心が変われば過去も変わる


◆『心が変われば過去も変わる』◆







過去と他人は変えられないというのは定説だが

過去を変える方法も、無いことはない。


過去の事象を変えることはできないけれど

過去というのは大抵、

自分の中での問題だ。


過去というのは現在の自分から見た心象風景に過ぎず

今が幸せならそこまでの道程である過去も肯定できるし

今が不幸なら過去も悔むことになる。


過ぎ去った過去など、その程度のとらえ方でいいのではないか。

今、この瞬間をガチで生きているなら

以前は悔んでいた過去の出来事も

いい思い出としてよみがえるだろう。









11R 第140回 天皇賞(秋)(GI)






1着 カンパニー
2着 スクリーンヒーロー
3着 ウオッカ






天皇賞秋の数日前
追い切りを終えたカンパニーは不思議な感覚に包まれていた。

「体が軽い。いつもと違う・・」



カンパニーはずっと悔んでいた。

クラシックで活躍できなかったことを。


「クラシックでの活躍は一流馬はほとんど経験してるのに
 なぜ俺はあのときもっと活躍できなかったんだろう・・」

その思いは古馬になって
G1で4着と5着を繰り返す中で大きくなっていった。


コスモバルク
「おお、カンちゃん!どうした?元気ないけど」

カンパニー
「うん、まあ、いつもの後悔さ・・」

コスモバルク
「なーにいってんのさ!過去なんか気にしたってしょうがないべさー。
 過去なんて今が良くなれば、過去も肯定できるっしょー」

カンパニー
「そ、そうだな。。そのなまりを聞いてると落ち着くよ。
 がんばれそうな気になってきたよ。バルク」

コスモバルク
「なにみずくせえこといってんのさー。同期っしょー?
 なまら水くせえべさー。いつでも相談においでやす!!」



秋天-最後の直線、カンパニーは抜け出した。

「か、体が軽い。やっぱり調子いい。これはいけるかも」



生まれて初めてG1のゴール板を先頭で駆け抜けた時、

カンパニーの中に、もう過去を悔む気持ちはなくなっていた。



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