おまち」


オウケンブルースリ
「おおっ!喜 スゲー!恵方巻き!」



焼き鳥屋 店主シゲ
「方角はそっちだぜ」


オウケンブルースリ
「おし!一気に食うべし! モグモグ」



焼き鳥屋 店主シゲ
「お茶おまち」


オウケンブルースリ
「・・・モグモグ・・。うん。うまし。・・・でもさあ、こーゆーのはできれば俺じゃなくて、美人のレナたんに食べてほしいよね 喜」


焼き鳥屋 店主シゲ
「しらねえぜ 汗」



オウケンブルースリ
「そもそも恵方巻の起源は、遊郭でのそういう遊びだという説もあるし」


焼き鳥屋 店主シゲ
「さあな 汗」



オウケンブルースリ
「オブラートに包まずに、ぶっちゃけトークしていいっすか?」


焼き鳥屋 店主シゲ
「ダメだぜ 汗」



オウケンブルースリ
「要するに、チ・・」



  ゴンッ!(タライ)



オウケンブルースリ
「ンコはぁぁーー!!泣」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・シゲ特製タライ、成功だぜ」



   ガラガラッ



焼き鳥屋 店主シゲ
「へい!らっしゃい!」


ルージュバック
「・・・すみません・・。私の口紅・・落ちてませんでしたか? 困」


オウケンブルースリ
「ん?口紅?」



ルージュバック
「はい・・。私の大切な口紅なんです・・」


オウケンブルースリ
「えーと、キミはこの店にいつ来たの?」



ルージュバック
「・・・今日が初めてなんです・・」


オウケンブルースリ
「じゃあねえよ 汗」



ルージュバック
「・・・ヒドイ・・ 泣」


オウケンブルースリ
「いや、ヒドイ・・じゃなくて 汗」



焼き鳥屋 店主シゲ
「口紅って、これかい?」


ルージュバック
「あ!私の口紅!」


オウケンブルースリ
「あるんかいっ! 汗」



ルージュバック
「返してください!私の口紅!」


オウケンブルースリ
「・・・返せってさあ、シゲさんは探してくれたんだろ?そういう言い方は・・」



ルージュバック
「口紅返して!ねえ返して!」


オウケンブルースリ
「・・・・汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



ルージュバック
「ルージュ返して!さあ、ルージュバック!!手」


焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗 今度はなくさねえように、大切にしまっておきなせえ 汗」



ルージュバック
「ありがとう!バッグにしまっておきます!」


オウケンブルースリ
「・・・キミ・・、なんか見たことあると思ったら、今週のきさらぎ賞に出る・・」



ルージュバック
「あれ?! 汗」


オウケンブルースリ
「ん?」



ルージュバック
「口紅がない! 汗」


オウケンブルースリ
「は?」



ルージュバック
「私の口紅がない!ねえないの! 泣」


オウケンブルースリ
「・・・さ、さっきバッグにしまってたけど 汗」



ルージュバック
「え?・・・。あ!!ホントだ!ルージュがバッグにあった!・・・ルージュバッグ!!喜」


オウケンブルースリ
「・・・だ、だいぶめんどくせえな、この子 汗」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



