◆体を張ってでも思いを伝えたかった オウケンブルースリ 函館2歳ステークス
◆体を張ってでも思いを伝えたかった
函館2歳ステークス(G3)
1着マジカルポケット
2着マイネショコラーデ
3着ルリニガナ
【前回までのあらすじ】
2歳のマジカルは、レッドの前ではカワイイ子供だが
オウケンと二人っきりになると、極悪なガキに変わるのだった
しかし調子に乗りすぎたマジカルは
レッドに一部始終を聞かれてしまうが
デコピンの危機に瀕したマジカルをオウケンがかばうのだった
レッドディザイア
「・・・オウケンくん、アンタが悪いってことね?」
オウケンブルースリ
「そ、そうなんです 汗
オレがマジカルにやらせたんです 汗」
マジカルポケット
「オウケン・・どうして・・」
レッドディザイア
「わかった・・。
レッドデコピン甘受せよ・・・」
バッチーン!!
オウケンブルースリ
「ぐはぁ~!! 泣」
レッドディザイア
「フン。
薬局行って薬でも買っといでっ!」
オウケンブルースリ
「は、はひ・・泣
行ってきまふ・・泣」
バタン
レッドディザイア
「まったくどうしようもないバカね。
ね?
マジカル君もそう思うでしょ?」
マジカルポケット
「・・・・」
レッドディザイア
「・・マジカル君はあんなバカになっちゃだめよ?」
マジカルポケット
「・・・・」
レッドディザイア
「あんなしょーもない男になったらダメだか・・・」
マジカルポケット
「ご、ごめんなさいっ!! 泣」
レッドディザイア
「ん?」
マジカルポケット
「ボ、ボクが悪いんだ!
オウケンに言われたからやったわけじゃなくて
全部ボクが勝手にや・・・」
レッドディザイア
「言わなくていい」
マジカルポケット
「え・・・」
レッドディザイア
「わかってる」
マジカルポケット
「・・レッドさん・・」
レッドディザイア
「キミが謝った時点ですべては解決よ。
オウケンくんは、
キミのその言葉を引き出したかったんでしょ、きっと」
マジカルポケット
「オウケン・・どうして・・
デコピンで負傷までして・・」
レッドディザイア
「ねえマジカル君。
人を騙せば誰かが傷つく。
そして回り回って、騙した本人も傷ついてしまう」
マジカルポケット
「本人も・・・」
レッドディザイア
「オウケンくんはさ、
弟分のキミの心が濁って行くのを見たくなかったんでしょうね」
マジカルポケット
「・・・・ 涙」
レッドディザイア
「マジカル君
オオカミ少年の話、知ってるでしょ?」
マジカルポケット
「はい・・」
レッドディザイア
「いつもウソをついていた少年は、本当にピンチになったとき
必死に助けを求めたが、誰も少年を助けてはくれなかった」
マジカルポケット
「・・・・ 涙」
レッドディザイア
「オウケンくんがキミに伝えたかったことは
きっとそんなところでしょうね」
マジカルポケット
「・・・・ 涙」
レッドディザイア
「あいつはバカだから、
デコピンをくらう自分の姿を見せることでしか
キミに思いを伝える術が思いつかなかったんでしょ 笑
ププッ
バカだよねー 笑」
マジカルポケット
「はい・・・ 涙」
レッドディザイア
「ふふっ」
マジカルポケット
「・・レッドさんが、なぜオウケンさんと一緒にいるのか
その理由が少しわかった気がします・・」
レッドディザイア
「えへ 照」
~その頃オウケンくん、薬局にて~
オウケンブルースリ
「うう~
オデコが痛い・・泣
と、とりあえずマキロンを買おう・・
・・ハッ!!
サイフ持ってきてないじゃないか! 汗
・・・・
しょうがない・・
かっぱらうぜ・・
こっそりポケットに入れて・・・
コソコソ・・」
薬局の店員さん
「あ!!
お客様!! 汗
お、お会計は?!
困ります!!
お、お客様~!!!」
- つづく –