◆自分は相手に何を与えているか(アパパネ:安田記念2012)


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◆自分は相手に何を与えているか(アパパネ:安田記念2012)



≪公園にて。ローズイヌの散歩中≫



アパパネ
「い、一緒に走れる日が来ちゃったね。キングダム! 照」


ローズキングダム
「そうだな。一緒に2歳チャンプになって、もう俺らも5歳か・・」



アパパネ
「当時から読んでくださってる読者さん。ありがとうございます♪」


ローズキングダム
「・・・・汗」



アパパネ
「調子はどーお?キングダム」


ローズキングダム
「うーむ。坂路でかっ飛ばしてたら、最後ヘロヘロになっちまったな 汗」


アパパネ
「・・・・汗」



ローズキングダム
「まあやるだけやるさ」


アパパネ
「そ、そうだね!ワンツーできたら夢のようだね♪」


ローズキングダム
「可能性は低いけどな 汗」



ローズイヌ
「ワンワンッ!」


ローズキングダム
「フッ。我がバラ一族の番犬、ローズイヌも応援してくれてるのか?もう30歳になる老犬だけどな 微笑」


アパパネ
「・・・・」



謎の声
『ホッホッホ』


アパパネ
「・・こ、この声は・・ 汗」



ローズイヌ
『アパよ。やはりおまえにだけは、ワシの声が聞こえるようぢゃなw』


アパパネ
「ロ、ローズイヌ・・」



ローズイヌ
『な~にが、”ワンツーできたら夢のようだね♪”ぢゃ。バカww』


アパパネ
「くっ・・・」



ローズイヌ
『おまえなんぞに、うちの大切なキングダム坊ちゃんは渡さんぞ』


アパパネ
「ちっ・・」



ローズイヌ
『大体おまえとキングダム坊ちゃんでは、血統的にも無理があるぢゃろが』


アパパネ
「ア、アタシは、血統とかじゃなくて、もっと純粋な!ピュアな!プラトニックな! 汗汗」



ローズイヌ
『焦りまくっとるぢゃろうがw』


アパパネ
「う、うるさいなぁ!汗 アタシのピュアソウルは、アンタみたいなエロジジイにはわかんないのよっ!汗」



ローズイヌ
『カッカッカ。あっそw』


アパパネ
「は、腹立つ! 汗」



ローズイヌ
『・・アパよ』


アパパネ
「なによ!」



ローズイヌ
『・・おまえはキングダム坊ちゃんを好きなんぢゃろう?』


アパパネ
「べべべ!別に! 汗汗」



ローズイヌ
『・・ならばアパよ。おまえはキングダム坊ちゃんに、何を与えているのぢゃ?』


アパパネ
「は?」



ローズイヌ
『信頼というのは、お互いに与え合うバランスによって構築される・・』


アパパネ
「はぁ?」



ローズイヌ
『愛情も友情も、それは信頼であり、与え合いぢゃ』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『もらうばかりの者は、一見トクをしてるように見えて、人生トータルでは大損するぢゃろう』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『ワシのような飼われている犬は、エサをもらうばかりだろ!と思うかもしれんが、ワシは飼い主に、愛嬌と癒しを与えておる』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『この、可愛らしい笑顔でな。ニカッw』


アパパネ
「・・・・汗」



ローズイヌ
『おまえのように『もっと愛して!』『もっと私を幸せにして!』『もっと安心させて!』・・クレクレ言ってる奴が、信頼を得られると思うのか?』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『人と人は、心と心・・。与えすぎてもダメ。もらいすぎてもダメ』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『互いに互いの力を持ち寄り、助けあい、支え合うのが信頼なのぢゃ』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『よく考えるのぢゃ。アパよ。”自分は相手に何を与えているか?”とな』


アパパネ
「・・・・」



ローズイヌ
『おまえならきっと大丈夫ぢゃ 微笑』


アパパネ
「・・うん・・ 涙」



ローズイヌ
『・・む・・ゴホッ!ゴホゴホッ!! 咳』


アパパネ
「え? 泣 どうしたの?!ローズイヌ! 汗」



ローズイヌ
『ゴホッ!ゴホゴホッ!! 汗』


アパパネ
「ローズイヌ!!泣 ねえ!キングダム!ローズイヌが!!泣」



ローズキングダム
「お、おい!ローズイヌ!汗 大丈夫かっ!!汗」



ローズイヌ
『ゴホッ!ゴホゴホッ!! 汗』


ローズキングダム
「オ、オレちょっと獣医を呼んでくる! 走」




アパパネ
「・・・ローズイヌ・・やだ・・しなないで・・ 泣」


ローズイヌ
『ハァー・・ハァー・・ 汗』



アパパネ
「ローズイヌ! 泣」


ローズイヌ
『ゼエ・・ゼエ・・ 汗』



アパパネ
「ローズイヌ!あたし、まだローズイヌに何も与えてない! 泣」


ローズイヌ
『ハァー・・ハァー・・ 汗』



アパパネ
「あたし、いつもローズイヌにアドバイスもらうばかりだった! 泣」


ローズイヌ
『ハァー・・ハァー・・ 汗』



アパパネ
「ねえ!ローズイヌ!あたし達、まだ信頼構築してないよ!泣 起きてよ!ジジイ! 泣」


ローズイヌ
『ハァー・・ハァー・・アパよ・・』


アパパネ
「・・・・ 泣」



ローズイヌ
『ワシは・・もらったよ・・』


アパパネ
「え・・」



ローズイヌ
『おまえとの会話・・楽しかった・・』


アパパネ
「ローズイヌ・・ 泣」



ローズイヌ
『・・むしろ・・ワシの方が・・多くをもらっていた・・ん・・ぢゃ・・』


アパパネ
「・・・・ 泣」



ローズイヌ
『・・アパ・・。キングダム坊ちゃんを・・たの・・む・・』


アパパネ
「え?!やだ!!ちょっと!!ローズイヌ!!泣」



ローズイヌ
『・・・・ 目閉』


アパパネ
「ローズイヌーーーー!!!!涙」



ローズイヌ
『・・・・』


アパパネ
「・・・・泣」



  さわさわ



アパパネ
「キャッ!」


ローズイヌ
『・・ア、アパよ・・いいケツ・・ぢゃ・・微笑』



アパパネ
「ケ、ケツさわってんじゃねえ!!怒 ジジイ!コラァァーー!!怒 ガスガス!! 蹴」


ローズイヌ
『・・・い・・痛いん・・ぢゃ・・・ガクッ』



  - つづく –

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