ルージュバック
「あ。ご挨拶が遅れました。私の名前はルージュバック。ルージュバックとは、ブランデーベースのジンジャエールカクテルであり、口紅ではありません」


オウケンブルースリ
「キ、キミが口紅を押してきたのでは 汗」



ルージュバック
「おじさん。ルージュバックをひとつ」


焼き鳥屋 店主シゲ
「あいよ」


オウケンブルースリ
「おじさんゆうな 汗 シゲさんな 汗」



ルージュバック
「私、今週のきさらぎ賞に出るんです」


オウケンブルースリ
「ああ。知ってるよ。『関東の怪物牝馬』とか、あっちこっちの新聞で見かけるからな」



ルージュバック
「はい。キャロットファームは、昨年のエピファネイア先輩、ハープスター先輩などに続き、今年もスター誕生。それは私」


オウケンブルースリ
「キ、キミ、ビッグマウスだな 汗 まだ2戦しかしてないのに 汗」



ルージュバック
「・・・デビュー戦は超スローの流れを、上がり32.8の音速の末脚で差し切り。ヨユー」


オウケンブルースリ
「むう」



ルージュバック
「2戦目は、牡馬クラシックの有力候補、ブリーフ君を並ぶ間もなく差して1着。2馬身差以上。しかもレコードタイム。ヨユー」


オウケンブルースリ
「ベルーフな 汗」



ルージュバック
「牝馬なのに牝馬限定戦に出ない、男気溢れる牝馬。それが私」


オウケンブルースリ
「むう 汗」



ルージュバック
「今年の私のスケジュール予定は・・・」



■きさらぎ賞優勝⇒ 皐月賞優勝⇒ ダービー優勝⇒ 凱旋門賞優勝



オウケンブルースリ
「・・・・汗」


ルージュバック
「どうですかー!お客さーん! 喜」


オウケンブルースリ
「猪木 汗」



ルージュバック
「おじさん。おつまみに、生ハムを」


焼き鳥屋 店主シゲ
「あいよ」



オウケンブルースリ
「・・・でもよお、きさらぎ賞は少頭数ながら、素質のありそうな若駒がいるぜ?」


ルージュバック
「はい。ジャーニーさんの全弟のアッシュモームド君とか」


オウケンブルースリ
「アッシュゴールドな 汗」



ルージュバック
「さらに、エアグルーヴの孫、ポルトドドドートドートー君とか」


オウケンブルースリ
「ポルトドートウィユ、だっ!!汗 むちゃくちゃじゃねえかっ! 汗」



ルージュバック
「そして、スイープトウショウの息子、トガッタ君とか」


オウケンブルースリ
「尖ってねえわっ!汗 レガッタだ! 汗」



ルージュバック
「・・・全部、蹴散らしてきますよ」


オウケンブルースリ
「ふーん」



ルージュバック
「・・・応援してくれるかな?!・・・いいともー! 喜」


オウケンブルースリ
「あ。シゲさん、もつ煮込みを」


焼き鳥屋 店主シゲ
「あいよ」



ルージュバック
「き、聞いてよー! 汗」


オウケンブルースリ
「いや、キミのハイテンションに、疲れてきちゃって 汗」



ルージュバック
「とにかく!関東の怪物牝馬として、私は、輝かしい競争生活を送り、引退して優しい子どもたちに囲まれ、1つの挫折もない人生をまっとうするのが夢なのですっ! 喜」


オウケンブルースリ
「ふーん」



ルージュバック
「ねえ、おじさん。そんな人生、サイコーよねっ 喜」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・挫折の大きさが、器の大きさとなる・・」


ルージュバック
「え?」



焼き鳥屋 店主シゲ
「努力を重ねて、挫折することなく輝かしいキャリアを積んでいくことはすごいことだ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「誰もが、そんな傷のない人生に憧れる。挫折や屈辱や失敗は、苦しいからだ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「だがその一方で、挫折を知らぬ者は、どこか薄っぺらい人格になりがちだ」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「挫折を知らぬ者は、価値観が単調で、思考の幅が狭いことがある」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「安いエリート意識と、狭量な優越感に浸っているうちに、人としての魅力を失うこともあるのかもしれねえな」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「俺としては、挫折知らずの人間より、傷だらけの人間に魅力を感じるがな」


ルージュバック
「・・・・」



焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ。すまねえ。偉そうに言っちまって」


ルージュバック
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



ルージュバック
「・・・心に響きました・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



ルージュバック
「安いエリート意識だった・・。みんなにチヤホヤされるうちに、私は、自分を見失っていたのかもしれない・・ 落」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・」



ルージュバック
「ありがとう、おじさん!もう少しで、勘違い女になるところでした!本当にありがとう!」


焼き鳥屋 店主シゲ
「フッ」



オウケンブルースリ
「はっはっは。一件落着だな。じゃあオレは帰るぜ」



   カタン



ルージュバック
「ん?オウケンさん。何か落としましたよ?・・・DVD?」


オウケンブルースリ
「ああ。拾ってもらっちゃってスマンな。・・・はうっ!!汗汗」



 ⇒『ザ・恵方巻き!!美女の恵方巻きシーン!100連発!!』



ルージュバック
「・・・・」


焼き鳥屋 店主シゲ
「・・・・汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだ!汗 こ、これには深いワケがっ! 汗汗」


ルージュバック
「・・・シゲさん。男ってホントバカ。蹴散らしてきます。きさらぎ賞で 怒」


焼き鳥屋 店主シゲ
「お、おう 汗」



オウケンブルースリ
「ち、違うんだぁぁーー!!汗汗」



  - つづく –

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