◆レッドディザイア引退に寄せて・・・⇒みんなが忘れても、オレが覚えている
【レッドディザイア】
○Red Desire
○馬名 意味由来⇒ 赤い欲望
○5歳 女性 鹿毛
○父マンハッタンカフェ
○全成績 4-3-3-4
○単勝回収率 88%
○複勝回収率 138%
○デビュー2戦目のエルフィンS。あり得ない位置からの驚異の差し切りで、注目される
○桜花賞・オークスと、すばらしいパフォーマンスを見せるも、ことごとく史上最強牝馬が立ちはだかる
○最後の1冠秋華賞。勝つにはこれしかない先行抜け出しで、ついにブエナに勝利。ジーワンホースに!
○JCでは3歳牝馬ながら、ウオッカ・オウケンに迫る3着
○その後、ドバイ・アメリカと過酷なローテで徐々に心身消耗したか、精彩を欠く
○能力は歴代の名牝と比べても遜色なく、カリスマ性もある、スターホースだったと言える。
◆みんなが忘れても、オレが覚えている
≪オウケン調教中≫
オウケンブルースリ
「ゴール!!・・ゼェゼェ・・ど、どうだ・・?」
カリバーン
「おおっ!!いいですよ!オウケンさん!驚 サンライズベガさんを置き去りに! 驚」
オウケンブルースリ
「・・ゼェゼェ・・そ、そうでしょうがぁ!!ナイス調教でしょうがぁぁー!!怒」
カリバーン
「な、なんで武田鉄矢? 汗」
謎の声
「・・そんな真剣な顔、久しぶりに見たな・・」
オウケンブルースリ
「ん?」
レッドディザイア
「よ♪オウケン君♪」
オウケンブルースリ
「・・レッド・・」
カリバーン
「レ、レッドさん!汗 鼻出血は大丈夫ですかっ!!汗」
レッドディザイア
「うん・・命がどうこうってことはないけど、競走馬としては・・もう・・」
カリバーン
「あ、あのー!このたびは!なんてゆーか・・ 汗」
レッドディザイア
「ふふっ。いいのよバーン君。そんなに気をつかってくれなくても。アタシの中では整理はついてるから」
カリバーン
「は、はい 汗」
レッドディザイア
「・・整理はついてるから・・ 落鼻血」
カリバーン
「レ、レッドさん!汗 マズイっす!汗 まだ鼻血が! 汗汗」
レッドディザイア
「あ 汗」
オウケンブルースリ
「・・そこにイスあるから座ってろ」
レッドディザイア
「うん♪ありがと。めずらしく優しいじゃん」
オウケンブルースリ
「何言ってんだ。オレはいつも優しいでしょうがぁぁーー!!怒」
レッドディザイア
「な、なぜ武田鉄矢? 汗」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「・・・・」
オウケンブルースリ
「・・・ホントに引退すんのか?」
レッドディザイア
「うん♪あとはオウケン君に任す♪てへっ 涙」
オウケンブルースリ
「そうか・・・」
レッドディザイア
「や、やだなぁもう!汗 しんみりしないでよ!オウケン君は、ここからが復活の第一歩なんだから!」
オウケンブルースリ
「ああ」
レッドディザイア
「・・・・」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「・・アタシは・・・全力でがんばりました! 涙」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「ずっと目標だったブエナちゃんにも勝って秋華賞を取れたし。ドバイでも勝てたし! 喜」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「JCでは、ウオッカさんとオウケン君を一生懸命追いかけて、3着まで来れたし! 喜」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「・・・オウケン君のおかげで、ここまで頑張れたと思ってる・・」
オウケンブルースリ
「・・オレは関係ねえよ」
レッドディザイア
「・・昔・・アタシがどうしてもブエナちゃんに勝てなかった時・・」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「落ち込んで、くじけそうになってたアタシに、オウケン君、言ってくれたよね・・『おまえに欲しいものがあるなら、それを手に入れるだけの事をする必要があんだろ』・・って」
オウケンブルースリ
「・・・ああ。言ったな」
レッドディザイア
「ふふっ」
オウケン心の声
(い、言ったっけ? 汗 全然覚えてねえぜ 汗)
レッドディザイア
「・・・あの言葉はさ・・努力する覚悟はあるのか?って、アタシに言いたかったんでしょ? 微笑」
オウケンブルースリ
「・・ああ。よく気づいたな」
レッドディザイア
「ふふっ」
オウケン心の声
(わ、わからん 汗 自分が言った事くらい覚えとかんかぁぁーー!怒 このバカちんがぁぁーー!!怒)
レッドディザイア
「・・・人は、欲しいものがたくさんあったり、他人を羨んだりしてしまいがちだけど、それを手に入れるための努力をする覚悟はあるのか?って、自己に問いかけることは大事だよね」
オウケンブルースリ
「・・ああ。その通りだ」
レッドディザイア
「ふふっ」
オウケン心の声
(か、覚悟? 汗 なんの覚悟だ?キャバ嬢に電話番号聞いて、断られる覚悟か? 汗)
レッドディザイア
「・・・あの時のオウケン君の言葉があったから、アタシはここまで頑張れた・・」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「・・・オウケン君はさ、『頑張れ』って言ったら、アタシが逆に苦しくなると思って、わざと遠まわしなアドバイスをしてくれるよね」
オウケンブルースリ
「・・ああ。その通りだ」
レッドディザイア
「ふふっ」
オウケン心の声
(と、遠まわスィーなアドバイス??汗 なんじゃそりゃ! 汗)
レッドディザイア
「・・・・」
オウケンブルースリ
「・・・・」
カァカァ(カラス)
レッドディザイア
「・・・フー・・ついに引退かぁ・・」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「・・アタシの事は、もう忘れられていくだけだけど・・・オウケン君はもう一花、だかんね! 涙」
オウケンブルースリ
「・・・・」
レッドディザイア
「ね? 涙」
オウケンブルースリ
「・・もし・・」
レッドディザイア
「・・・・」
オウケンブルースリ
「もし、おまえの走りを、みんなが忘れても・・」
レッドディザイア
「・・・・」
オウケンブルースリ
「・・・オレがずっと覚えている」
レッドディザイア
「・・・・涙」
オウケンブルースリ
「おまえが刻んだ14戦すべてを・・・オレは忘れることはないだろう」
レッドディザイア
「・・・・泣」
オウケンブルースリ
「・・そして、むしろオレの方が・・」
レッドディザイア
「・・・・」
オウケンブルースリ
「・・おまえに助けられて、ここまで頑張ってこれたと思ってる」
レッドディザイア
「・・・・涙」
オウケンブルースリ
「今まで・・お疲れさん・・レッド」
レッドディザイア
「・・・・涙」
オウケンブルースリ
「・・後は任せろ。オレの残りの競走馬人生は、おまえの想いと共に走ろう」
レッドディザイア
「・・うん・・ 泣」
オウケンブルースリ
「任せろ」
レッドディザイア
「・・・オウケン君・・今まで・・本当に・・ありがとうございました・・ 泣涙」
– つづく –