◆ペルーサ◆ダービーウィーク特別編3


◆『ダービーウィーク特別編3』◆








    ~記者会見~



記者たち
「ペルーサさん!
 ダービー制覇への自信はありますか!!」



ペルーサ
「・・・・・・・」


記者たち
「ペルーサさん!
 何か一言お願いします!!」


ペルーサ
「・・・・・・・」


記者たち
「やはり大舞台への恐れなどありますか!!」


ペルーサ
「・・・くだらねえな・・・」


記者たち
「はい?」


くだらねえんだよテメエら・・・。」



    シーン



ペルーサ
「さっきからゴチャゴチャくだらねえこと言いやがって・・・
 誰にモノ言ってんだコラ・・・」


記者たち
「す、すみません・・」


ペルーサ
「自信ってなんだよ・・・
 東京2400でオレに勝てる奴がどこにいるんだ? あ?」


記者たち
「そ、それは勝利宣言ということでよろしいですか?」



ペルーサ
「・・・ハァ・・・
 あのな?
 なんでオレがそんなもん宣言せんといかんのじゃ。
 普通に走れば先頭でゴールするに決まってんだろうが。
 水を冷やせば、氷になる・・・
 同じくらいあたりまえの話じゃ」



記者たち
「あ、ありがとうございました! 汗
 し、失礼しまーす! 汗
 ・・・・ああ、怖い・・・」




    バタン




ペルーサ
「・・・・・・・
 ・・・自信・・ってなんだよ・・・ 落」



ブエナビスタ
「ずいぶんと威勢のいいコメントだったじゃないか」


ペルーサ
「あ、あねさん・・・」


ブエナビスタ
「状態は万全かい?」


ペルーサ
「・・・・・・・」


ブエナビスタ
「あ? 体調悪いのか?」


ペルーサ
「・・・いえ、状態は万全です。
 怖いくらいに・・・」


ブエナビスタ
「・・・そのわりには
 浮かない顔してるじゃないか」



ペルーサ
「・・・姐さん・・・
 ホントはオレ・・・
 ・・・怖いんです・・・
 ビビッてるんスよ! ハハッ ダセー・・・」


ブエナビスタ
「・・・・・・・」



ペルーサ
「ダービーは頂点を決める戦いです・・・
 全馬、究極の仕上げで来る・・・
 ひとつのミスも許されない・・
 それを考えると、夜も眠れんのですわ・・
 それなのに記者の前では粋がって・・・
 ハハハッ・・・
 ・・・情けないでしょ?
 笑ってください・・・」



ブエナビスタ
「・・・誰が笑おうものか・・・」


ペルーサ
「・・・姐さん・・・」



ブエナビスタ
「真剣勝負を前に、恐れを抱き
 それに打ち勝とうと
 必死に自己と向き合う者を
 誰が笑おうものか」


ペルーサ
「・・・・・・・ 泣」



ブエナビスタ
「ペルーサ、アンタは強い。
 弱い自己を認め、逃げずに向き合う姿は
 ダービー馬にふさわしいものと確信する」


ペルーサ
「あ、姐さん・・・ 泣」



ブエナビスタ
「ウチが保証するさかい」


ペルーサ
「・・・・・・・ 泣」


ブエナビスタ
「な?」



ペルーサ
「・・・姐さん・・・
 今週のダービー・・・
 もしオレが勝ったら・・・」


ブエナビスタ
「・・・・・・・」


ペルーサ
「オレと・・・」



ブエナビスタ
「・・・・・・・」






        - つづく –

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